待ってました!
2018年8月、『ムタフカズ -MUTAFUKAZ-』の日本公開の詳細がやっと発表されました。
“やっと”というのも、この『ムタフカズ -MUTAFUKAZ-』という映画、2017年東京国際映画祭で招待作品として上映はされていたのですが、当時日本公開を予定していることが明かされつつも具体的な上映は出てきていない状態でした。この上映の機会に、鑑賞を逃した身としては、いつ上映されるのか……とソワソワしていたわけですが、2018年も後半を迎えた今、やっと2018年10月12日という公開日が明かされました。
原作の存在する作品ではある本作ですが、日本ではピンとこない人がほとんどであろう『ムタフカズ -MUTAFUKAZ-』。今回はそんな本作がどんな作品なのか紹介します。
Hey, pas de sortie sur Itunes de prévue pour le moment (chronologie des médias toussa toussa) mais on sort aux USA (sous le nom de #MFKZ) et au Japon avant la fin d'année ! pic.twitter.com/LUcxAy6vEO
— Mutafukaz (@Mutafukaz) 2018年8月8日
『ムタフカズ -MUTAFUKAZ-』のあらすじ
物語の舞台は、人間のクズばかりが住む架空の町・DMC(ダーク・ミート・シティ)です。主人公はこの街に生まれ育ったアンジェリーノこと通称リノ。リノは美少女ルナとの出会いをきっかけに、退屈な日々から一変、親友のガイコツ頭のヴィンスや臆病者のウィリーを巻き込んでの大事件へと発展していく模様が描かれます。
日本×フランスの合作アニメーション
国をまたにかけて制作されたアニメーション映画は多数あるわけですが『ムタフカズ -MUTAFUKAZ-』もそんな作品の一つ。
この映画の製作国にクレジットされるのがフランス、そして日本です。よく、洋画・邦画という区分がありますが、まさにその中道を行くかのように、監督のクレジットには、ギョーム・“RUN”ルナート監督と、西見祥示郎監督という、フランスと日本の二名の名前が連ねられています。
バンド・デシネ生まれの『ムタフカズ -MUTAFUKAZ-』
フランス人の監督、ギョーム・“RUN”ルナートさん。実は『ムタフカズ -MUTAFUKAZ-』の原作者です。普段は漫画家として活動しており、『ムタフカズ -MUTAFUKAZ-』の他、『DuggyBags』といった作品を世に送り出しています。
漫画といっても、日本の漫画のイメージとはまた違うのが面白いところ。フランス圏の漫画は“バンド・デシネ”とも呼ばれていて、日本やアメリカの漫画ともまた違った漫画の歴史を歩んできています。本の開きや吹き出しのセオリー、出版物のフォーマットといった形式部分から、カラーで描かれたものが多かったり、ビジュアルの比重が大きかったりと決まりこそないものの、傾向としてバンド・デシネは日本の漫画と比べると明確な違いが感じられるます。
そんな中でもギョーム・“RUN”ルナートさんは、ハードなアクション要素強めな漫画を描いています。ハードな内容な一方、キャラクターはどことなくポップで愛嬌があるのがまた魅力的で、意外と日本でもこの按配が好きな人も多いのではないのでしょうか。今回の映画をきっかけに、原作の方の人気にも火が付くのを期待できそうです。
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日本から参戦のSTUDIO 4℃
日本から監督としてクレジットされているのは西見祥示郎監督。『バットマン ゴッサムナイト』や『鉄コン筋クリート』、『Genius Party』など、STUDIO 4℃作品を中心に活躍している方です。
そして今回の『ムタフカズ -MUTAFUKAZ-』のアニメーション制作にクレジットされている制作会社ももちろんSTUDIO 4℃。STUDIO 4℃といえば、社名の4℃というのが、水の密度が一番高い温度であることから、製作作品のクオリティも同様に高いものを保証することをポリシーに謳っている会社です。
前述の作品群や『MEMORIES』や『MIND GAME』といったその他の製作作品からも分かるように、社名通り密度の濃い作品を多く手掛けてきています。STUDIO 4℃の作品は海外からの支持も強く、今回の『ムタフカズ -MUTAFUKAZ-』の製作もフランスサイドからラブコールがきっかけで製作がスタートしたそう。これまでの作品同様『ムタフカズ -MUTAFUKAZ-』にも、高次元の密度の作品が期待できそうです。
その他、今回の日本公開に伴って日本版の声優に、リノ役に草彅剛さん、ヴィンス役に榎本時生さん、ウィリー役に満島真之介さんの3名の参加が発表されています。
SMAP解散以降初の本格的な映画の吹き替え役を務める草彅剛さんの起用が、興行にどんな影響をもたらすのかにも注目したいところです。
これから本格的な映画PRが始まるであろう『ムタフカズ -MUTAFUKAZ-』。これから映画の本編を観る……以前の、予告編公開やPRの展開などの流れからじっくり楽しんでいこうと思います。2018年の日本の秋は『ムタフカズ -MUTAFUKAZ-』の秋です!
(Edit&Text/ネジムラ89)
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