<※この記事には原作のネタバレが登場します。ご注意ください>
『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』(以下『かぐや様』)は、主人公である白銀 御行と、四宮 かぐやがお互いに相手を想っているにも関わらず、己のプライド故に自分から告白出来ず、相手から告白させようと画策する物語です。
<画像引用元:https://kaguya.love/story/?id=03 より引用掲載 ©赤坂アカ/集英社・かぐや様は告らせたい製作委員会>
この手の物語はなかなか登場人物の関係が進展せず、ヤキモキしますよね。『かぐや様』も同じようになかなか告白に移らず「いつになったら告白するんだ」「想いを伝えないまま終わるんじゃないか」と思っている視聴者も多いのではないでしょうか。
しかし、原作には、ちゃんと2人が想いを伝え合う話が存在するのです。
そこで今回は、原作で登場した白銀 御行と四宮 かぐやの恋愛頭脳戦に決着を付けたロマンチック過ぎる告白シーンを紹介していきます。
<※以下、原作のネタバレを含みます。ご注意ください>
あの「四宮 かぐや」からキスさせたロマンチックすぎるムード
<画像引用元:https://kaguya.love/story/?id=01 より引用掲載 ©赤坂アカ/集英社・かぐや様は告らせたい製作委員会>
白銀 御行と四宮 かぐやは、お互いに相手から告白させようと画策してきました。しかし、ある事情により2人は自分から告白しようと心に決めることになります。
その事情とは、白銀 御行の海外進学です。彼は密かにスタンフォード大学を受験し合格しました。名門大学合格は2人にとって嬉しい出来事なのですが、問題は大学の入学時期が日本の高校の卒業時期と大きく異なることにあります。高校を卒業してからでは多くの時間を無為に過ごしてしまうため、彼は高校卒業を待たず1年飛び級での入学を決めました。
そのため、一緒にいられる高校生活が短くなり、「このまま相手から告白を待っていたらラブラブな学生生活が送れない」と焦った2人は今までの相手から告白させる作戦から路線変更をして、相手から断られない告白をしようと画策することになります。
そんな2人が告白するイベントに選んだのが文化祭最終日のキャンプファイアーです。あれだけ、相手から告白させようと、すれ違ってきた2人が告白に選んだ舞台が同じだなんて運命的でもありますよね。
さて、白銀 御行の告白作戦ですが……。
文化祭最終日、学園中に飾り付けられていたハート形の風船が全てなくなってしまいます。
秀知院学園の文化祭には、期間中にハートの形をしたものを意中の相手に送り、愛を伝えるという伝統があります。
風船がなくなったのは、その伝統に則り白銀 御行が大量のハートの風船を四宮 かぐやに送るためだったのです。それも、キャンプファイアーの最中にバラまくことによって、上昇気流に乗った数百の風船が上空に舞い上がるという非常に手の込んだ送り方をしました。
それは、ある理由からどうしても自分から告白できない白銀 御行の想いを込めた風船だったのです。そして、ハートの風船に包まれる中、彼は一生で一度のお願いとして、四宮 かぐやに「スタンフォード大学を受験し、一緒にアメリカへ来い」と言います。
人生を左右する決断なだけに重いセリフですよね。ストレートな告白ではありませんが、寧ろ普通の告白より遥かに想いのこもったセリフなのではないでしょうか。しかも、ハート形の風船が空に舞い踊っている中でのセリフです。すごくロマンチックですよね。
四宮 かぐやは、この誘いを聞いて一瞬迷いますが、すぐに「わかりました」と返事をします。彼女の実家のことを考えれば、そんな勝手な判断が許されるはずありませんが、その返事の速さからは彼女の覚悟の大きさと想いの深さの伝わってきますよね。これは『かぐや様』の中で最もドキドキしてしまうシーンだと言えるでしょう。
<画像引用元:https://kaguya.love/1st/story/12.html より引用掲載 ©赤坂アカ/集英社・かぐや様は告らせたい製作委員会>
そして、白銀 御行の言葉に浮かれた四宮 かぐやは全ての答えとして、彼にキスをします……。
文化祭最終日、キャンプファイアーの炎と空中に漂うハート形の風船に囲まれる中、一生の選択をお願いするなんてロマンチックですよね。しかも、それらの締めくくりとして、あの四宮 かぐやからキスをさせるなんて、さすが白銀 御行といったところではないでしょうか。
お互いに告白させたいのはプライドだけが理由じゃない!? その本当の理由がエモすぎる
白銀 御行と四宮 かぐや、お互いに想いを確認し合った2人ですが、どうしてここまで時間がかかったのでしょうか。
その原因は、物語序盤ではプライドのためとなっていますが、白銀 御行の告白作戦中に、お互いに自分から告白しなかった本当の理由が明かされます。
<画像引用元:https://kaguya.love/story/?id=03 より引用掲載 ©赤坂アカ/集英社・かぐや様は告らせたい製作委員会>
四宮 かぐやの今まで告白をしなかった理由は、このセリフに全てが込められています。
「もし告白なんてして拒まれたら、きっと今の関係は壊れてしまう。だから、私は告らせたい。私の告白は失敗するかもしれない。でも、あなたが私に告白してくれば、成功率100%なのは間違いないのに!!」
これは非常にエモいセリフですよね。あれだけプライドのため、相手からの告白を狙っていると思われていた四宮 かぐやがこんなにも乙女なことを思っていたなってビックリです。
プライドのため空回りする四宮 かぐやも可愛らしいですが、こういった乙女な彼女も魅力的に思えますよね。
これは恋する人間の心理をついた、とてもエモいセリフなのではないでしょうか。
<画像引用元:https://kaguya.love/story/?id=02 より引用掲載 ©赤坂アカ/集英社・かぐや様は告らせたい製作委員会>
白銀 御行が今まで告白に踏み切らなかった理由はちょっと複雑なものになります。
白銀 御行は、四宮 かぐやのような多彩な才能もなく家柄も比べ物にならないと劣等感を抱いていました。そのため、唯一彼女に勝てる手段として勉強で1番を取ることを選んだのです。
途方も無い努力の果てに、勉強で勝った白銀 御行は、四宮 かぐやと対等な存在になれた気がしました。しかし、もし、自分から告白してくれと乞い願ってしまえば、勉強で得た対等な関係は失われてしまい、永遠に対等な存在になれないとも考えていました。そのため、彼から告白ができなかったのです。
これは今まで語られてきたプライドの問題と同じようでどこか違う理由でもあります。「多くを持つ人間が選ばれるのは当たり前、持たない自分を相手が選ぶからこそ、これから先も対等だと言える」そんな思いが白銀 御行にはあるのかもしれません。
プライドだけではない、これから先の関係までも考えていた白銀 御行の想いは、とても深くエモいものだと言えるのではないでしょうか。
秀才「白銀 御行」が考えた誰にも雰囲気を邪魔されない完璧な作戦とは?
