◆恐怖表現だけじゃない! 再現された昭和30年代描写

 『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』がより不気味に感じられる理由として、残酷な表現を直接描いていることに加えて、いつもの鬼太郎よりも“リアル”に描かれていることが怖さに拍車をかけていると言えます。

 制作過程では実際に想定と近い風景の場所にロケハンに行ったり、時代考証の方に入ってもらい当時の生活ぶりの再現にも注力しているので、実際に当時を知らなくても「当時はこんな様子だったのか」と作中の世界に没入できます。

 中でも“懐かしさ”を感じたのが小道具。今ではなかなか見ないような重そうなガラス製の灰皿は自身の祖父が同じようなものを使っていたことを思い出し、妙な懐かしさを感じました。

 そもそも喫煙についても世間的に寛容な様子が描かれています。冒頭から水木が村へ向かう電車の車両内では乗客達の吸うタバコの煙に満ちている描写が登場しています。今や現実では喫煙できる場所が極端に限られてきているので、こういった何気ないシーンからも現代と当時での感覚の違いが分かります。

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