<この記事にはTVアニメ『ワンピース』と原作漫画『ONE PIECE』のネタバレが含まれます。ご注意ください。>
今年も漫画『ONE PIECE』の連載開始の記念日“ONE PIECEの日”に合わせて、東京ビッグサイトにてONE PIECEの大規模なイベント「ONE PIECE DAY’23」が開催され、ONE PIECEに関する情報がこれでもかと発表されました。
そんな中、TVアニメ『ワンピース』に関しては、ついにルフィの新形態である「ギア5」が8月6日放送の第1071話で放送されることが先行発表されました。
このギア5の登場は原作漫画でも重要なサプライズ展開ではあったのですが、それを事前に告知してはネタバレになるのでは? と思ってしまうところですが、こういった見せ方からも「いまTVアニメ『ワンピース』がどう見られたいか」が分かります。
◆TVアニメ『ワンピース』はいま原作ファンにこそ観てもらいたい?
TVアニメ『ワンピース』の「ワノ国編」は、原作漫画を既に読んでいる原作ファンに届くような作品作りを目指していることが顕著です。
かつてTVアニメ『ワンピース』シリーズは、漫画とは別の路線として過激すぎる表現はソフトに改変したり、TVアニメのエピソードが原作の連載に追いつきそうになると、オリジナルのエピソードを間に挟むなど、独自の展開を設けてきました。しかし、こういったアニメ独自のアレンジの方向性を2019年から放送がはじまった「ワノ国編」からかなり変えてきています。
具体的にどういったアレンジの方向にしてきたかといえば、原作漫画に対してこれまで以上に近い形で映像化する方針に変えているのことが分かります。
たとえば、これまであったアニメ独自のオリジナルエピソードを放送しなくなりました。映画との連動回などの放送例はあるのですが、オリジナルのエピソードを挟むのではなく“総集編回”などを間に入れることで連載漫画とTVアニメ放送のペースを合わせたり、制作スケジュールの調整が行われています。
「ワノ国編」からは制作スタッフなども再編成されており、キャラクターデザインには松田翠さんが新たに就任。キャラクターのタッチなどもよく見ると、「ワノ国編」以降はより原作者の尾田栄一郎先生の描いたキャラクターたちの外見に寄せたものになっています。
TVアニメ『ワンピース』は長寿番組となってしまったうえに、これまで多くの原作からの改変をしてきてしまったので、どうしても「原作派だから」とTVアニメ『ワンピース』を観ない『ONE PIECE』ファンも生んでしまいました。
しかし、近年はそんな反省もあってか、アニメを観ないファンにもアプローチしていこうという様子や工夫が見られます。