燃えこれ学園が、月2回のペースで行なっている「ライブ配信」。5月24日(火)は「燃えこれ学園 佐々木千咲子生誕祭」!誕生日を祝うファンとの熱い交流の様子をレポート。

 佐々木千咲子生誕祭ライブのスタートを切ったのは「Melodious Revolution」。抒情的な歌詞から彼女たちが描く夜の情景が浮かび上がる。「遠く遠く照らす暁 一人空に描いた三日月 高く高く願う奇跡は この夜を切り裂いて 奏でる」。空に描く三日月は鋭く輝く。彼女たちの願いも、美しい三日月のように光り輝き、孤独な夜を切り裂いていく。孤高にも思える夜の風景が描き出される世界のなかで、寂しさや孤独を感じないのは、彼女たちがそれ以上の熱意を持って夢を語っているからだろう。

 続けて歌うのは「Lost in Time」。「本当の気持に背を向けた」そんな時代もあったのかもしれない。けれど彼女たちの輝く夢が真っ白な地図を彩るのを確かに見ることができた。だから諦めずにここまで燃えこれ学園としてファンの期待に応えてきてくれたのだろう。これからもまだまだ走っていくのだと彼女たちの決意を固めた表情からそんな気持ちがうかがえる。

 3曲目に選んだのはこの季節にぴったりな「夏恋♡LOVE」。「加速していく素直な君への気持ち」「どうしようもう止まらないよ」と、メンバーたちがキラキラした笑顔で会場に爽やかな歌声を届ける。「どうしよう、ねぇ大好きだよ!」と叫ぶ彼女たちの声が響くと、まるでそこに青空が広がっているように見えた。はいはいはい!と腕を高く上げて会場を盛り上げるパワフルなダンスを見ているとこちらも自然と体が動いてしまう。聞くだけで元気になれるのは、燃えこれ学園のメンバーたちの、夢に対してまっすぐに走り続ける、その純粋さが真摯に伝わってくるからでもあるのだろう。

 ここでメンバー全員が佐々木に向かって「ちっさお誕生日おめでとう!」とお祝いの言葉をかけ、「お誕生日おめでとう」が歌われる。
間奏でダンスに夢中になっている佐々木に後ろから熊野はるが忍び寄り、「お誕生日おめでとう」と言われた佐々木がびっくりしたようすで「ありがとうございます!」と敬礼のポーズをとる場面も。「大切な人だよ!」と言われるときゃあと喜んで叫んでいた。

 「一緒に繋いだ指で描いた一つの空はどこまでも広がってゆくよ」と歌いながら當銘菜々と山田みつきがパーティーメガネをかけて登場。気づけば、いつの間にか全員がパーティメガネをかけて踊っていた。戸惑い混じりの「ありがとう」を佐々木がつぶやく。「これどうすればいいの?」と困惑する佐々木を置いて「続けていくよ」とメンバーたち。メガネの上からメガネをかけるわけにもいかなかった佐々木はネクタイにひっかけて大事そうに胸に抱えていた。

 「みんなでメガネの魔法をかけていくよ!」と成田麻穂。息つくまもなく「恋の魔法」が流れ出す。メンバーたちがパーティサングラスをかけたまま歌うというシュールな展開。よく見ると一人一人、違うデザインのメガネをかけているのも面白い。それぞれがサングラスを使ってコミカルな動きを披露していた。一度だけでは目が足りない。何度も見たいパフオーマンスの一つだった。

 会場が暗転し、低く響く鐘の音が聞こえる。彼女たちが次に歌うのは「シンデレラ・クレイム」。シンデレラの童話の話にインスパイアされた楽曲。歌詞もどことなく、童話に盛り込まれたストーリーを思い浮かべさせるような言葉で紡がれている。

 社交ダンスのように、ステージの上で踊り合う彼女たちの仕草にはどこか蠱惑的な雰囲気がにじむ。それまでの元気いっぱいのパワフルなパフォーマンスからがらりと雰囲気が変わる。彼女たちの表現の豊かさがうかがえた。

 クールな表情を崩さずに続けて「時の砂」を歌う。凛々しく響く彼女たちの歌声にはどこか切ない響きが聞こえる。「今よりも強く輝く」「この願いが叶うように」。熊野の叫びが切実に響く。まだ手が届かないものだとしても、夢が叶うその瞬間まで彼女たちは諦めない、そのことを純粋に信じられる、それだけの決意を彼女たちの歌声から感じられた。

 「夢幻華」は和楽器の音がバックサウンドで鳴り響く。日本古来の音楽の特徴とバンドサウンドが絶妙な塩梅でコラボレーションした音楽は独特なリズムが混じっている。繊細な仕草、ダンスとは対照的な彼女たちの力強い歌声が不思議と調和している。彼女たちの女性らしい奥ゆかしさのなかに秘められた強い想いが滲み出ている、そのようすこそ、彼女たちに惹きつけられる魅力の一つなのかもしれない。

