◆ヤマト流の「生きる」ことの定義が述べられた時、解放のドラムが流れる!
すっかり戦況が覆ってしまった鬼ヶ島の城内ですが、その外ではヤマトとモモの助が口論しています。
降伏するべきだとすっかり戦意を失っているモモの助と、死んでも降伏を許さないヤマトがぶつかり合い、「降伏が命を救うとは限らない。降伏は絶対許さない。」そう訴えるヤマトの姿に胸を打たれます。
このヤマトのセリフには、これまで『ワンピース』で描かれてきた“生きるとはどう言うことか”という根底のテーマの一つに触れる部分にも思えます。
何かに屈しながら生きながらえることは果たして、本当に生きているといえるのか……。『ワンピース』がたびたび問いかける、生きることの本当の意味がこのセリフに感じられます。
そんなヤマトのセリフに呼応するように、モモの助の耳にはズニーシャの声が聞こえてきました。ズニーシャが“解放のドラムが聞こえる”と謳うとともに、軽快な音楽が流れ始め、それと同時にルフィの身体に変化が起こり始めるのです。
「800年ぶりに聞く──間違いなくそこに居るぞ──ジョイボーイが帰ってきた」
これまでなんども名前の上がっていた謎の存在、ジョイボーイがまるでルフィのことを示すかのように、煙をあげるルフィの身体が変容し盛り上がったところで次回へと続きます。
やはりルフィはまだ負けていなかったと確信させる展開となりましたが、第1070話「ルフィの最高地点 到達!〝ギア5〟」では、サブタイトルにもあるように新たな姿となったルフィの姿が予告でもチラリと登場。
既に8月6日の放送からオープニングテーマが変わったり、エンディングテーマが復活することが発表されているなど、TVアニメ『ワンピース』としても節目となる必見の回となりそうです。
〈文/ネジムラ89〉
《ネジムラ89》
アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは『読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレター』を配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi
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