『ペルソナ5』も放送開始から1クールが経過し、“心の怪盗団”もOPやキービジュアルで登場したメンバーが着々と揃いつつあります。
ペルソナというのは人の心の中にいる「もうひとりの自分」、あるいは他人と対峙するときに現れる「心の仮面」が神や悪魔などの姿を取ったものとされています。シリーズ全体を通し、各ペルソナはタロットカードの大アルカナで分類されていることが特徴です。
『ペルソナ5』においてペルソナは「反逆の意志」の象徴。ペルソナ使いが認知世界において仮面を外すことをトリガーにして召喚されます。
本記事では、アニメの表現だけでは分からないペルソナの特徴や名前の由来について、原作ゲームでの性能をもとに解説していきます。
雨宮蓮/ジョーカー
アルカナ:愚者(ワイルド)
ペルソナ:アルセーヌ
蓮のアルカナは“愚者”ですが、“ワイルド”の能力を持つことで複数のペルソナを所有し、任意に付け替えることが出来ます。カードゲームにおけるワイルドカードがこのアルカナの由来です。
ペルソナシリーズの1、2作目では、パーティメンバー全員がペルソナの付け替えが可能でしたが、3以降は主人公だけが可能な特殊能力として扱われるようになりました。
初期ペルソナのアルセーヌは物理攻撃と呪怨属性魔法をメインとしていますが、ペルソナの合体チュートリアルで素材にされることが多いです。しかし、見た目がカッコいいので、長く使いたい人も多いのではないでしょうか。
名前の由来は、フランスの作家モーリス・ルブラン著作の“怪盗紳士アルセーヌ・ルパン”。紳士にして冒険家、愛国者や義賊の面をもち、虐げられた婦人や子供たちにとっては頼もしい保護者となる……。まさに歪んだ欲望を持つ者を標的として改心させる“心の怪盗団”のリーダーが持つにふさわしいペルソナといえます。
モルガナ/モナ
アルカナ:魔術師
ペルソナ:ゾロ
疾風属性の魔法と回復・蘇生魔法を持ち合わせ、主に回復役を担当することになります。剣を持っていますが、物理技はなぜかパンチばかり。
怪盗団のメンバーの中で、モナだけは何故かマスクを外さなくてもペルソナを召喚出来ます。
名前の由来は、アメリカの作家ジョンストン・マッカレー著作の“怪傑ゾロ”。メキシコが未だスペイン領だった時代、“大盗賊にして真の紳士”と呼ばれる仮面の剣士・ゾロは強きをくじき弱きを助く正義のヒーローとして描かれました。紳士であると同時に義賊、というのがアルセーヌと共通していますが、正体を隠しているという意味ではゾロの方が怪盗団のスタンスに近い気もします。
坂本竜司/スカル
アルカナ:戦車
ペルソナ:キャプテン・キッド
電撃属性の魔法と物理攻撃を主体にした主力アタッカーです。
攻撃力を上昇させたり、相手の電撃耐性を下げる補助技もいくつか持ち合わせていますが、攻撃に専念させる人も多いハズ。
名前の由来はイギリスの私掠船や海賊船の船長として活動した実在の人物、ウィリアム・キッドの別名から来ています。
私掠船とは、国家の許しを得て戦争状態にある他国の船を攻撃・拿捕することを許された個人所有の船のことを指し、キッド船長はイギリスから私掠免許を得ていました。しかし、彼は後に海賊行為の罪によって逮捕、処刑されることになります。
貴族をだましスポンサーにつけ、その金で海賊行為を働いたとされるキッド船長ですが、彼は富裕層の政争に巻き込まれ犯罪者に仕立て上げられたという説もあり、その場合は冤罪で処刑されたことになります。
鴨志田との関わりによって問題児とみなされ、遠巻きにされている蓮と竜司の境遇に繋がるものがあるのではないでしょうか。
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高巻杏/パンサー
アルカナ:恋人
ペルソナ:カルメン
火炎属性・状態異常・補助・回復と、通常攻撃よりもスキル使用をメインとした活用が向いています。
名前の由来はフランスの作家プロスペル・メリメ著作の小説のタイトルであり、登場する女性の名前でもあります。この作品をもとにジョルジュ・ビゼーが作曲したオペラは、日本でも幾度となく上演され親しまれることになりました。
小説でのカルメンは女山賊で、美しくも激情家で心変わりしやすい女性として描かれています。彼女は男を破滅させる悪女“ファム・ファタール”の代表例として名前が挙げられることも少なくありません。
ペルソナのカルメンも、頭部がハート型になった2人の男性を従えているのが印象的ですね。
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喜多川祐介/フォックス
アルカナ:皇帝
ペルソナ:ゴエモン
氷結属性の魔法攻撃と物理攻撃が主体です。キャプテン・キッドとの差は比較的単体攻撃が多いことなので、敵の数が少ない時の方が活躍出来ます。また、バトンタッチ時に威力が上昇するなどテクニカルな技が多いことも、このペルソナの特徴の一つです。
名前の由来は安土桃山時代の盗賊の首領“石川五右衛門”。長く実在を疑われてきた人物ですが、イエズス会の宣教師が遺した日記の中に彼の処刑に関する記述も存在します。
彼は、江戸時代に創作の材料として数多く取り上げられたことから高い知名度を得ました。伝説では、権力者のみを狙う義賊であったことから民衆に支持されたと言われており、肥大した歪んだ欲望によって、イセカイにパレスを持つ者を優先的に狙うザ・ファントムの姿勢と通じるものがあります。