◆クッパ役が「和田アキ子」のマリオの映画がかつてあった!?
参考作品として、先行して日本でスーパーマリオのアニメーション映画が作られていたことも忘れてはいけません
1986年には、実は日本で長編アニメーション映画『スーパーマリオブラザーズ ピーチ姫救出大作戦!』が制作されています。
本作では、マリオとルイージの兄弟が、TVゲームの世界へ引き込まれ、クッパ大王にさらわれたキノコの国のピーチ姫を救出に向かうという内容のものでした。
DVDやブルーレイ化されていない作品なので、現在は視聴困難な作品となっていますが、こちらでは意外な人がマリオ役やクッパ役を務めていました。
『スーパーマリオブラザーズ ピーチ姫救出大作戦!』でマリオ役を務めたのは、『機動戦士ガンダム』のアムロ・レイ役や『名探偵コナン』の安室透役などで知られる古谷徹さん。それらの作品とは違ったコミカルな演技でマリオを演じています。
そして、さらに驚きなのが、クッパ役。『スーパーマリオブラザーズ ピーチ姫救出大作戦!』では、歌手やタレントとして活躍している和田アキ子さんがクッパ(大王)役を務めました。女性でありながら、大亀の男性キャラクターを演じてくれました。
二人とも現在も活躍している人物なだけに“35年ぶりにかつての日本版キャストが再集結”という展開もあったりするのでしょうか?
◆やっぱりおなじみの声でも聞きたい……?
一方で、やはりゲームでもおなじみのマリオの声を聞きたいという声も少なからずあるのも確かです。ゲームシリーズでマリオの声を務めているのは、全世界共通で、チャールズ・マーティネーさんというアメリカ人声優。
「マリオの声といえばあの声」というぐらいにファンには定着してしまっているので、いまさら別のマリオの声に馴染めるのか?という不安が拭えないのも確かです。チャールズさんの声に近い人物を選出するというのも一つの手でしょう。
誰もが知るキャラクターの吹替ということで、マリオやクッパの声を務める人にはかなりのプレッシャーがあるでしょう。たびたび、安易な流行に合わせて芸能人を声優として起用して、批判の声があがる例は多々ありますが、今回の『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』はそんなテコ入れが無用なほどの注目作。公開日の前には明らかになるであろう、マリオ役やクッパ役という高いハードルを誰が担うのか、目先の最大の注目ポイントでしょう。
来たる日本語吹替役が発表されるXデーには、少なからず既存のゲームの声の方が良かったという声があがるでしょう。しかしそういった批判に負けない「その手があったか」というハマり役を見つけてきてくれることに期待です。
〈文/ネジムラ89〉
《ネジムラ89》
アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは『読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレター』を配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi
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