◆ついにお披露目!20年の時を経た光月モモの助の姿が明らかに!
映像を見ていなかった一味も、赤鞘の面々がひざまづくと共にさすがに花の都の映像に注目しだします。そこへ現れたシルエットの人物の声はモモの助! 砂埃にその姿がはっきり見えない中、商売の自由や飲食の自由、工場の閉鎖や奴隷の廃止を次々に宣言するのでした。
それを聞いていたお玉はそれがモモの助と気づいたようでしたが、それよりもモモの助の宣言に思わず辛かった日々がよみがえります。父と母の死や貧しい生活、そして天狗山飛徹と出会い、光月家の復活によって圧政が終わる日が来ることを信じて、辛抱を誓った日が描かれます。
ついにその辛抱が終わると悟ったのか、これまではずっと明るい笑顔を絶やさなかったお玉もたまらず号泣。ルフィの“メシが食える”国にするという約束が再び流れ、思わずこちらまでもらい泣きさせられてしまう瞬間となりました。
さらに間髪を入れずにモモの助は“忍者海賊ミンク侍どうめい”による討入りにより、カイドウやオロチの百獣海賊団を成敗したことを宣言。改めて共に戦った者達と犠牲となった人々への感謝を告げます。ここがまた憎い演出で、しっかりペドロやアシュラ、イゾウや康イエといった命を捧げた人々の映像が流れます。彼らが居てこそ今があることが示され、この戦いの厚みを感じさせる瞬間となりました。
しかし、ここでモモの助の手が震えていることが視聴者に明らかになります。実は無理をしながらのスピーチだったわけですが、そんなモモの助に助言をするのが錦えもんです。錦えもんのハッタリをブチかませという助言やルフィの叱咤激励が頭をよぎったモモの助は、堂々と光月モモの助がワノ国を統治することを宣言するのでした。そして、ここで初めてモモの助のシルエットが晴れて、人間の姿がお披露目! 桜吹雪の中に勇ましく立つ、長髪の男の姿がそこにはありました。
モモの助がジュクジュクの実の力で20歳年をとったのは2023年の年初。約9ヶ月越しでその人間の姿が判明しました。その顔立ちはおでんに似ているということは明らかになっていましたが、頭の特徴的なお盆こそないもののその顔立ちにはおでんの面影があります。
ナレーターによる口上を背に、名実ともに将軍となったモモの助。また一つ、長かったワノ国の戦いのフィナーレが描かれる回となりました。
めでたしめでたしの着地を迎えたタイミングで次回は総集編回「ルフィ先輩応援企画!バルトの秘密の部屋4!」。8月末にルフィとカイドウの戦いを振り返る総集編回が放送されたばかりですが、今度は決着までを網羅したものとなりそうです。
〈文/ネジムラ89〉
《ネジムラ89》
アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは『読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレター』を配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi
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