9月15日(水)、T・ジョイ PRINCE品川にて、原作者・川原礫氏がアスナ視点で描く新たな《アインクラッド》編となる『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア』(10月30日公開)の完成披露IMAX上映会が開催された。

 また、同時に舞台挨拶も実施され、アスナ役の戸松遥さんと、キリト役の松岡禎丞さんが登壇。約10年間携わってきた作品や自身の演じるキャラクターへの思いや、本映画の見どころなどが熱く語られた。

 舞台挨拶は完成披露を迎えた今の心境という話からはじまり、戸松さんは「もう本当に素直にすごく嬉しいです。『ソードアート・オンライン』とは本当に長いお付き合いで、約10年ぐらいになるんですけれども、こうやって一つの役にこれだけ長くの年月寄り添ってずっと演じ続けられることが奇跡のようで、改めて『ソードアート・オンライン』という作品がたくさんの方に愛されているんだなということを実感できました」と嬉しそうにコメント。

 さらに彼女は「こうやって今回劇場版としては2作目ということで、しかも原点回帰、時系列的には《アインクラッド》編のお話になっているので、もちろんその《アインクラッド》編のアスナを演じることができてとても嬉しいです」と自身の演じるアスナへの愛を語った。

 一方、松岡さんは「改めて一からできるということでかなり気合を入れて、演技の方をさせていただきました。絵の方も本当に今の技術で、当時の……もう9年前ですね、近いものを作り直すとこうなるのかという、その感動の嵐で僕も見させていただいて、いやもう言うことないです」と、今回完成披露を迎えたことに対して喜びをあらわにしていた。

 そして話題はネタバレなしの本編の感想という話に移り、戸松さんは「懐かしいシーンもありますし、でも今回『プログレッシブ』ということで、実際に原作があるんですけれども改めてミトというキャラクターが今回の劇場版で新たに描かれて完全にオリジナルのお話になっているということで、誰も見たことのない『プログレッシブ』のお話が繰り広げられているのかなと思います」と、本映画ではじめて登場する新キャラクター、ミトの活躍に注目するようにと語る。

 また、彼女は本映画には、TVアニメで少し見たことのある懐かしいシーンや、懐かしいセリフなども盛り込まれており、TVアニメを見ている方にとっては新しいアインクラッドの一面を見ることができるため感動の連続とも話していた。

 松岡さんは「今回アスナが主役なので、あのとき知らなかった、知りたかったことが凝縮されているので、あなたの知らない『ソードアート』の世界がそこにあります」と語る。

 そして、司会者の作品に携わってきた10年間を振り返ってみて、という質問に対して戸松さんは「TVシリーズは全97話あって、劇場版が今回で2作目ということで本当に約10年間の間にいろいろな『ソードアート・オンライン』シリーズに関わらせていただいているんですけど、TVアニメとかがやってない期間も、実はいろいろなコンテンツで『ソードアート・オンライン』の作品に関わっていてアスナもずっと実は演じ続けている約10年間でした」

 さらに彼女は続ける。「なかなかそれって本当にあることじゃなくて、2期とかがあってもその間は全然演じていなくて久しぶりに2期で演じますっていうこともあります。でも実は『SAO』って途切れたことがなくて、ずっとアスナを演じ続けられている約10年間がすごく幸せなことだなと思いました。

 そしてなかなかそういう声優人生の中でも本当にたくさんあることじゃないので、すごく幸せの約10年間を過ごさせていただいているなとも思います」

 また、戸松さんは、アスナは自身の半身のような存在で、彼女のいない生活は考えられないといったような感覚を持っているとも話していた。

 一方、松岡さんは「深夜帯のアニメで、これだけ長く続くってもう本当に僕は声優人生の半分以上を『ソードアート・オンライン』と過ごしているんですよね。なので、何かキリトという存在がある種の肉親に近いっていったら言い過ぎですけど、いつでも役がまわってきても大丈夫ですよって、いつ来ても1ヶ月、2ヶ月空いたとしても、すぐに「ああ、どうだったかな」なんて考えたこともないです。だからもう普通にキリトにも「じゃあ行くか」っていったら「おう!」ってなる感じです」と語っていた。