 「夢幻華」の演奏が止まると、バックの画面いっぱいに不思議な映像が流れ出す。チクタクチクタクと早くなっていく秒針の音が聞こえる。巻き戻されていく音楽。世界が真っ白になって、また、秒針の音が響く。

「星を見上げて歩いた夜。あの人に出会った」

「並んで座った階段。一緒に数えた流れ星。指切りした約束も今日が終わればまた、全部忘れてしまうから」
「ねえ、君は今、」
チクタクチクタク、秒針の音がまた響き出す。
「どこにいるの?」と声が響くと、音楽が流れ出した。

 「ほら見て白く染まってく声」と歌い出した佐々木の歌声でステージが照らされる。メンバーたちはそれぞれのメンバーカラーに染まったフリルのワンピースに着替えて登場。「時計の針が動き始めた」「あの夜に繋いだぬくもりが今ここにあって、指切りした夢の続きをまた歩き始めよう。星の記憶が途切れないように」と歌われたのは「星の記憶が降る夜に。」。切ない歌声のなかにも、これからの幸せを描く希望がうかがえる明るく、凛とした歌声の響きが美しい。

 続けて「オルゴール」を歌う。大切な人へのいじらしく一途な思いを描いた切ないナンバーだ。雪が降り積もる静かな夜を一人、それでも隣からいなくなってしまった大切な人を思いながらあの人との約束の歌を歌い続ける、女の子の健気さが彼女たちの美しく切ない歌声から伝わってくる。彼女たちの瞳からまるで涙が流れているようにすら見えた。それほど彼女たちの表現力が豊かなのだろう。

 ほんのり悲しくなってしまったセンチメンタルな気持ちを元気付けるように、今度は「ぱすてるサマータイム」を歌ってくれる。壁面の液晶いっぱいにうつる「佐々木千咲子生誕祭」というタイトルに合わせて彼女たちは佐々木を祝うように歌った。

 最後は、ステージ端に座ってパフォーマンスを続けていた高未悠加のそばに、メンバー全員が寄り添ってポーズを決める。「ぱすてるサマータイム」を歌い終えると「はあ〜〜」と大きなため息を吐いてメンバーたちがステージに倒れ込む。ここまでノンストップでパフォーマンスをおこない、さすがに疲れたといわんばかりのようすだ。

 ここで一旦歌はおやすみ、佐々木もドレスに着替えるためにステージから一時的に退場。するとメンバーたちがトークをしてくれる。熊野はパーティメガネのサングラスをつけているとあまり会場が見えないとコメント。ずりおちてくるよと続けると、「そう考えるとちっさはすごいよね!」と當銘。メガネをつけながらヘドバンもこなす佐々木に「もう慣れたもんだ」と熊野が感嘆していた。

 メンバーたちがステージから出ると、佐々木が真っ白なレースのドレスを着てステージに上がった。

「ここまでノンストップで来ましたけど、みなさんちゃんと息してましたか?ありがとうよかった(笑)
今日は観覧に来ている皆さん、配信を通して見てくれているみなさん本当にありがとうございます。私は燃えこれ学園に入って本当にたくさんのことを経験させてもらいました。特にこの2022年からはずっと願っていたソロ曲の2曲目をいただいたりとか8年間ずっと思っていた燃えこれ学園で地元の岩手県遠野にライブしにいくっていうことが叶います。本当にみんなと出会えたから夢を叶えさせてもらえてます。本当にありがとうございます。言葉が不器用なので、多くは語りません。歌に込めて、私の気持ちを届けます。聞いてください。『Stardust melody』」

 燃えこれ学園の歌姫としての実力を惜しみなく披露する佐々木。会場いっぱいに伸びやかな歌声を響かせた。ファンへの感謝の気持ちでいっぱいなのだろう。会場のファンを一人一人優しい瞳で見つめる佐々木の表情は、ふわりとほころぶような笑顔で満たされていた。
会場には「ちっさが描いた小さな夢はやがて仲間(みんなの)夢になる。ちっさの願いが叶う時 必ずそばには仲間(とも)が居る」「新たな力(つばさ)を手に入れて大空高く舞い上がれ!ちっさの夢はまだまだ続く!happybirthdayちっさ!」と書かれたプラカードが掲げられていた。ファンから佐々木が深く愛されていることが伝わる場面だった。

 込み上げる思いを込めて優しく「ありがとうございます」とささやいた佐々木。次に歌うのは「Starry Sign」。「もっと高く飛びたくて、あの雲の向こうへ 飛び越えたらきっと 輝けるから」と歌う佐々木。「もう迷わない、約束の景色を叶えてゆくために」。これまで辛いことがあったとしても、ファンの愛情を一心に受けて、彼女は決意したのだ。言葉の通り、たしかに歌にこめて、彼女のまっすぐな気持ちを届けてくれた。

