◆あの場面にはどんな映像が流れていた?「たんたかたーん」の意味は?
映像が目まぐるしく変わっていく場面にはどんな絵が登場していたのでしょうか。この場面ではわずか5秒間の間に何枚ものビジュアルが登場します。
まずは、東堂と虎杖の思い出の場面が登場します。そこには金網越しに夕日を背にしているこれまでになかった場面や、京都校の生徒たちに紛れて虎杖と授業を受ける様子など不自然な場面などが登場しており、いずれも東堂が作り出した“存在しない記憶”と思われます。
また虎杖だけでなく、東堂にとって重要・大切な女性たちの姿も確認できます。
たとえば、東堂のタイプの“身長(タッパ)と尻(ケツ)”が大きな水着の女性たちや、東堂を呪術の世界へと導いた特級術師・九十九由基のビジュアルも登場しています。
妄想を思わせるこれらのビジュアルの中でこの九十九のシーンだけはTVアニメ第20話で描かれた、少年時代の東堂の過去の場面を思い出させます。
そして忘れてはいけないのが東堂が心酔しているアイドル・高田ちゃんこと“高田延子”。
原作単行本第5巻の東堂と同じ決めポーズをする高田や、銃を突きつける高田の様子が登場しています。
そしてこの場面で登場する「たんたかたーん」という女性の声の正体も高田。第8話で東堂が高田の握手会を訪れ、“高たんビーム”をリクエストしている様子が描かれましたが、そのときの掛け声がこの「たんたかたーん」です。まさかここに来て高たんビームが再登場するとは驚きです。
そしてこれらの場面に加えて、目を瞑って口をすぼめたなんとも言えない表情の東堂の顔がいくつも登場。ここまでくると本当に意味不明な度合いが増してきます。
東堂が何を考えているのかは、想像の余地があると思いますが、この表情にも元ネタがあります。
この東堂の表情は原作漫画第127話「渋谷事変 44」のカラー扉絵で描かれた東堂が元ネタ。宇宙空間に浮かび上がる虎杖の表情や、銃を握った高田も実はこのビジュアルを再現したものです。ふざけているようでしっかり原作愛が感じられる瞬間でした。