◆この20年間ワノ国で何が起きたのか?具体的に描かれる地獄絵図!
ここで衝突するルフィとカイドウを目前にし沸き立つ侍たちの中、河松の回想という形でワノ国にこの20年間何が起きたのかがじっくりと描かれることになります。
さかのぼること20年。光月家を葬ったあとに、大名たちに百獣海賊団の配下につくか戦うかの選択を迫るオロチ。それに反抗しようとする大名たちの中には、ルフィたちが上陸後に殺されてしまった康イエや、後にヤマトたちを救うことになる大名の面々の姿もありました。彼らの反抗も虚しく、カイドウの強さを前にワノ国はたちまちカイドウとオロチの支配下となります。
ワノ国には工場が建てられ、男性は強制的に労働力とされ、自然は汚され、飲み水も有毒なものへと変わる始末。大地も枯れ、食料もままならない中、天の救いかのように運ばれてきたのが失敗作のSMAILEでした。
食べると笑う以外の感情を失う危険なものでしたが、飢えた村人はそれを口にしてしまいます。それを見たオロチは喜び、地獄と化したワノ国を笑って生きるように強制するようになっていきます。
ワノ国がどれだけ酷い状況だったのか。なぜカイドウやオロチを倒さなければいけないのか。そういったワノ国の戦いの理由をクライマックスを迎えたタイミングで改めてじっくりと見せつける攻めたエピソードとなっていました。
絶望的な状況で感情さえも支配しようとするお上に対して「抗おう」「自由を渡すな」。ワノ国の戦いがそういった気持ちをなくさないようにと訴えかけるような内容だったことを改めて思い知らされます。