◆試合を辞退したキン肉マンが再びリングに上がる──「フェニックス戦」

  「キン肉星王位争奪編」のスーパー・フェニックスとの戦いでは、先鋒戦のあとに試合を辞退したはずのキン肉マンが、最終戦の6人タッグマッチに出場しています。

  キン肉マンは、先鋒戦に勝利しているものの、勝ち抜き戦のため次の試合を辞退しており、次鋒のラーメンマンが出場した時点で既に出場資格を失いました。

 ところがフェニックス側がキン肉マンに戦線復帰をうながし、負ければ存在自体が消滅する「イリミネーション・ルーレット・マッチ」で最後の決着をつけることを提案します。

 このように、フェニックスがキン肉マンの出場を認めているので反則とはいえませんが、宇宙全体の超人を束ねるキン肉星大王を決める試合で、正義超人側が本来の勝ち抜き戦というルールを曲げてしまうのはどうなのでしょうか。

また、この「イリミネーション・ルーレット・マッチ」も当初はフェニックス、マンモスマン、オメガマンの3人に対して、キン肉マンとロビンマスクの2人で始まったのですが、数的に不利だということで急遽ネプチューンマン(ザ・サムライ)が助っ人としてキン肉マンチームに参加します。

 試合形式が決まったあとでの参戦は卑怯といえますが、マリポーサ戦やゼブラチーム戦のように、助っ人やメンバー変更に関しては黙認しなくてはならないのかもしれません。

 そのような経緯で、キン肉マンは4試合目の6人タッグマッチに出場し、フェニックスチームの5人に勝利しています。

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 ──メンバー表にないテリーマンとロビンマスクが、キン肉マンの反則ギリギリの行為によって突如試合に参戦したり、ラーメンマンが試合前に敵を奇襲したりするなど、こういった不正を目にすると「果たして正義超人とは?」という疑問が生まれそうですが『キン肉マン』はプロレスがモチーフの作品であり、ここで取り上げた不正もより忠実にプロレスを再現するための手法だったのかもしれません。

〈文/諫山就 編集/乙矢礼司〉

※サムネイル画像:Amazon.co.jpより


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