◆事前登録で時が止まることは珍しくない?

 「2年も事前登録状態のまま、なんてことあるの?」と思う方も居るかも知れませんが、実はこういった状況は『鬼滅の刃 血風剣戟ロワイアル』に限った話ではありません。

 例えばTVアニメ『魔法科高校の劣等生』を題材にしたスマートフォン向けRPG『魔法科高校の劣等生リローデッド・メモリ』も2020年10月より事前登録を開始しました。しかし、1年半以上を経過した2022年現在もリリースまでは至っておらず、2022年3月には冬のサービス開始を撤回し、配信時期の延期を発表しています。

 事前登録を開始したまま配信がされないという場合もあります。TVアニメ『青の祓魔師』を題材に2019年に事前登録をキャンペーンを開始したスマートフォン向けアプリゲーム『青の祓魔師 DAMMED CHORD』は、複数回に渡るWEBラジオ企画まで配信していながらも2020年11月に、目標とする品質に至らず開発中止を発表。新プロジェクトの開発に移行することを発表しています。

◆『鬼滅の刃 血風剣戟ロワイアル』がリリースされる日は来るのか?

 リリースを果たせない前例の存在を知ると、余計に『鬼滅の刃 血風剣戟ロワイアル』が配信されるのかどうか分からなくて不安になりますが、正直ユーザー側としては開発陣を信じて待つしかありません。

 『鬼滅の刃 血風剣戟ロワイアル』を開発しているのはアニプレックス社傘下の株式会社Quatro A。「東方Project」を題材にしたスマートフォン向けゲームアプリ『東方キャノンボール』などを開発していた会社です。同ゲームはすでにサービスを終了しているため、現在公に発表されている企画は『鬼滅の刃 血風剣戟ロワイアル』のみであることを考えると、本作の開発に多くのリソースを集中させていることは容易に想像できます。

 ましてや、企画の発表以降に『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』『鬼滅の刃 遊郭編』が発表されており、作品自体の人気や世間の認知度も大きく変わっている状況にあります。当初の予想よりも訴求できる層が格段に増えた分、開発時期を大きく伸ばしてでも、クオリティをあげた方が賢明と判断してもおかしくはないです。

 2021年の顔とも言える『ウマ娘プリティーダービー』のゲームアプリの企画が発表されたのは2016年。事前登録が開始されたのはなんと2018年でした。時間をかけての開発が実を結ぶ前例があることを踏まえると、まだまだ『鬼滅の刃 血風剣戟ロワイアル』のリリースを信じて待つ価値はあるでしょう。

〈文/ネジムラ89〉

《ネジムラ89》

アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレターを配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi

アプリゲーム「鬼滅の刃 血風剣戟ロワイアル」公式サイト
©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable ©Aniplex Inc.

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