◆タートルズもディズニーも従来の映像から変化が!
一方でまだ2Dアニメーションのテイストを長編作品で挑戦したことのなかったキャラクターやブランドがポスト『スパイダーバース』的な作品に続々と挑戦しています。
直近では、『アイス・エイジ』シリーズなどを生み出したブルースカイスタジオが遺した企画をアンナプルナ・ピクチャーズとNetflixが救った『ニモーナ』が印象的です。
国の裏切り者となったバルと、恐れられる“モンスター”であるニモーナのバディが、国の秘密を暴いていくことになるバディムービーなのですが、3DCGで制作されていながらも2Dのカートゥーン作品のような軽快な動きが特徴の映画です。この映画はいまNetflixで配信中です。
3DCGや2Dアニメーションなどさまざまなスタイルのシリーズに挑戦してきた『タートルズ』シリーズも、新たなテイストの3DCGアニメーションに挑戦します。
9月22日に公開予定の『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』では、画材で厚塗りされたようなビジュアルのタートルズたちの活躍が描かれる、これまた従来の『タートルズ』とも一味違ったテイストの作品が登場します。
そして、『ミラベルと魔法だらけの家』や『ストレンジ・ワールドもうひとつの世界』など頑なに長編作品では従来の3DCGアニメーションテイストを維持してきたウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオもついに路線を変更。
創立100周年を迎える節目の作品として12月15日に公開予定の『ウィッシュ』では、往年のディズニー長編作を思わせるビジュアルのテイストを3DCGアニメーションで再現することに挑むようです。
──どれだけ写実的に描けるかといった部分や、質感をどこまで表現していくか、という点を突き詰めてきた3DCGアニメーションの世界。2023年を迎え、さらに“絵のタッチ”まで選ぶ時代に突入しているといえます。
今後登場する大手制作会社の作品たちは、従来の立体的で実写的な動きをする3DCGアニメーションの印象をガラッと変えていくことになるでしょう。
日本とはまた違った方向で進化しているアメリカの作品たちがどこへ向かっていくのか、まだまだ進化が楽しみです。
〈文/ネジムラ89〉
《ネジムラ89》
アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは『読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレター』を配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi
※サムネイル画像:YouTubeチャンネル『ソニー・ピクチャーズ 映画』より
© 2021 Sony Pictures Entertainment (Japan) Inc. All rights reserved.
© 2022 CTMG. © & ™ 2022 MARVEL. All Rights Reserved.