あの『モンスターズ・インク』が帰ってきた!

 2021年7月2日より、動画配信サービス・Disney+にて『モンスターズ・インク』の最新シリーズ『モンスターズ・ワーク』の配信がスタートしました。

 本作はディズニー・ピクサーが手がけてきた『モンスターズ・インク』『モンスターズ・ユニバーシティ』に続く、『モンスターズ』シリーズの最新作であり、初のTVシリーズ。配信開始日には1話〜2話、以降は週1回ペースで新作エピソードが配信されます。

 しかし、この『モンスターズ・ワーク』、予告映像を観るとこれまでのシリーズに親しんで来た人ほど、“いつもと違う”という違和感を感じるのではないでしょうか。もちろん映画からTVシリーズになっているので、作品の形式がそもそも違うのですが、実はより多くの根本的な違いをはらんだシリーズとなっています。さて、その違いとは何なのでしょうか。

◆『モンスターズ・ワーク』はどんなアニメ?

<画像引用元:https://disneyplus.disney.co.jp/program/monsters-at-work.html より引用掲載 © 2021 Disney and its related entities>

 『モンスターズ・ワーク』は、『モンスターズ・インク』の“その後”を描いたアニメシリーズです

 『モンスターズ・インク』(2001)では当初、モンスターたちが子供たちを怖がらせる生活を送っていたところから始まります。夜中にこっそり子供の部屋へ侵入しては、子供に悲鳴をあげさせ、それをモンスターの世界で使うエネルギーとしていました。しかし、物語の最後で事態は一転。実は悲鳴よりも、笑いの方が大きなエネルギーとなることが判明し、モンスターの世界で課題となっていたエネルギー不足が解消の手立てが見つかるところで物語は終わります。

 『モンスターズ・ワーク』では、これまで悲鳴をエネルギーに変えていた企業のモンスターズインクが、これまでの悲鳴ではなく笑いをエネルギーに変えていこうと方針転換をしていこうとしている真っ只中が舞台となっています。

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 そして主人公も、これまでのマイクとサリーとは別に新キャラクターが登場。モンスターズ・ユニバーシティを首席で卒業した新人モンスター・タイラーがモンスターズ・インクに入社し、変化の真っ只中の会社に翻弄されるストーリーとなっています。マイクとサリーもしっかり登場しているのですが、あくまでもタイラーの目線で物語は描かれていきます。

◆実はアニメーション制作はPIXARではなかった

 この『モンスターズ・ワーク』が従来のシリーズと決定的に違うポイントがあります。

 それがアニメーション制作会社。なんと『モンスターズ・ワーク』は、これまでの映画シリーズを制作してきたことでおなじみのPIXAR社とは別の会社が制作を担当しているのです

 今回制作を担当しているのは『モンチッチ』の3DCGアニメシリーズの製作に携わっていたDWARFアニメーションスタジオ

 そして、『スーパーモンスターズ』シリーズの製作に携わっていたICONクリエイティブスタジオといった別の会社が製作を担当しています。

 PIXARスタジオはこれまでも、『カーズ』に登場するメーターを主人公に据えた『カーズトゥーン メーターの世界つくり話』シリーズや、『トイ・ストーリー』のスペシャル番組など映画のスピンオフ作品を製作してきましたが、今作のようなTVシリーズを制作し、しかもPIXAR以外の会社が、製作を担うフランチャイズ形式の作品は初。

 さすがにPIXARがノータッチというわけではないとはいえ、映画のような異様なほど細かいサリーの毛並みが見られなかったり、マイクの肉質の感じがなかったりと、映画シリーズで見てきたディテールが今シリーズで見られないのは、惜しい気もします。

◆声優が変更!それもしょうがない?

 アニメーションの制作陣が変わっていることに気づかなくとも、これまでのシリーズに慣れ親しんできた人であれば必ず気にかかるであろう違いも『モンスターズ・ワーク』ははらんでいます。それがサリーやマイクといったキャラクターの声。なんと映画シリーズから主要キャラクターであるサリーやマイクの声を担当している人が変わっているのです

 映画シリーズでサリーとマイクの声を担当したのは、ホンジャマカの石塚英彦さんと爆笑問題の田中裕二さんのお二人。作品数こそ限られてはいたものの、長きに渡って親しまれてきたシリーズなだけに、サリーとマイクといえばお二人の演技の印象が強いという人も多いでしょう。

 ですが今回『モンスターズ・ワーク』では、サリー役に『スクービー・ドゥー』シリーズでスクービー役を演じている楠見尚己さん。そしてマイク役に『ドロヘドロ』のカイマン役や『名探偵コナン』の小嶋元太役などで知られる高木渉さんが起用されています。お二人ともベテランの声優ということで、ハマり役であることには間違いがないのですが、どうしてもこれまでのシリーズが耳に馴染んでしまっている人には戸惑いが感じられてしまうでしょう。

 「なんでこんなことに」と思う人も多いでしょうが、悲しいかな海外の長編アニメーション映画のTVシリーズ化の際にはよくあるケースです。その他のディズニーシリーズや、ドリームワークスアニメーションといった他の制作会社に関しても、TVアニメシリーズが日本向けにローカライズされる際には、映画と同キャストを揃えられないことの方がほとんどです。映画では芸能人や有名人を起用はできても、TVシリーズのような相対的に小さい気企画となると採算が合わないのでしょうが、なかなか残念ではあります。

 しかも『モンスターズ・ワーク』の原語版では、サリー役にジョン・グッドマン氏、マイク役にビリー・クリスタル氏と映画版と同様のキャスティングをしているのが余計に惜しく感じられる点です。本国でのキャストへのこだわりまでもローカライズしてくれたら良かったのですが、そうはいきませんでした。

 

 ――どうしてもこれまでの愛着がある人ほど戸惑いの多く出てくる状態にはなっている『モンスターズ・ワーク』。しかし、いざ内容を観るとそのコミカルさや、独特なキャラクター造形にはしっかりこれまでの面影があります。怖がらせ屋を目指していたタイラーが果たしてどんな運命を辿っていくのか。これまでとはまた違った新たな世界が広がったということで、今後の活躍を追っていくと、いつの間にか『モンスターズ・ワーク』に対しての愛着が生まれるかもしれませんね。

〈文/ネジムラ89〉

《ネジムラ89》

アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは『読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレター』(https://note.com/nejimura89/m/mcae3f6e654bd)を配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi

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