4月から放送が始まったTVアニメ『アストロノオト』は、ラブコメ作品はもちろん、アニメ作品の中でも今までほかに類をみないとんでもない結末になる、と公式から告知されていますがどんな最終話を迎えるのでしょうか？
王道ラブコメを思わせる設定ですが、本作には王道ラブコメと一口には括れない魅力があります。
◆『アストロノオト』は王道ラブコメだけじゃない！
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このアニメは料理人の宮坂拓己が就職活動で「あすトろ荘」を訪れ、大家の豪徳寺ミラに一目ぼれをするところから始まります。
料理の腕前を気に入られ、あすトろ荘の料理人として働き始めた拓己ですが、ミラが「私が“ミボウジン”だから!?」と声を荒らげる現場に遭遇しました。
拓己はミラが「未亡人」だとショックを受け、その場から去ってしまいます。しかし、その後の会話でなんとミラが「未亡人」ならぬ「ミボー人」という宇宙人であることが発覚しました。
さらに、ミラはミボー星の次期王位継承者で、あすトろ荘のどこかにある王位継承の証「鍵」を探しています。鍵の在りかはまだ分かっておらず、鍵を巡ってミラの自称フィアンセや敵国のスパイロボットまでくる始末。さまざまなドラマが繰り広げられるこのアニメは、王道ラブコメながらもこれまでにない新感覚のSFラブコメといえるでしょう。
また、本作には拓己とミラ以外にもクセの強いキャラが登場します。アパートには筋金入りの無職の父親の若林富裕と好奇心旺盛な息子の蓮。
私生活とギャップがありすぎる地下アイドルの松原照子。
あすトろ荘最年長で自称小説家の山下正吉。
ひきこもりすぎて存在を忘れられていた上町葵が暮らしています。
強烈すぎる彼らは、あすトろ荘をかき回しながらも、拓己の相談にのったり彼を励ましたりしており、その姿には思わず愛着がわいてしまうでしょう。
さらに、近所にはうわさ好きのおばちゃんがおり、拓己へさまざまなうわさを吹き込んで彼の恋路をかき回します。拓己にとってはいい迷惑かもしれませんが、おばちゃんは彼の恋を盛り上げる重要なキャラといえるでしょう。
新感覚のSFラブコメと強烈なキャラが魅力の本作ですが、視聴者からは飯テロアニメともいわれています。
料理の作画に力が入っており、作中で登場する拓己の料理はおいしそうなものばかり。また、そんなおいしそうな料理を幸せそうに食べるあすトろ荘の住人たちの表情もたまりません。
視聴者からは「見ているとおなかが空く！」「今季の飯テロ枠」とも声が上がっており、飯テロアニメが好きな人は存分に楽しめるでしょう。
◆思わずジンっとする感動シーンも
ラブコメ、SF、飯テロなどさまざまな要素を含んだこのアニメですが、中には胸がジンッとするような感動シーンもあります。
たとえば、第3話で小学生の蓮くんが遠足に行くときのことです。蓮くんは父親がお弁当を作れないため、学外の授業のときはいつもコンビニのおにぎりやパンで済ましていました。
今度の遠足でもお弁当が必要ですが、蓮君はお弁当を用意してもらえないため落ち込んでいます。
しかし、拓己が代わりにお弁当を作ると言い、蓮くんは笑顔で大はしゃぎ。遠足当日はお弁当が消えたり奪われたりするトラブルがありましたが、拓己らは無事に乗りこえて蓮くんにお弁当を渡し、彼は嬉しそうに目を輝かせてお弁当を食べました。
この遠足の話にはX（旧Twitter）などのSNS上でも「同じ経験があるから蓮くんのつらさが分かる」「お弁当が消えたときは心が痛んだけど間に合ってよかった」と声が上がり、蓮くんの笑顔に救われた人も多いようです。
ほかにも、第5話で蓮くんが悩みを打ち明けたときには考えさせられるものがありました。
蓮くんはとある理由から照子の入浴中に脱衣所へ入り、お風呂から上がった照子と鉢合わせて下着泥棒と勘違いされてしまいます。その後、話し合いの場が設けられ、蓮くんが「スカートを履いてみたかっただけ」と悩みを打ち明けました。
照子は盗むのはダメだと諭したうえで、言ってくれればいくらでも履かせると蓮くんの気持ちを肯定します。
しかし、無職の富裕は周囲と違うだけで悪意を持たれることを知っており、蓮くんがスカートを履くことに反対しました。その後、ミラがあすトろ荘は好きなことや格好をして気持ちを楽にする場にしたいと言い、あすトろ荘の中でだけスカートを履くことを提案します。これには富裕も納得しその場は収まりました。
この一連の流れには視聴者から「蓮くんの気持ちを否定しない照子さんがすてき」「お父さんのセリフも分かる」と、どちらの気持ちにも同意する声が上がりました。
また、多様性が感じられるエピソードだけに、「レトロな感じなのに現代性が感じられる」と高く評価されています。
◆最終回では異例の結末が……？
作中では、拓己にミラが宇宙人だとバレただけでなく、ミラがミボー星の女王とあすトろ荘の前の大家・下高井戸太助の子供であることが発覚しました。
重要な事柄がつぎつぎと発覚していますが、このアニメはどんな最終回を迎えるのでしょうか。今後の展開を考えるヒントとして、まだ回収されていない伏線が挙げられます。
たとえば、あすトろ荘の庭にも植えられている梅の花には、「約束は守る」という花言葉があると作中で語られているため、なにか重要なことを秘めていると考えられるでしょう。
ほかにも、あすトろ荘の地下室が宇宙船を彷彿とさせる様子だったり、太助がSFや宇宙を好んでいたりする伏線があり、今後の回収が楽しみです。
そして、本作はメインビジュアルに「最終話で、全部いただきます。」というキャッチコピーが書かれており、ほかに類をみない結末が待ち受けていると公式から発表されています。このことを考えると、もっと驚くような結末が待ち受けているのかもしれません。
これから話数を追うごとに壮大なミステリの伏線が回収されていくようですが、どんな結末が待ち受けているのか最終話まで目が離せないのは確かでしょう。
文/林星来
編集・構成/アニギャラ☆REW編集部広告制作チーム
画像/©アストロノオト／アストロノオト製作委員会
フリーライターとして活動中。子供の頃から培ってきたアニメ知識を活かして、話題のアニメを中心に執筆。アニメ以外のジャンルでは、葬儀・遺品整理・金融・恋愛などの記事もさまざまなメディアで執筆しています。
