TVアニメ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(以下、『こち亀』)では、たびたび金欠の両さんこと両津勘吉の姿が描かれていましたが、警察官はどれくらい給料をもらっているのでしょうか。
また、両津が自分のボーナスを守るべく亀有商店街の人々と熾烈な争いを繰り広げる、通称「ボーナス争奪戦」の様子が作中では描かれていましたが、警察官のボーナスの金額はどれくらいなのでしょうか?
◆巡査長って偉いの?仕事内容は?
警察官の給料やボーナスについて詳しく考えるために、まずは両津の基本的なステータスをおさらいしておきましょう。
両津は警視庁新葛飾署地域課の所属で、亀有公園前派出所に勤務している35歳(諸説あり)の巡査長です。高校卒業で警察官になっているため、少なくとも15年以上のキャリアを積んでいることになります。
警察官の階級は警察法の第62条により、警視総監、警視監、警視長、警視正、警視、警部、警部補、巡査部長、巡査の9つと定められていますが、ここには、巡査長という階級は書かれていません。
巡査長は正式な階級ではなく、巡査として一定の実績を残した者に与えられる称号のようなものです。立場でいえば、新人の巡査より上で、巡査部長より下、という扱いになります。仕事内容は、巡査と同じく交番や駐在所に勤務してパトロールや事務作業を行うほか、後輩の指導も担当するようです。
ノンキャリアで採用された警察官は皆、巡査からスタートします。『こち亀』の派出所では、中川と麗子が巡査、両津が巡査長、大原が巡査部長として描かれています。
◆警察官の給料はどれくらい?
警察官の仕事は危険がつきものであったり、勤務時間が不規則だったりすることから、一般企業などと比べて平均給与が高く設定されているケースが多いです。
警察官の平均的な月給は32万5,987円であることが「地方公務員給与実態調査 」で分かっています(総務省、2022年4月発表)。
加えて公務員なので、有給休暇や各種手当、年功による昇給、単身者向けの寮の完備といった、さまざまな制度が充実。倒産やリストラの心配もありません。
両津の給料に関しては、作中で通帳の金額が原作の第77巻で具体的に描かれていたことがあり、毎月、多少の違いはあるものの、31〜32万円がしっかりと振り込まれていました。
SNSをはじめとするインターネットでも「両津の常人離れした能力を考えたら安すぎる」「35歳の巡査長としては高いほうでは?」などの意見が見受けられます。
犯罪者の検挙率が高い一方、勤務態度に難のある人物ですので、妥当か否かの判断は難しいようです。