『魔法科高校の劣等生』の名物と言えば、お兄様の無双ですよね。誰が相手だろうと負ける気配が微塵もないお兄様は観ていて爽快がありますし、安心感もあります。そこが、この作品の魅力ともなっているのでしょう。
そして、名物と言えば、深雪が持つ達也への過剰な愛も忘れてはいけませんよね。
<画像引用元:https://mahouka.jp/story/?id=ep06 より引用掲載 ©2019 佐島 勤/KADOKAWA/魔法科高校2製作委員会>
『魔法科高校の劣等生』の別名となったこのセリフ「さすがはお兄様です」(さすおに)を発した深雪の達也への愛は兄妹とは思えないほど深いもの。特に2期でのバレンタイン回では、深雪の重すぎるバレンタインに多くの視聴者がドン引きしていました。
しかし、所詮は兄妹。これ以上関係が発展することはないハズ。そう常識ではないハズ……。ですが、その常識を破るのがこの『魔法科高校の劣等生』。
なんと、今後の展開では達也と深雪が婚約する超展開を迎えるのです。
今回は、そんな達也と深雪の婚約について、そして兄妹2人の想いや過去について紹介していきます。
※以下、原作のネタバレを含みます。
◆将来的に婚約する達也と深雪。兄妹にも関わらず婚約ってどうなっているの?
<画像引用元:https://mahouka.jp/1st/story/e01.html より引用掲載 ©2013 佐島 勤・KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊/魔法科高校製作委員会>
「婚約ってマジ?」「いつのこと?」「兄妹なのにどうやって」などの疑問が浮かんでいることでしょう。ここではそれらの疑問を一つ一つ解消していこうと思います。
まず、婚約に関しては、ガチです。一時的なものや偽装婚約でもなく、本当に婚約してしまいます。結婚自体はまだですが、原作最新刊では、そろそろ結婚回が描かれてもおかしくはない雰囲気に。
しかも、婚約の話は、達也と深雪の間だけの話ではなく、2人の生家である四葉家から発表されたもの。モチロン、達也と深雪の友達全員も知っており、また魔法師界公認の出来事となっています。
今後の展開的に2人の関係をどうするのか疑問ではありましたが、まさか婚約させるなんて驚きですよね。まぁ、達也の隣に深雪以外がいるのも違和感があるので、収まりがいいと言えるかもしれませんね。
そして、この婚約がいつの話になるのかですが、まず2期では語られることはないでしょう。現在放送中の2期、来訪者編が原作で9巻から11巻の話です。婚約はさらに未来の話。原作16巻で語られる四葉継承編の話になります。
少し巻数に開きがありますよね。もし『魔法科高校の劣等生』に3期があれば、語られることになるのではないでしょうか。
<画像引用元:https://mahouka.jp/1st/story/e16.html より引用掲載 ©2013 佐島 勤・KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊/魔法科高校製作委員会>
ここからは、一番の謎「兄妹なのに婚約なんてどういうこと?」について紹介していきます。
兄妹の婚約、深雪にとっては嬉しいでしょうが、世間的に考えれば、おかしな話ですよね。タブーとも言えます。ちなみに兄妹の婚約、結婚が許されないのは『魔法科高校の劣等生』世界でも同じです。世界観が違うわけではありません。
まず、この婚約の話が持ち上がったのは、この巻の主題である四葉を継承するために必要なことだからです。四葉継承の話と婚約の話を同時にすると少し複雑な内容になるので、最初に四葉継承の簡単な疑問を解決していきましょう。
「誰が四葉次期当主になるの?」……深雪
「現在の当主は誰だっけ?」……四葉真夜
「四葉継承編では、当主争いはあるの?」……現当主を深雪を指名し、一族満場一致なので、当主争いはなし
「達也の方が強いのに、なぜ深雪が当主なの?」……四葉家の当主は最強の魔法師ではなく、最も優れた魔法師がなるという決まりがあるから
以上のことから深雪が四葉次期当主となるのですが、問題は婚約者。当主ともなれば、誰か適切な婚約者が必要ですよね。何もなければ、深雪には達也以外の男性が婚約者としてあてがわれてしまいます。兄妹の恋愛が御法度である以上、深雪も仕方がないと思ってはいるものの、心のそこでは納得していませんでした。
しかし、当主になれば家から出来損ないの魔法師として虐げられている達也の地位を回復することができる……。
異なる2つの思いの間で悩む深雪。
そこへ、現当主四葉真夜が驚きの話を達也と深雪に打ち明けます。
それは、達也は深雪の実の兄ではないと言うこと。そして、達也は自分(真夜)の息子であると言うのです。
「???」