 さらに、本映画の思い入れの強いシーンや、ここは見てほしいなというところとして戸松さんは「さっきもちょっとお話をしたんですけど、TVシリーズに出てきたシーンやセリフがアスナ視点で、また別の視点や演出で出てくるシーンが実はちょくちょくあります。TVシリーズだとキリト視点で進んでいったお話がアスナ視点で語られると、このシーンってこういう経緯があったからこう繋がるんだとか、アスナは《アインクラッド》編のとき結構心を閉ざしているんですけど、何でそうなったのかっていうのが丁寧に描かれているので、何かシーンによってはちょっとコミカルに描かれていたり、かわいく描かれていたり、もう一つの裏側から見たあのシーンみたいな。TVシリーズと同じセリフ、同じシーンがもう一度別の視点で見られるのってなかなかないのかなと思うので、そこはやはり、ぜひTVシリーズを見ていただいた方にはちょっと楽しみにしていただきたいです」と、本映画の見どころについてこのようにコメント。

 さらに彼女は「でも今回の作品って、『ソードアート・オンライン』を知らない方にもすごく優しい内容になっていて、『ソードアート・オンライン』とはなんぞや、みたいなところをすごく丁寧に描かれているので、初めて見ていただく方にも全部楽しんでいただけるお話になっていると思います」とまだ『ソードアート・オンライン』の世界に触れたことがない人でも本映画を存分に楽しめることをアピール。

 また、本映画では、ソードアート・オンラインに触れる前の一人の女の子としてのアスナというところから物語がスタートするので、すごく共感しやすくアスナと一緒に何か進んでいける視点で見られるのではないかとも話していた。

 松岡さんは「本当に今回、戸松さんがおっしゃったように、新規カットってやはりあるんですよ。新規カットもありつつ、あのときのシーンというのが、実際また今回あるわけなんです。どのシーンかはちょっと言えないですけれども、とあるシーンで『このシーンをもう1回やれるんだ』って思うのと同時に、とにかく見たら多分すごく懐かしさを覚えるんですよね」と語る。

 また、本映画の見どころの一つと、『アリシゼーション』編のある部分が繋がっていることを最大のヒントとしてあげていた。

 ここで、サプライズとして本映画の主題歌「往け」を歌唱するLiSAさんからのビデオメッセージが流れ会場のボルテージは最高潮! LiSAさんはビデオメッセージの中で「今回の作品の主人公はアスナということでこれまで私達が一緒に見てきたアスナの強くてかっこいい姿の裏側にある、最初からアスナが強かったわけじゃなかったんだなっていう、本当のアスナの強さを知ったような、そんな強さに触れたような作品になっています」

 と本映画の見どころについて話し「そんな強くしなやかなアスナへの応援ソングのように、主題歌を届けられたらいいなと思って、今回は『往け』という楽曲を作りました」と楽曲についても語っていた。

 戸松さんはLiSAさんが作詞、歌唱する「往け」についてこのようにコメント。

「本編を見て、最後にLiSAさんの『往け』が流れてきたとき、イントロを聴いた瞬間、もう鳥肌が止まらなくて、すごく泣きそうになりました。歌詞も『往け』という言葉がすごく心にストレートに刺さってきて、アスナのことを歌っていてくれたりとか、最初の《アインクラッド》編のとき『crossing field』がオープニングだったんですけど、そのときの感覚とすごく何かかぶる部分もあって『あのときの興奮がもう一度』のような感じですごく素敵でした」

 松岡さんは「往け」についてこのように感想を述べていた。

「いやもう本当に、TVシリーズの第1期の頃から、LiSAさんの歌とともにあった『ソードアート・オンライン』なんですけれども、今回もLiSAさんが主題歌を担当されて『往け』を聞いたときに、歌詞の力っていうのですか、歌唱の歌声の力強さもあるんですけども、本当になんとなく『往け』という思いが『行けよ!』じゃなくて『往って(いって)』という感じがあります。伝わるかどうかわかりませんけど『往け』という言葉の発音の仕方であったり、思いの伝え方であったりというのがすごく伝わってくる楽曲になっています」

 そして最後に松岡さんは「今回は本当に何か原点回帰ということで、皆様のアインクラッドが今戻ってきた、そして今の時代の技術、CGであったりとか、もうその凄さを体感していただけると思います。

 実際、今回はアスナが主役なので、TVシリーズを見ている方は『このときアスナはこんなことを思っていたんだ』とか、『裏でキリトがこんなこと言ってるぞ』という感じで、もう一粒で二度美味しい、全97話のTVシリーズって普通に考えたらすごく長い。だからこそ、『今、見たいなみたいな。でも長いな』って思っている方にこそ、今回の映画はおすすめです」とコメントを残し、戸松さんは「今回は、アスナがどういうきっかけで、何があってナーヴギアをかぶることになったのかというところから描かれていくので本当に初めて見ていただく方にもすごく丁寧な作りになっています。なので、見てくださっている方も、まだ見たことがない方も全員楽しめるという内容になっております。

