『Re:ゼロから始める異世界生活』(略称、リゼロ)が大盛り上がりですよね。
特にエキドナは大人気で、彼女が登場するシーンでは多くの視聴者が沸いています。
<画像引用元:http://re-zero-anime.jp/tv/story/ より引用掲載 ©長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活1製作委員会©長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活2製作委員会>
そんなエキドナが登場するシーンの一つに、スバルとの契約を持ちかけるシーンがありますよね。結局スバルは断ってしまいますが、多くの視聴者から「勿体無い」との声が。
例え、利用されたとしても、エキドナに人の感情が分からないとしても、最善の未来へ導いてくれるのなら契約するべきと考えた視聴者は大勢いるのではないでしょうか。
そこで、今回はそんな未来が書かれたIFストーリー「ゼロカラカサネルイセカイセイカツ」を紹介していきます。
エキドナと契約したスバルがどうなるのかご確認ください。
◆もしもの未来「ゼロカラカサネルイセカイセイカツ」とは?
<画像引用元:http://re-zero-anime.jp/tv/story/ より引用掲載 ©長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活1製作委員会©長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活2製作委員会>
「ゼロカラカサネルイセカイセイカツ」(以下、エキドナIF)は、原作者の鼠色猫/長月達平氏によって2016年4月1日のエイプリルフール企画として制作されたIFストーリー。
現在アニメで放送されている聖域編を解決し、そしてその後の話であるプリステラ編も解決した数年後の未来の話になります。
エキドナIFでは、エキドナと契約したスバルの日常が描かれていますが、ただの日常風景ではありません。エキドナと契約したことで、歪んだ未来が描かれた物語となっているのです。
物語の分岐点は『リゼロ』第37話の契約シーンからになります。
第37話でエキドナはスバルにある契約を持ちかけていました。その契約とは、最善の未来を目指す協力をする対価に、スバルが見聞きしたものや得た感情を共有させて欲しいというもの。
正規ストーリーでは、魔女たちの横槍が入ったことでエキドナの異常性に気づき、スバルは契約を断ります。しかし、エキドナIFでは、悩んだ末に「最善の未来のために必要だ」と、契約をすることに。そして……。物語は契約から数年経過したところから始まります。
エキドナの協力により、一切の犠牲を出さず聖域編を解決したスバルは、全ての人間の命を救った英雄、エミリア陣営の切り札となっていました。この数年スバルは、聖域だけでなく、他のあらゆる困難を打ち破ってきたのです。数億回にも及ぶ死に戻りを代償として……。
<画像引用元:http://re-zero-anime.jp/tv/story/ より引用掲載 ©長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活1製作委員会©長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活2製作委員会>
数え切れない程の死に戻りを経験したスバルに、今までのような表情はありません。疲労の残った顔、虚無感を漂わせる眼差し、気が抜けたような頬、まるでうつ病患者のような顔付きに。この未来を勝ち取るために、どれだけの苦労があったか推し量れますね。しかし、それでもスバルは皆に心配をかけまいと無理やり笑顔を作っていくのです。
「笑え、俺。できなきゃ、死ね」
スバルの朝は、この死んだような表情を笑顔に擬態させるところから始まるのです。
また、スバルが変わってしまったのは、表情だけの問題ではありません。その思考も随分と変化してしまいました。死に戻りを利用し最善の未来を手に入れることを目指したスバルは、「エミリアを王にする」「レムを目覚めさせる」そして「周りにいる人たちの命」それら以外に拘らなくなってしまうのです。
「――たとえ、救いたい相手が泣いたとしても、救いたい。」
命があれば、希望がある、希望があれば明日がある、明日があれば未来を変えられる……。
この考えによりスバルは、救いたい相手の心が傷ついても、命さえあればいつの日か回復すると信じて行動していきます。まるでロズワールのようですよね。その結果は後述しますが、とても幸福だと言える状態ではありません。
死に戻りによる途方も無い試行回数、そして膨大な知識と高い智恵を持っているエキドナがついていながらどうして、このような未来になっているのでしょうか……。
<画像引用元:http://re-zero-anime.jp/tv/story/ より引用掲載 ©長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活1製作委員会©長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活2製作委員会>
エキドナと契約したスバルは黒い結晶のペンダントを受け取ります。
このペンダントを持っている限り、スバルはどこにいてもエキドナの茶会に参加でき、エキドナはスバルの見たものや感じたことを共有できるのです。
エキドナIFでは、日常的にペンダントを通してスバルへ助言をしているエキドナが描かれています。スバルも四六時中ペンダントを持ち歩いているので、なにか不備があればいつでもエキドナが訂正してくれるハズです。エキドナが本当に最善の未来を選んでくれるのなら……。
最善の未来に導くと契約したエキドナでしたが、最適解を教えてくれるわけではありませんでした。エキドナは知識の探求のため、スバルに必要のない死に戻りを必要だと偽って行わせていたのです。
例えば、聖域編。エキドナとの契約を断ったスバルは数回の死に戻りで聖域編を解決しますが、エキドナと契約したスバルは途方も無い数の死に戻りを経験します。それも、エキドナがあらゆる結果を知りたいがため……。
スバルはエキドナに遠回りをさせられているわけですね、しかも、エキドナの言う最善の未来とは全員の命がある未来のこと。つまり、実現可能な最上の未来ではないのです。しかし、エキドナに誘導されているスバルはこの事実に気がつきません。エキドナの言う通り、今自分が歩いている道が最善の未来へ繋がっていると信じてしまっているのです……。