◆宿儺と羂索と天元の関係性は?
物語のキーパーソンとなる宿儺・羂索・天元の3人は作中の様子からなにかしらの関係があったことがうかがえますが、3人の関係はまだ明らかになっていません。
3人の関係が分かるシーンは作中にいくつかあります。
まず羂索と天元の関係性ですが、虎杖らが渋谷事変のあとに天元のもとを訪れた際、天元は羂索の正体や彼の目的について明らかにしており、生前から関係があったことがうかがえました。さらに、羂索が薨星宮に侵入して天元を奪うとき、彼は天元のことを「友」と呼んでおり、ある程度親しい関係だったことが分かります。
また、羂索と宿儺の関係ですが、羂索は虎杖の母親の体を乗っ取り虎杖悠仁という宿儺の檻を作り出したり、裏梅と手を組み宿儺復活へ加担したりしていました。
羂索が虎杖を作り出さなければ宿儺が復活しなかったことや、渋谷事変のときに宿儺が「俺には俺の計画がある」と言っていたことから、生前より羂索と宿儺は手を組んで宿儺を復活させると約束していたのかもしれません。羂索はその見返りとして宿儺に自身の計画へ協力してもらっていたと考えられます。
さらに、宿儺と天元の関係ですが、羂索が現在の天元と顔を合わせたとき、その姿を笑い「それは自分で望んだ姿か? まるで」と言い、生前の宿儺の様子を思い浮かべていました。
確かに天元と生前の宿儺は目が4つあったり、鼻の形が似ていたりと共通点があります。また、宿儺は生前の自身の肉体が身仏になっていたことに対し、「羂索……いや天元か……皮肉のつもりか」と言っていました。
現在、3人の関係性は明確に語られていませんが、3人ともストーリーの核心に触れる重要な人物のため、この伏線はいずれ回収されるのではないでしょうか。
──作者の芥見下々先生いわく『呪術廻戦』は山場が3つあるといわれており、ファンのなかでは渋谷事変と死滅回游、そしていま本誌で展開されている人外魔境新宿決戦が山場ではと推測されています。
もし、芥見下々先生のコメントが本当だとすると、この漫画はすでに最後の山場を迎えており、最終回を迎える日が近いのかもしれません。はたして、最終回を迎えるまでにこの3つの伏線が回収される日がくるのでしょうか。
〈文/林星来〉