「今までの話と違いすぎない?」
と思いますよね。
まず、少し四葉家の関係から整理しましょう。現当主である四葉真夜は深雪からみれば叔母にあたります。つまり、深雪と達也は現当主の姉(深夜)の子と言うこと(深夜は故人)。
しかし、実はそうではなく、深夜の子は深雪だけで、達也は真夜の子供であると言うのです。これが本当ならば、達也と深雪は兄妹ではなく、従兄妹。
まぁまぁ驚きの出来事ですよね。ですが、ここまでなら、それほどややこしくはありません。ただ、達也が真夜の隠し子で、姉(深夜)の子供だと偽られていただけです。
複雑なのはここからで、深雪と達也が兄妹ではなく従兄妹であるという話は、達也と深雪を婚約させるための作り話。嘘だと言うこと。
「今までの話はなんだったんだ」「どれが真実なんだよ」となりますが、「深雪と達也が実は従兄妹だった」は世間を騙すための嘘ということになります。兄妹ではなく、従兄妹ならば、婚約しても問題はありません。つまり、これらの嘘は達也と深雪に正式な婚約を結ばせるためということになります。
真夜が達也と深雪を婚約させる思惑はまた別にあるのですが、ここでは置いておいて、兄妹である達也と深雪が婚約できたのは、この嘘のお陰です。
「こんな嘘、通用するのか?」とも思われますが、最終的にはみんな納得してしまっています。モチロン、魔法師の中には、異議を唱えるものもいましたが、強引に納得させられていました。
むしろ、世界最強の魔法師の1人と言われている四葉真夜の息子なら、達也の強さも納得できるという感じです。一連の内容は、16巻にまとめられているので、興味がある方は読んでみてください。
◆好意を隠そうとしない深雪 兄妹である達也と深雪の現在の関係とこれからの関係は?
<画像引用元:https://mahouka.jp/story/?id=01 より引用掲載 ©2019 佐島 勤/KADOKAWA/魔法科高校2製作委員会>
達也と深雪が婚約するという驚きの未来を紹介したわけですが、これはまだまだ先の出来事です。
ここでは、少し、現在の深雪と達也の関係を振り返り、そして婚約が決まって2人の関係がどう変化していくのかを紹介していきます。
まず、現在の達也と深雪の関係は、兄妹であると言うよりも四葉の重要人物である深雪を達也が護衛しているというのが正しいです。学ぶことの少ない魔法科高校に達也が通っているのも、ほとんど深雪を傍で護衛するため。
また、深雪は達也の力を封じるための鍵でもあります。横浜騒乱編では、深雪が達也に施されていた鍵を解くシーンが描かれていました。危険すぎる達也の力を抑制するため、四葉家は達也の力を封じ、その鍵を深雪に渡していたわけです。
説明だけなら、結構ドライな関係に思えますが、皆さん知っての通り深雪は兄妹以上に達也のことを愛しています。体面的には、兄妹への愛情と言ってはいますが、とてもそうは思えません。周囲が察してしまうほどの愛情を振りまいていますよね。
達也も、達也で「シスコン?」と思ってしまうほど深雪を気にかけています。1にも2にも深雪の安全。達也が怒りを覚えることは、深雪に関することだけという徹底っぷり。生粋のシスコンですよね。
傍から見れば、相思相愛です。まさに婚約者としてピッタリですね。
そのため、婚約者となった未来では、達也と深雪のイチャラブが見られるのでは? と考える方もいるでしょう。
しかし、案外そんなシーンは少ないです。
<画像引用元:https://mahouka.jp/1st/story/e03.html より引用掲載 ©2013 佐島 勤・KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊/魔法科高校製作委員会>
婚約が決まり、変化があったのは主に深雪の方で、ドンドン大胆な行動にでるようになっていきます。それは、夜の営みに誘いそうな勢いで……。婚約者になってからの深雪は本当にノリノリ。今までのお兄様呼びから達也様呼びに変わり、雰囲気は婚約者そのものです。
それにも関わらず、イチャイチャが少ないのは、達也に原因があります。
どうやら達也は深雪のことを妹以上に見ることができないようなのです。
婚約が決まり、兄妹なのに本当にいいのかという話し合いが達也と深雪の間で行われることになります。そこで、深雪は達也に今まで兄としてではなく男として慕っていたと打ち明けるのですが、達也は深雪を妹として以上に見ることができないと言ってしまうのです。
まぁ、結果的には、これからは妹としてではなく、1人の女性として深雪をみていく努力をすることで話はまとまるのですが……。
しかし、婚約以上に特別な進展はありません。達也が深雪を1人の女性として愛する未来は来るのでしょうか。
◆初めから達也を愛していたわけではない? 深雪が達也を慕うことになった事件とは?
