◆死・獅子歌歌直撃!しかしキングの反応は?
そして前回に引き続き描かれるのはゾロvs.キングの対決です。小紫の三味線に合わせて閻魔が暴走し、ゾロの腕は覇気を吸収されて一気にミイラ化。しかし覇気を吸収し返したのか、すぐにその腕を復活させます。前回は吸収されたタイミングで放送が終わってしまったのでゾロを心配した人も多かったと思いますがとりあえずは一安心でした。
そんなゾロの隙を突いてこようとするキングですが、一転して今度は「チャンスをやろう」と堂々とゾロの攻撃を受けようと無防備を晒します。その挑発に乗ったゾロは、キングをひと突きするのですが、その瞬間になんとキングは大爆発します。
異常な事態でしたが、この爆発のヒントはサンジとクイーンの戦いで明かされます。キングは絶滅したはずの“ルナーリア族”の生き残りであり、自然界のあらゆる環境下で生存できる怪物だと語られます。大昔には“神”と呼ばれていたほどの存在ということで、以前ビッグ・マムが貴重な種族としてキングを欲しがっていた理由がここで明らかになりました。
一方で爆発の理由やゾロの攻撃が効かない理由に明確な答えはないまま。爆発を間一髪で防いだゾロは大技「死・獅子歌歌(し・ししそんそん)」を炸裂させ、見事キングに直撃させます。明らかに身体に斬撃が走ったはずのキングでしたが、ここでキングは平然と反撃に移る異常な頑丈さを再び見せます。キングがルナーリア族という特殊な種族であることは分かりましたが、爆発したり攻撃が全く効かなかったりとその特殊な性質はまだ謎のままです。
◆剣と剣士の仲間割れ?振り返る刀との思い出
至近距離で反撃を受けそうになるゾロでしたが、ここでさらにピンチに見舞われます。再び閻魔が暴走し覇気を吸収し始め、その瞬間にキングの貂自尊皇(テンプラウドン)が放たれて、間一髪ゾロの脇腹をかすめます。そのまま鬼ヶ島の大地は砕かれ、ゾロは宙に放たれてしまいました。
ここでゾロは一度は手から離れた刀・三代鬼徹を握り、刀との出会いを思い出します。ここで流れるのがワンピースの名シーンの一つ、東の海・ローグタウンで妖刀である三代鬼徹を宙に投げ、自らの腕を斬るかを定めるゾロの運試しです。
周囲が止める中、宙に投げられた三代鬼徹は見事ゾロの腕をすり抜け、ゾロはその刀をもらっていくことに決めました。直後キングの攻撃を受けて吹き飛ばされ、再び大地に戻ったゾロ。続いて、ゾロが登場時から持っていた和同一文字を目前にします。ここで再び回想に入り、幼い頃に親しかった少女・くいなが亡くなり、その形見として和同一文字を貰うというこれまた懐かしいエピソードが描かれました。
どちらもワンピースの長い放送の中でも最初期の内容なのですが、放送当時とは別に改めて描きなおされた新しい映像なのは、長くアニメシリーズを見てきた人ほどニヤリとする場面だったのではないでしょうか。
そして、そんな因縁の和同一文字の生みの親が“閻魔”を生み出した人物が同じ霜月コウ三郎と聞かされたことを思い出したゾロは、なぜ和同一文字がイーストブルーにあったのか、そのルーツに疑問を持ちます。
今まで明かされることのなかった和同一文字の出自に迫ろうというところで第1059話「逆境のゾロ 怪物!火災のキング」は終わります。その続きはそのまま次回に描かれるようで、次回は第1060話「閻魔の秘密!ゾロに託されし妖刀」が放送されます。三代鬼鉄、和同一文字に続き、次回は閻魔の“秘密”に迫るよう。懐かしいルフィの姿も登場しており、今週に引き続き、来週も懐かしい瞬間のある放送となりそうです。
〈文/ネジムラ89〉
《ネジムラ89》
アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは『読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレター』を配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi
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