◆原作者はトットムジカをどう思っている?
それにしても気になるのは、このトットムジカが『ONE PIECE』の世界では極めて珍しい存在として描かれている点です。
現実ではあり得ない不思議な自然現象であったり、悪魔の実の能力の中には動物(ゾオン)系の幻獣種と呼ばれる伝承などで語られる生物に変身する能力などが登場してきました。
しかし“魔王”と言われるような人なのか動物なのか分からないトットムジカというキャラクターの存在はかなり異例です。『ONE PIECE』の世界に“魔王”なんてものが存在していたのでしょうか。
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これに関して実は、原作者の尾田栄一郎先生が「FILM RED 出張版SBS副音声上映」内で言及しています。
トットムジカのような存在が原作漫画では出てきていないことを把握しつつも、あくまでも「存在するけど描いていない」だけであり『ONE PIECE』の世界にはトットムジカのような不思議なモノが存在することは確かなようです。
なんだか『ONE PIECE』の世界とはそぐわない違和感も間違いでなければ、トットムジカという存在自体も決して世界観との解釈違いではなかったようです。
また、悪魔の実以外に『ONE PIECE』の世界に不思議なものはないというルールを決めているそうで、悪魔の実以外の現象であれば、だいたい存在してもおかしくないような理屈が用意されているとも語られていました。トットムジカという“現象”にもしっかり理屈が裏に設定されていることは確実でしょう。
『ONE PIECE』では“空白の100年”などまだ数多くの過去の出来事に関して謎が用意されています。
今後これらが紐解かれていくうちに、本映画に登場したトットムジカの謎についても今後、答えとなるような新事実が明らかになるときがくるかもしれません。
ただ、現時点で言えることは『ONE PIECE』の世界に魔王は存在した、という事実だけです。
〈文/ネジムラ89〉
《ネジムラ89》
アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは『読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレター』を配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi
(C)尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション