夏休みシーズンも終了間近の2017年8月25日に公開された『きみの声をとどけたい』

昨今の青春アニメ映画といえば恋愛物が定番ですが、驚いたことにこの映画ではその恋愛要素がほぼないに等しく、この時代には珍しい作品となっておりました。では、『きみの声をとどけたい』は何を描いた映画だったのか

映画『きみの声をとどけたい』オリジナルサウンドトラック「アクアマリンの思い出たち」
画像引用元:映画『きみの声をとどけたい』オリジナルサウンドトラック「アクアマリンの思い出たち」 販売元:ランティス

この映画、なんと・・・、

「共同プロジェクトの成功指南映画」だったのです!

・・・といってもいまいちピンと来ないとは思います。

この映画のあらすじを簡単に説明すると“女子高生達がミニFM放送局を作り上げる”という映画だったのですね。

友情物語であったり、親子の感動物語であったり、キーワードである言霊であったりと様々で見ることができる作品なのですが、それよりも私は、ほぼゼロの状態からミニFM放送局を作るという、成功例として学びのある映画だったのです。

今回は、そんな実用感のある本作の魅力を紹介したいと思います。

主役はサイコガール!? 圧倒的推進力のなぎさちゃん

大きなプロジェクトを動かすに必要なものってなんだと思いますか?

さまざまな答えが上がると思うのですが、その答えのひとつとして台風の目とも言えるような普通じゃない推進力を持った中心人物が必要だと私は思っています。

この映画、最終的に町ぐるみのミニFM放送局の創設にまで発展していくのですが、そんな大きなものを作るには、それなりのエネルギーを持った人間が必要だと思うのです。

そして、この映画にはちゃんとその台風の目の役割を担う人物が居るのです。

それが本作の主人公である高校二年生の女の子・なぎさちゃんです。

キミコエ なぎさ
画像引用元:『きみの声をとどけたい』映画前売券(一般券)(ムビチケEメール送付タイプ)

生まれながらにして言霊(声から発生する謎の球体)が見えてしまうというオカルティックな体質を持つが故か、性格はもはやサイコ

明朗快活、天真爛漫でありながら、その度が行き過ぎて、

「こんな子いねーだろ!!」

という域に到達している際どい女の子です。

えば、映画冒頭で雨宿りで寄った潰れた喫茶店に不法侵入し、その喫茶店にあった機材を勝手に利用して、ラジオ放送を行うという奇行を無邪気に行います。

この女の子、特にラジオに憧れがあった感じもないのに無茶苦茶すぎるなぁ……と、脈絡のなさに正直最初は不安に思いました。

が、その不安通り、その後も、知らない人の病室に堂々と乗り込んで行ったりと、なぎさちゃんの普通じゃない行動に驚かされるばかりでした。

しかし、そんななぎさちゃんがほぼ行き当たりばったりの理由でミニFM放送局を始めてからは、その印象がガラッと変わりました(!?)

この女の子、すっごく頼もしい!!

ミニFM放送局を作るなんて尻込みしそうな企画を、本当に楽しそうにコツコツと作りあげていきます。

さっきまでの奇行が、逆にミニFM放送局を作りあげ得る力の持ち主である説得力となっていたのです。

ゼロに近い状態からなにかを作り上げるには、やはりこれぐらいぶっ飛んだ思考回路の人が居た方が強いです。

なぎさちゃんはまさにそんな圧倒的推進力の持ち主だったのです。

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