◆一時弱体化？死にかけに戻ったルフィが復活！
見た目ではコミカルな展開といっても後半で事態の悪化がはっきり描かれていきます。
カイドウの攻撃を受けても余裕そうであったルフィですが、ギア5の状態が次第に解け、黒髪、さらにはシワシワのおじいさんのような姿へと変貌していきます。
やはりギア5はかなり力を消耗するようで、これまでのギアシリーズの副作用の中では一番ひどい容貌へとルフィを変えていました。
ここでカイドウも自身のダメージを感じるのですが、余裕ぶりではまだカイドウの方がうわ手の様子です。しかし、ルフィは自分自身で戦闘意欲を鼓舞していきます。
モモの助、お玉、錦えもん、そしてペドロ……カイドウとの戦いに至るまでにルフィと縁のあった人々を思い出し、ルフィは再びギア5の姿へと変身します。
実はこのシーンは、原作では派手に描かれるシーンではないのですが、今回のTVアニメ版では回想も交え、ドラマティックかつカッコいい映像へとアレンジがされています。
ギア5の姿に戻ったルフィですが早々にカイドウの攻撃が直撃！ しかし今度は自身の顔面を伸縮させてダメージを減らし、勢いをつけてカイドウの顔面へとカウンターをかましていきます。
しばらく倒れたカイドウは、ルフィに対して改めて「お前は誰だ」と問いかけます。それに重なるように象主（ズニーシャ）がジョイボーイへとメッセージを送り、そしてルフィは再び、「海賊王」になる男だと宣言。おなじみの口上で今回のエピソードが締めくくられました。
前回がギア5のお披露目回として大々的にPRされましたが、今回もかなり力の入ったアニメーションが登場する回となりました。
制作陣には、最近ではTVアニメよりも劇場版作品での活躍で知られ、直近では『君たちはどう生きるか』などにも参加したアニメーターの大平晋也さんの名前が並んでいたりといった点でも話題になっています。
見逃せる回が全然ない見応えばかりの『ワンピース』ですが、次回は第1073話「逃げ場なし！地獄絵図の鬼ヶ島」が放送されます。火の海と化し逃げ場のなくなった鬼ヶ島を果たしてどう解決するのかに注目です。
〈文/ネジムラ89〉
《ネジムラ89》
アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは『読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレター』を配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi
(C)尾田栄一郎／集英社・フジテレビ・東映アニメーション
アニメ映画ライター。『FILMAGA』、『めるも』、『リアルサウンド映画部』、『映画ひとっとび』、『ムービーナーズ』など現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。映画『ミューン 月の守護者の伝説』や映画『ユニコーン・ウォーズ』のパンフレットにライナーノーツを寄稿するなどその活動は多岐にわたる。noteでは『アニメ映画ラブレターマガジン』を配信中。
