『鬼滅の刃、上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』の上映が劇場で始まりましたが、本作は“劇場版”ではないにも関わらず、400億円の興収を突破した『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』と同スケールでの上映となっており、並大抵の映画でも展開できないスケールの企画となっています。その勢いは日本を飛び越え、世界にまで影響を与えるかもしれません。
◆『鬼滅の刃、上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』ってそもそも何なのか?
今回上映がスタートした『鬼滅の刃、上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』が劇場版ではないのなら、そもそも何なのでしょうか。
今回の上映では、2021年12月より放送されたTVアニメ『鬼滅の刃』遊郭編の、最終2話分にあたる第10話と第11話を劇場上映し、さらには、4月より放送を予定している刀鍛冶の里編から第1話を、TVアニメの上映に先駆けて先行公開するというものです。
端的に言ってしまえばTVアニメシリーズから抜粋して、映画館で流す企画なのですが、しっかり全編4Kアップコンバートを施し、音楽も今回の上映に合わせて再ミックスをするなど、映画館での上映を踏まえたバージョンになっています。
冒頭には、LiSAさんの「紅蓮華」や「明け星」を使ったスペシャルアバンも用意されているなど、実は“ただ抜粋して流すだけ”ではないことは、知っておきたいところです。
今回選出された遊郭編の第10話と第11話では、炭次郎たちと鬼の最高幹部の一人である上弦の陸(ろく)の堕姫と妓夫太郎の戦いの決着と、さらには感動的な堕姫と妓夫太郎の過去の物語までもが収録されているので、実質遊郭編の良いとこ取りができる編成でもあります。
◆企画上映にしては規模が大きすぎる!?
しっかり映画館ナイズしてくれている『鬼滅の刃、上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』なのですが、本作が驚くべきところは上映規模がすごい数字となっていることです。
今回、公開が開始された時点でIMAXでの同時上映も全国418館(内IMAX版41館)の規模で興行が実施されることが発表されています。これは『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』と同スケールでの興行となっており、それだけでも力の入れ様が分かるでしょう。
ちょうど2月は新作ビッグタイトルの上映が少ないからこそできる規模かもしれませんが、いくら来季からの先行上映エピソードがあるとはいえ、TVアニメシリーズの劇場上映でこれだけの規模での上映が実施されるのは異例といえます。
そもそも通常の映画興行でも350館以上で公開される映画は、限られた注力タイトルのみです。そんな中で今回400館以上の公開規模をあてがわれるのは、『鬼滅の刃』のブランド力の強さゆえでしょう。
映画館では『すずめの戸締まり』や『THE FIRST SLAMDUNK』といったタイトルが、昨年に引き続きまだまだロングラン上映が続いていますが、それらの作品からバトンを受け取り『鬼滅の刃』ももしかすると来季の『刀鍛冶の里編』の放送時期まで、上映が続くなんてこともあり得そうです。