 「Starry Sign」を歌い終えると、「本日の生誕祭、残り2曲になりました!」と言ってから自分で「え〜(笑)」と苦笑する佐々木。メンバーもステージに登場して「え〜」と叫びにやってきた。このご時世のためファンは発声できないので仕方ないが、それまでの切ない気持ちで胸を詰まらせていたはずが、ついついステージのほがらかなようすに笑いが溢れてしまった。

 なだらかな空気でみんながほっこりするなか、佐々木があらためて燃えこれ学園として活動していくために応援してほしいとファンに語りかける。
「後輩のみんなも入ってきてくれて、今年2022年を迎えてます。みんな人生かけて、燃えこれ学園をやってます。だから絶対に夢を叶えたいんです。この曲を通して、また新たに出会ってくれた皆さんがいました。この曲があったから何度も前を向いて走ってこれました。聞いてください、『Re-START』!」

 佐々木の固い決意とメンバーへの想い、それらがこもった言葉とともに歌い出す「Re-START」からは今までとはまた違ったメッセージが聞こえてくるようだった。ここから新しい一歩を踏み出す。その気持ちは独りよがりのものなんかじゃない。今まで支えてくれたファンのため、一緒に走ってきてくれた、本気で燃えこれ学園に命をかけているメンバーたちのため。彼女たちは一歩も退くわけにはいかないのだ。その覚悟が歌に込められていた。

 ラストは「Shiny Dream」。明るく希望にあふれた歌詞にぴったりな輝く笑顔で歌う彼女たち。スポットライトではない、彼女たちが放つ輝きが確かに見える。「どんなに転んだって僕らは笑えるから」そう歌う佐々木。「夢は変わらないから」「さあ飛び出そう、夢の先へ」。彼女たちが一歩を踏み出してくれるから、私たちもそれについていける。夢を諦めず、明日を描くことができる。そうやって彼女たちは知らず知らずのうちに聞くものの心を支えてくれているのだ。

 ラストの曲を歌い終えると、メンバーが集まってせーのでハッピーバースデートゥーユーを歌う。「ハッピーバースデーちっさ」と声をかけるところで當銘が佐々木の前に出てカメラを独占するが「ちっさが見てくれない!」と拗ねる場面も。佐々木は「そういうのが、なぁなとうちじゃない」と微笑んだ。

 誕生日のお祝いに、メンバーから佐々木へ、好きなところを伝えるというプレゼントが渡された。一列に整列して、一人ずつ順番に、全員が佐々木に向かって好きなところを発表していく。
「凄まじい行動力」と山田みつき
「我が道をゆくところ」と高未悠加
「いろんなことを教えてくれるところ」と稲森のあ
「実は優しい」と三浦千鶴
「凛とした美しさ」と仲川つむぎ
「頑張り屋なところ」と蒼音舞
「ぜんぶ〜!」と成田麻穂
「悔しい想いをくれるところ」と當銘菜々
「人を思えるようになったところ」と熊野はる。

それぞれが佐々木への思いを伝えてパーティサングラスをかける。実はグラスには佐々木への想いが白いペンで書かれていた。

 メンバーたちから好きなところを伝えられて、どんな気持ち?と熊野に聞かれると、「すごくありがとうございました」と答える佐々木。続けて「燃えこれ学園のライブを楽しんでもらえることが一番嬉しくて私は。今日こうやってきてくれたみなさんもそうだし、配信を通して見てくださったみなさんもそうだし、口角が上がってくれてたのが何より嬉しいです。本当にありがとうございます。最高のグループなのよ燃えこれ学園!」と続ける。すると、会場から拍手が送られ、ステージのメンバーからも掛け声がかかる。

 佐々木は「8月に私の地元、岩手県遠野市のみやもりホールさんでRe-STARTツアー2022のライブが決定しております。夢のようなんですけども、今から予定も作ってくれてる方や岩手で待っててくれてる方がいるのでこの夏より楽しみです!」とコメント。
熊野は「岩手までちょっと…ちょっとじゃないか、かなり遠いけどね、それが楽しいやんか。今だから言えるけど、昔名古屋まで鈍行で行ったことあるんですよ」と当時を振り返った。

 最後に佐々木が「校歌」の曲振りをしようとするとフライングで曲が流れ出し、熊野が「ちっさもそんなキャラになったんやねえ」としみじみと呟く場面も。燃えこれ学園のメンバーたちの仲の良さがうかがえる、ほっこりした場面だった。

 最後までサプライズいっぱいの企画が詰め込まれていた佐々木千咲子生誕祭ライブ。楽しい時間はあっというまに過ぎてしまう。佐々木を祝うファンも、あらためて彼女への想い、彼女の持つ魅力を感じたことだと思う。次は蒼音舞生の生誕祭が6月7日に控えている。こちらも大爆笑あり!涙(?)ありの最高のステージが待っているという。次回も楽しみに待っていたい。

〈取材・文/高橋未瑠来 撮影/平島理〉

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