◆覇王色をまとうことに成功したルフィの神がかった演出!

 そして、今回の第1028話の見せ場とも言えるのが後半、再び立ち上がったルフィがカイドウに挑むシーンです。ルフィはヒョウじいのアドバイスを思い出しながら、カイドウとの戦いの中で、覇王色の覇気をまとえる事に感づきます。

「敗北を思い出せ」

 ヒョウじいの言葉に重なるように、ワノ国だけでなくそれ以前の致命傷を受けたルフィの姿が重なったかと思えば、カイドウの漆黒の金棒の一撃を黄色いオーラを纏ったルフィが受け止めます。

 ここで流れるのが、TVアニメ『ワンピース』が2年後に突入した際に起用された主題歌「ウィーゴー!」の伴奏です。それだけでも十分にアガるわけですが、今回はそれで終わりません。

 攻撃を受け止めて翻ったルフィに、再度振るわせるカイドウの金棒。それを再びルフィは拳で受け止めたかと思えば、そこで「力むのではなく不必要な場所の覇気を拳に流すのだ」というヒョウじいのアドバイスの通り、ルフィの全身から拳に黄色いオーラが集約したかと思えばついにカイドウを弾き飛ばすことに成功します。

 黄金色の花びらが吹き荒れる中、追い討ちをかけるようにルフィが再び姿を現れた瞬間、今度は「ウィーゴー!」から一転して、初代主題歌である『ウィーアー!』へと曲が変化。派手な閃光を纏いながらルフィが、下からカイドウを突き上げ、ついにカイドウをダウンさせることに成功します。

 そして覇気を纏った自身の拳を眺めたルフィは、ローとゾロにお礼と「下へ降りろ」とカイドウとのタイマン宣言をする、とびっきりかっこいいタイミングで“TO BE CONTINUED”となりました。

 実は今回作画監督を務めたのはワンピースの第1話から作画監督として参加していた久田和也さん。『ドラゴンボールZ』の頃から活躍するアクションアニメーションの実力者の本領発揮回でもあり、かつてのルフィがここまで成長したことを、制作陣からも思い起こさせられる粋な回でもありました。

 盛り上がりをそのままに、早く続きが見たくなるところですが、次回からは2週連続の映画連動回となっており、次回は「淡い記憶ルフィと赤髪の娘ウタ」が放送となります。

 幼いルフィが登場するということで、こちらもまた初心に立ち返る回。映画を楽しむと共に、今回の放送回と合わせて、ルフィの軌跡を思い返すのにも最適の回となりそうですね。映画とあせて8月のワンピースは途轍もないことになってきました……!

〈文/ネジムラ89〉

《ネジムラ89》

アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレターを配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi

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