◆我流の酔拳!? 表情豊かなカイドウが見せる真骨頂
そして激突するルフィとカイドウにシーンが移るわけですが、今回はカイドウに異変が！ なんと戦いの最中に酒を飲み出してしまいました。しかもただお酒を飲むだけではありません。突然カイドウは涙を流しながら笑い出して千鳥足になって倒れてしまいます。これにはルフィも思わず「酔っ払ってんじゃねェか！」とツッコミをしてしまう事態。シリアスな雰囲気が一気にコミカルになってしまいました。
しかし、その態度に怒ったルフィが攻撃を仕掛けたところで一変。カイドウの「酒龍八卦（しゅろんはっけ）」が発動します。突如人獣型に変身したかと思えば、高笑いを見せる「輪雷（わらい）上戸」からの「引奈落（ラグならく）」がルフィに直撃。ものすごい勢いでルフィは地面に叩きつけられてしまいました。
カイドウの独自の酔拳はこれで終わりません。半壊した城や島のことを憂いて泣き出す「落込（おちこみ）上戸」が発動。今こそチャンスと反撃に出たルフィをもろともせず、泣き出しながら放つ攻撃「龍巻壊風（たつまきかいふう）」を「泣き上戸」と共に繰り出します。情けないことを叫びながらも一切ルフィの反撃に怯まない様子はなかなかに異常です。そして極めつきには、物凄い勢いで二人の頭突きが激突。ルフィはここでカイドウの覇気が強まっていることを悟るのでした。
そして、カイドウが見せるのは満を持しての「怒り上戸」。ルフィの「ゴムゴムの怪鳥銃乱打（ロックガトリング）」とカイドウの「軍茶利龍盛軍（ぐんだりりゅうせいぐん）」が真っ向からぶつかり合います。カイドウが見せた真骨頂にルフィは戸惑いつつも。しっかり食らいつく健闘を見せ、これまででも一番というぐらいのお互いの技の応酬が繰り広げられる回となっていました。
◆意味深！五老星が語る悪魔の実の逸話と思わぬ来訪者
ここで終わればよくある引きの展開なのですが、今回はそれだけではありませんでした。ここでいきなり場面が移り、聖地マリージョアの五老星たちが登場。今年の世界会議で起きたとされる事件を語っておりその内容も気になるわけですが、五老星が今気になっているのがまさに今展開されているワノ国での戦いであることが描かれます。
ニコ・ロビンを捕らえようとする思惑なども語られる中、話の内容は何やら悪魔の実の話へと波及します。何百年も覚醒することがなかったその実は、世界政府がわざわざもう一つの名前を与えて、その実の名前を歴史から消そうとした……という「え？ どの悪魔の実の話をしているの？ 」というどうにも重要そうな話題が語られますが、肝心のそれが何の悪魔の実なのかは明らかにされませんでした。
それに重なるように描かれるのがワノ国の近海。世界政府の船が何隻も浮かぶ中、そんな巨大な船をもはるかに凌駕する巨大な影が迫ります。その正体はミンク族が暮らしていた巨大な生物のゾウ！ かつてゾウはモモの助の願いに呼応して大看板のジャックを倒してくれましたが、まさかのワノ国の戦いにも参戦してくれるのでしょうか？ 最後の最後の急展開がどうルフィたちの戦いにつながっていくのか、全く予想のできない事態となってきました。
一体何が起こっているのか見えてこない終わり方に驚かされますが、次回は不穏なサブタイトルがついた第1065話「同盟壊滅!?燃えろ新世代の意志！」が放送されます。
カイドウだけでなく、残る敵として忘れてはいけないビッグ・マムとの戦いなど再び城内での様子が描かれるようですが、「壊滅」とはどういう意味なのか。今回投げかけられた悪魔の実の逸話やゾウの登場の謎も気になりますし、気になるポイントがどんどん増えてきました。
〈文/ネジムラ89〉
《ネジムラ89》
アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは『読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレター』を配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi
(C)尾田栄一郎／集英社・フジテレビ・東映アニメーション
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