白銀 御行が行ったロマンチックな作戦ですが、いつもは邪魔者(藤原 千花など)が入り妨害されることが多いのに、なぜ今回はこれほど上手く行ったのか疑問に思う方もいるのではないでしょうか。「真面目な回くらいはそんな偶然が起こってもおかしくはない」と思うかもしれませんが、これにはちゃんと理由があります。
実は、邪魔が入らなかったのは白銀 御行が策を練っていたからなのです。その作戦とは……。
<画像引用元:https://kaguya.love/story/?id=07 より引用掲載 ©赤坂アカ/集英社・かぐや様は告らせたい製作委員会>
◆その1 対「藤原 千花」用作戦
白銀 御行は文化祭最終日、学園中にあったハート形の風船を盗みましたが、ただ盗んだわけではありませんでした。風船を盗み、盗んだ犯行を記すカードを現場に残したのです。
そのカードには「ハートを頂きに上がった Arsene」と記されていました。そして、次にまた別のものを盗むと犯行予告状を送ったのです。
その犯行予告状に反応したのが、謎解き大好き藤原 千花でした。彼女は犯行予告状に書かれた謎を解き、次の犯行を阻止しようと躍起になったのです。
しかし、全ては白銀 御行の策でした。2枚目の犯行予告状に記された謎解きに正解はなく、藤原 千花がその謎解きに夢中になる様に仕込んだものだったのです。結果、普段なら恋愛オーラを感じると飛んでくる藤原 千花を事前に封じ込めることができました。
<画像引用元:https://kaguya.love/story/?id=05 より引用掲載 ©赤坂アカ/集英社・かぐや様は告らせたい製作委員会>
◆その2 対「伊井野 ミコ」用作戦
藤原 千花ほどではありませんが、伊井野 ミコのような生徒会メンバーも要注意です。
伊井野 ミコは、生徒会選挙戦の公約でも話していましたが、風紀の乱れを非常に気にしています。そこで、白銀 御行は自身が告白作戦中であるキャンプファイアーの時間、伊井野 ミコを浮かれる生徒たちを取り締まる役目である文化祭実行委員に派遣したのです。結果、生真面目な彼女はキャンプファイアー中のポイ捨てや騒音の注意などに奔走し、告白の障害にはなりませんでした。
<画像引用元:https://kaguya.love/story/?id=06 より引用掲載 ©赤坂アカ/集英社・かぐや様は告らせたい製作委員会>
◆その3 対「石上 優」用作戦
石上 優も伊井野 ミコと同じように生徒会メンバーとして注意が必要な人物です。
そのため、白銀 御行は石上 優の意中の相手である子安 つばめの出し物を遅い時間に設定することによって、彼がキャンプファイアーの時間に白銀 御行や四宮 かぐやの前へ出てこない様に仕向けました。
このように白銀 御行と四宮 かぐやのロマンチック空間が邪魔をされなかったのには、彼の類まれなる努力と作戦があったためなのです。
生徒会メンバーの人間関係や特徴をよく捉えた作戦ではないでしょうか。白銀 御行が秀才と呼ばれるのは伊達じゃありませんね。
――以上が白銀 御行と四宮 かぐやの告白にまつわる一連の出来事になります。いかがでしたか。2人の想いが通じ合う瞬間はとてもエモいですよね。
これからは白銀 御行と四宮 かぐやのお互いに告らせようとする展開はなくなってしまうのですが、今度は恋人らしいことをしようとお互いにドギマギする展開が繰り広げられます。
お互いに恋愛初心者であるためか、2人が取るちょっと的外れな行動が面白い話になってきます。
『かぐや様』はアニメも面白いですが、原作はもっと面白いのでこの機会に皆さんも読んでみてはいかがでしょうか。
(Edit&Text/天乃ひる)
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