◆実は今回の映画には「原作漫画」があった?
『クレヨンしんちゃん』のアニメシリーズはキャラクターデザインなどは強めにアニメ向けにアレンジされています。
基本的なキャラクターのパーツなどは一致しているのですが、キャラクターのタッチなどはかなりTVアニメシリーズ独自のテイストになっているのが特徴と言えるでしょう。
それに対して今回の映画『クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 』では、キャラクターが原作漫画を思わせるような表情を見せてくれたりと、強く原作漫画を意識したものとなっていることが分かります。
しかも、実は今回の映画の内容は原作のとあるエピソードを長編化したもので、単行本26巻に収録されている「しんのすけとひまわりのエスパー兄妹」というエピソードが今回の映画のベースとなっています。
このエピソードは、しんちゃんが宇宙から飛来した光を受けて超能力を獲得し、同じく光を受けて超能力を得た悪人と戦っていくというものです。
大筋こそこの原作に沿っているのですが、悪人のエスパーの境遇であったり、戦いの様子など長編化のためにしっかりとドラマやアクションが肉付けされています。ただしんちゃんが父ひろしを武器にして超能力で飛ばそうとする様子など、部分的に原作の演出を採用していたりと、原作を知っているとニヤリとさせられる場面も用意されています。