<画像引用元:https://mahouka.jp/1st/story/e02.html より引用掲載 ©2013 佐島 勤・KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊/魔法科高校製作委員会>
お兄様好き好き大好きな深雪。視聴者の中には、なぜこれほど深雪が達也のことを好きなのか不思議に思っている方もいるのではないでしょうか。
当たり前ですが、生まれた瞬間から達也が好きだったわけではありません。ちゃんと深雪が達也を慕うキッカケとなった事件があるのです。
これまでは、現在と未来の話をしてきました。ここでは、2人の過去について少し紹介していきます。
実は、幼い頃の深雪は達也のことを苦手としていました。幼い頃の達也を、端的に言い表せば、子供らしくないのです。常に感情を顕にせず、最低限のことしか話さない少し不気味な子供でした。
子供の深雪が達也に抱いていた感情も似たようなものです。接し方がわからず、苦手意識を持っていました。好きでもないが嫌いでもないといった感じでしょうか。
また、それだけではなく、自分と変わらない年であるにも関わらず、ガーディアンとして怪我を顧みず深雪を守る達也に負い目も感じていたようです。
そんな深雪の想いに変化が生じたのは、物語が始まる3年前、達也と深雪が中学生の頃になります。
沖縄にバカンスに訪れた、達也と深雪でしたが、タイミング悪く大亜連合の奇襲作戦に巻き込まれることに。四葉家からの手回しと軍の計らいでシェルターに避難した達也と深雪でしたが、そこは安全ではありませんでした。達也が外の様子を見に行っている隙に、深雪が大亜連合の奇襲に乗じた反乱兵に撃たれてしまうのです。
死を覚悟した深雪でしたが、そこで初めて達也の持つ信じられないレベルの魔法を目の当たりにします。達也の再生魔法で傷一つなく回復した深雪は、何も知らず出来損ないの魔法師として達也をみていた自分を恥じると同時に畏怖と敬虔の念を抱くことに。そして、達也がその魔法のために、兄妹愛以外の感情を全て失っていることを知るのです。
<画像引用元:https://mahouka.jp/1st/story/e07.html より引用掲載 ©2013 佐島 勤・KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊/魔法科高校製作委員会>
「命を助けられ、自分はずっと達也に守られ続けていた、そこまでしてくれる兄に自分は何をしてあげることができるのだろうか?」
これが、深雪が達也を愛している根幹にある想いになります。ただのブラコンではなく、ちゃんと重い過去があるわけです。
2人の過去が描かれている8巻では幼き日の2人だけではなく、2人の母(深夜)も登場するので、より詳しい内容が知りたい方は、ぜひ原作を読んでみてください。
――達也と深雪の婚約話、そして2人の過去はいかがでしたでしょうか。
アニメだけではしれない情報がたくさんあったと思います。16巻の婚約話はアニメ化される可能性がありますが、達也と深雪の過去編に関しては、2期で飛ばされてしまいました。
もしかすると、原作の順番を変えてアニメ化することもあるかもしれませんが、特別今後に関わってくる話は少ないので、アニメ化はしないかもしれませんね。
このように原作では、アニメで紹介しきれていないエピソードや説明しきれない内容が記載されているので、『魔法科高校の劣等生』が好きな方はぜひ、原作も読んでみてください。
(Edit&Text/天乃ひる)
©2019 佐島 勤/KADOKAWA/魔法科高校2製作委員会