 そして今回の劇場版で新しく描き下ろされたミトという子が一体どのように劇場版で関わっていくのか。彼女は今回の劇場版で大事な役どころになっていると思いますので、ぜひそちらにも注目して見ていただけたら嬉しいなと思っております。ありがとうございます」と本映画に対する熱い思いを語りイベントは締めくくられた。

 『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア』は10月30日(土)に公開される。

◆作品情報

【INTRODUCTION】

第15 回電撃小説大賞<大賞>を受賞した川原礫氏による小説『ソードアート・オンライン』シリーズ(「電撃文庫」刊)。次世代VRMMORPG《ソードアート・オンライン》を舞台に繰り広げられる主人公・キリトの活躍を描いた物語は、
2009年4月の原作小説第1巻発売以来高い人気を誇り、2021年現在、全世界での累計発行部数は2,600万部を突破。TVアニメは2012年に第1期が放送され、現在までに4シリーズ(全97話※1)が放送されている他、ゲーム、コミカライズなど、幅広いメディアミックス展開がなされている。

2017年には『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』が公開。興行収入25億円を突破する大ヒットを記録した。

『ソードアート・オンライン プログレッシブ』は、《SAO》物語のすべての始まり、アインクラッド第一層からの軌跡を、深く掘り下げながら詳細に描く作者自身によるリブート・シリーズ。

原作者・川原礫がアスナ視点で描く新たな《アインクラッド》編を、完全新作アニメーションで映画化。

これは、ゲームであっても遊びではない――。

ゲームオーバーは現実の死に直結する。全ての原点であるデスゲーム『ソードアート・オンライン』が、劇場のスクリーンで新たに幕を開ける。

※1総集編および、「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン」を除く

【STORY】

これは、《閃光》と《黒の剣士》が、その名で呼ばれる前の物語――

あの日、 《ナーヴギア》を偶然被ってしまった《結城明日奈》は、本来ネットゲームとは無縁に生きる中学三年生の少女だった。

2022年11月6日、世界初のVRMMORPG《ソードアート・オンライン》が始動した。

ところが、ログインの熱狂冷めやらぬプレイヤーたちが、突如ゲームマスターによってログアウトの手段を奪われ、ゲームの世界に閉じ込められてしまう。ゲームマスターは告げた。

《これはゲームであっても遊びではない。》

ゲームの中での死は、そのまま現実の死につながっている。

それを聞いた全プレイヤーが混乱し、ゲーム内は阿鼻叫喚が渦巻いた。そのうちの一人であったアスナだが、彼女は世界のルールも分からないまま頂の見えない鋼鉄の浮遊城《アインクラッド》の攻略へと踏み出す。

死と隣り合わせの世界を生き抜く中で、アスナに訪れる運命的な《出会い》。そして、《別れ》――。

《目の前の現実》に翻弄されるが、懸命に戦う彼女の前に現れたのは、孤高の剣士・キリトだった――。

【STAFF】

原作・ストーリー原案:川原 礫(「電撃文庫」刊)
原作イラスト・キャラクターデザイン原案:abec
監督:河野亜矢子
キャラクターデザイン・総作画監督:戸谷賢都
アクションディレクター・モンスターデザイン:甲斐泰之
サブキャラクターデザイン:秋月 彩・石川智美・渡邊敬介
プロップデザイン:東島久志
美術監督:伊藤友沙
美術設定:平澤晃弘
色彩設計:中野尚美
撮影監督:大島由貴
CGディレクター:織田健吾・中島 宏
2Dワークス:宮原洋平・関 香織
編集:廣瀬清志
音楽:梶浦由記
音響監督:岩浪美和
音響効果:小山恭正
音響制作:ソニルード
プロデュース:EGG FIRM・ストレートエッジ
制作:A-1 Pictures
配給:アニプレックス
製作:SAO-P Project

【CAST】

キリト:松岡禎丞
アスナ / 結城明日奈:戸松 遥
ミト / 兎沢深澄:水瀬いのり
クライン:平田広明
エギル:安元洋貴
シリカ:日高里菜
ディアベル:檜山修之
キバオウ:関 智一

【音楽】

「往け」 LiSA(SACRA MUSIC)

作詞:LiSA /作曲:Ayase /編曲:江口 亮

▼公式サイト

https://sao-p.net/

▼公式Twitter(@sao_anime)

https://twitter.com/sao_anime

〈取材・文・撮影 /水野ウバ高輝〉

©2020 川原 礫/KADOKAWA/SAO-P Project

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