◆動物のしつけはプロに任せたほうがいいと思う
──まんきつさんは、ワンちゃんや猫ちゃんを飼っている期間が長いと思いますが、はじめて動物を飼う人や、ひさしぶりに飼ってみようかなと思っている人へなにか動物を飼うときのアドバイスなどはありますか?
まんきつさん:犬を飼うときは、しつけをプロにお任せするのがいいと思っています。ただしプロといっても、訓練の方針も組織によって違うようです。警察犬学校とかは厳しい教え方をするところも少なくないようです。一方、ミナクル(作中に登場する埼玉県にある犬の学校)みたいに、おもちゃとおやつで訓練するようなプロもいるので、どちらを選ぶかは飼い主さんの判断ですが……。うちはミナクルにして本当に良かったです。
──銀ちゃんも噛みぐせがあって、ミナクルでお勉強していましたもんね。
まんきつさん:そうなんですよ。何も知らずにYouTubeとか本を見ていると、本当に動画や本によってしつけの方法がバラバラなんです。とにかく犬には飼い主がリーダーだと思わせなきゃいけない、厳しくしないといけないとか、本や動画によってまちまちで、中には「なに!? これ虐待じゃないの!」っていうくらい虐待まがいのことを肯定している動画もあるんですよ。
なので、本にも描きましたけど、今は地雷を見つける軍用犬を育てる時代ではないので、ちゃんと家庭犬として見てくれるプロに頼むのがいいと思います。
おかげで銀ちゃんはどこに行っても物怖じしないですし、どんな人や犬にもフレンドリーなので、プロに任せて本当に良かったと思っています。
──さっき、『犬々ワンダーランド』を赤羽のファミレスで読んでいて、隣の席に20代前半くらいの女の子が2人いたって話したじゃないですか。
まんきつさん:はい。
──その女の子たちが、年下の彼氏が犬に似ているって話をしていたんですけど、まんきつさんは、人間と犬とで似ているなと感じる部分はありますか?
まんきつさん:私は息子がいるんですけど、犬を飼っていると育児を思い出すんですよ。人間の育児と変わらないですね。犬を育てることって。でも人間って、ある程度成長するとしゃべるようになるじゃないですか。だから、しゃべる前の段階の子どもの2歳くらいの状態がずっと続いているみたいな感じです。
──永遠のピーターパン(笑)。
まんきつさん:そうですね(笑)。でも楽しいですよ、本当に。犬がいて良かったなって思うことがたくさんあります。
◆『湯遊ワンダーランド』のドラマが7月15日から放送開始!
──こうして『犬々ワンダーランド』の1巻が発売されて、『湯遊ワンダーランド』もドラマ化(7月15日からテレビ大阪、BSテレ東で放送開始)が決まりましたが、御自身の作品の映像化が決定したときの心境を教えていただけますか?
まんきつさん:ドラマが決まったとき本当に嬉しくて、飛び跳ねて「キャー!!」って叫んでしまいました。
──飛び跳ねて叫んで喜んだとき、そこには弟さんとかいらしたんですか?
まんきつさん:いなかったです。そばに銀ちゃんがいました。
──そうだったんですね。銀ちゃんの反応はいかがでしたか?
まんきつさん:普通に寝てました(笑)。
──ドラマ化するにあたって、ここをこうしてほしいなどお願いはしているのでしょうか?
まんきつさん:特にお願いとかはしてなくて。本当におまかせしているので、どんなドラマになるのかが楽しみです!
──わくわく玉手箱みたいな。
まんきつさん:本当に(笑)。
──最後に、犬や猫を飼う人へひとこといただけますか?
まんきつさん:もし将来、犬や猫を迎えることがあったら、保護犬・保護猫という選択肢もありますよ!
──ありがとうございます。また会いたいです!
〈取材・文/水野ウバ高輝 撮影/鈴木真吾 @junk666 〉
◆『犬々ワンダーランド』書籍情報
■書籍名:『犬々ワンダーランド』
■著者:まんきつ
■価格:1,430円(税込)
■発売日:6月6日
■出版社:扶桑社
◆『湯遊ワンダーランド』ドラマ情報
■番組名
真夜中ドラマ「湯遊ワンダーランド」
■放送情報
- テレビ大阪:2023年7月15日から毎週土曜日24時55分〜25時25分(初回放送は30分繰り下げ)
- BSテレ東:2023年7月15日から、毎週土曜日24時00分〜24時30分
■スタッフ・キャスト情報
- 原作:まんきつ「湯遊ワンダーランド」(扶桑社)
- 出演:ともさかりえほか
- 監督:熊坂出、葛谷朱美、佐々木梢(PROTX)
- 脚本:舘そらみ、我人祥太
- プロデューサー:石田雄作(テレビ大阪)、佐々木梢(PROTX)
- プロデュース:岡本宏毅(テレビ大阪)
- 制作:テレビ大阪、PROTX
- 製作著作:「湯遊ワンダーランド」製作委員会
◆まんきつさん プロフィール
1975年生まれ。2012年、ブログ「まんしゅうきつこのオリモノわんだーらんど」で注目され、2015年に初単行本『アル中ワンダーランド』刊行。その他著書に『まんしゅう家の憂鬱』『湯遊ワンダーランド』などがある。
《水野ウバ高輝》
Web/雑誌編集者・ライター、ロックバンド・RunKillYouの元ギタリスト。メンズファッション雑誌『411(フォー・ダブワン)』編集部(外部編集者)を経て、『週刊SPA!』のWeb版『日刊SPA!』など複数のメディアにライターとして記事を寄稿。中島らも、西原理恵子、大森靖子、戸川純に傾倒し、暗黒の20代を過ごす。共著に『超解読 ジョジョリオン 杜王町の奇妙な考察』(出版社:三才ブックス)がある。