◆「ゴムゴムの実」はウタには渡せない？サービスシーンが盛りだくさん！
ルフィとシャンクスの出会いだけでなく、今回はそのほかにもサービスシーンが盛りだくさんとなっています。
まずは映画のタイアップということで、ウタの歌唱シーンがたっぷり聞けるようになっています。ただでさえオープニング曲がタイアップ仕様になっているのに、物語の始まりから再びサニー号上でウタの「新世界」が流れているシーンに始まり、さらには回想シーン内でも、『ONE PIECE FILM RED』の劇中歌である「風のゆくえ」までもがChild Ver.で登場しています。
また、ルフィの住むフーシャ村に着く前のシャンクスの様子が描かれているのにも注目。
何らかの冒険の結果、箱いっぱいの宝をウタにプレゼントするシャンクスでしたが、そんな中でもウタには“渡せない”ものとして意味深に大切にしている宝箱の描写があります。この宝箱に入っている正体は作中ではわずかしか見えないのですが、明らかにその後ルフィが食べることとなる悪魔の実“ゴムゴムの実”であることが分かります。
この悪魔の実の描写は、映画連動エピソードでありながらも、実はワノ国編の今後の展開にも繋がってくる目配せといってもいいでしょう。シャンクスがここで悪魔の実を大切に持っているシーンは今後の展開も含めて覚えておきたいポイントです。
そして、さらに注目すべきはアイキャッチ。
CMの前後に入るショートアニメーションが、現在はワノ国バージョンのものとなっていたのですが、今回は特別に港へ一味が集い、一味の手配書が流れてくるという最初期のデザインを踏襲したものになっていました。
このアイキャッチは1000話「圧倒的戦力！麦わらの一味集結」でも登場した演出だったのですが、今回はそこへさらにアレンジを加えています。
後半のアイキャッチでは、なんと流れてくる手配書がシャンクスになっているという更なるアレンジを加えたものとなっていました。
随所に到るまでサービス盛りだくさんのエピソードとなっており、さすがの映画連動回です。
アニメ映画ライター。『FILMAGA』、『めるも』、『リアルサウンド映画部』、『映画ひとっとび』、『ムービーナーズ』など現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。映画『ミューン 月の守護者の伝説』や映画『ユニコーン・ウォーズ』のパンフレットにライナーノーツを寄稿するなどその活動は多岐にわたる。noteでは『アニメ映画ラブレターマガジン』を配信中。
