◆虎杖は入れ替わって何をつかんだ?
25巻ではほかにもさまざまな事柄が加筆修正されましたが、その中でも今後の鍵を握るのが、やはり虎杖の入れ替わりです。彼は入れ替わった日下部から何かをつかむように言われていましたが、目的は何だったのでしょう?
考えられるのは、シン・陰流の会得と入れ替わりの精度の上昇です。
まず、シン・陰流の会得については、宿儺の領域対策として会得しようとしたと考えられます。
虎杖は「248話 人外魔境新宿決戦⑳」で反転術式を修得したことが明らかになりましたが、領域展開の対抗策を持っていません。
現在、宿儺は五条の無量空処を食らい領域展開を使えませんが、いつ復活するかは不明です。もし、宿儺の領域展開が復活してしまったら、いくら虎杖が反転術式を使えてもただでは済まないでしょう。
そのためにも、彼は領域対策としてシン・陰流を使用できる日下部と入れ替わり、簡易領域を会得しようとしたと考えられます。
また、入れ替わりの精度の上昇については、宿儺から伏黒を取り戻すことが目的と考えられるでしょう。
虎杖は宿儺に受肉されていた際、宿儺の檻となり完全に肉体の主導権を握っていました。その経験から、彼は宿儺に受肉された伏黒と入れ替わって、伏黒の救出を狙っている可能性があります。しかし、彼はまだ魂の入れ替えをできるようになったばかりで、完全に修得していないのかもしれません。
そのため、入れ替えの精度をあげることを目的に、日下部と特訓していた可能性が考えられます。
──このように『呪術廻戦』25巻では、今後の展開に関わる重要な内容が加筆されています。特に本巻で確定した虎杖の入れ替わりは、宿儺との最終決戦で大きな役割を果たすと考えられるでしょう。
〈文/林星来 @seira_hayashi〉
フリーライターとして活動中。子供の頃から培ってきたアニメ知識を活かして、話題のアニメを中心に執筆。アニメ以外のジャンルでは、葬儀・遺品整理・金融・恋愛などの記事もさまざまなメディアで執筆しています。