◆浦沢直樹先生は「連載時」にプレッシャーを感じていた?

 その覚悟も納得できるほど漫画『PLUTO』という作品はまた特別な作品でもあります。

 もともと『PLUTO』の原作である『鉄腕アトム』の「地上最大のロボット」というエピソードは、手塚治虫自身が「アトムの中でも一番人気のあったもの」と語るほどの人気作品です。

 そんな“漫画の神様”と呼ばれるほどの人物の代表作である『鉄腕アトム』──その『鉄腕アトム』の人気エピソードをリメイクするということで、浦沢直樹先生自身も『PLUTO』の連載時は尋常ではないほどのプレッシャーを感じていたと言います。

 しかし、こうして生まれた『PLUTO』は連載開始まもなく大ヒット。「第9回手塚治虫文化賞マンガ大賞」、平成17年度の「文化庁メディア芸術祭」マンガ部門優秀賞、さらには「このマンガがすごい!」や「このマンガを読め!」といった現在まで続く漫画のレコメンド企画の初回で1位を獲得するほど幅広いフィールドで高い評価を獲得し、累計発行部数は1000万部を突破しました。

 それほど原作漫画の立ち位置自体も『PLUTO』は大ネタとなっているのです。

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