◆オープニングの映像がまさかここに繋がるとは!
ここまででも十分に魅せる展開となっているのですが、本当の反撃はここから。
ルフィのこの反撃が、最悪の世代の士気を上げるかのように、さらなる盛り上がりを見せてきます。流桜を思わせる舞う花びらの演出から、「行くぞ」の掛け声と共に瞬時に覇気をまとってカイドウにぶつかっていくルフィ。
ここの緩急の付け方もまた見事なのですが、ぶつかり合うルフィとカイドウに対して、スピーディーにビッグ・マムによる応戦と、ゾロやキラーの参戦、さらにカイドウによる攻撃へとテンポよく移っています。
そしてきわめつけは、吹き飛ばされるルフィの腕を受け止めたローとキッドが「行ってこい」とルフィを投げ返します。この場面は、ご存知の通り、毎週流れるオープニング映像に登場する一場面。
原作にはないオープニング限定の演出かと思いきや、実はしっかり本編にも登場するシーンだったという驚きの展開となりました。ちなみに、ここのルフィの覇王色の覇気の演出も、『ONEPIECE STAMPEDE』で描かれるルフィの覇気の演出にも似ているカット。新作映画の上映が間近であることからの目配せでもあるかもしれません。
そして、最後の最後でタイトルにもある“四皇分解作戦”がスタート。分解されたのは、ビッグ・マムのホーミーズでした。キッドの作った鉄製の箱に閉じ込められるゼウス、ゾロによって何分割にもされるプロメテウス、キラーの猛攻を受けるナポレオン。キッドに反撃を仕掛けるビッグ・マムでしたが、ローとゾロの応戦により、ビッグ・マムがついに鬼ヶ島から落下する展開を迎える気持ちの良いところで、次回へ続きます。
続きが気になるもどかしい展開で締めくくることも多かったですが、今回は特に気持ちの良い展開で終わる展開に。このままビッグ・マムはおとなしく場外リタイアしてくれるのか気になるのはもちろんのこと、今回の展開を踏まえると、原作にはなかったような演出でも毎話見せ場を用意してくれているように感じます。
次回1027話「ルフィを守れ!ゾロとローの剣技」ということで、今回のルフィのように、ゾロやローのアニメならではのかっこいい演出を期待できそうです。
〈文/ネジムラ89〉
《ネジムラ89》
アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは『読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレター』を配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi
(C)尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション