聖哉の勇者召喚は2度目、1度目の召喚で何があったのか?
聖哉の勇者召喚は2度目です。モチロン、今回の召喚時には前回の記憶もなくレベルも初期からスタートだったのですが、1度目の勇者召喚は彼の性格を変えてしまうほどでした。
聖哉の最初の勇者召喚、それは大女神イシスターから明かされます。
最初に召喚された世界は救世難易度Bイクスフォリアです。イクスフォリアはゲアブランデよりも遥かに優しい難易度の世界でした。
・勇者:聖哉
・ヒーラー:ティアナ姫
・魔法使い:コルト
・ナビゲーター:女神アリア
この4人でイクスフォリア救世のための旅に出ていました。
過去の聖哉は敵のレベルが自身よりも上であろうと、「ガナビー・オーケー何とかなる」と突っ込み、類まれなる勇者センスによりどんな危機に陥ろうと無事乗り切ってきたのです。仲間たちもそんな彼を信用していました。「聖哉ならどんなピンチでもなんとかしてくれる」そういった思いがあったのでしょう。
そんな中、イクスフォリアの攻略も順調に進み、魔王四天王を撃破、残すは魔王だけとなりました。ついに魔王討伐となった時、聖哉は重大なミスをしてしまいます。
これはその瞬間の会話です。
たき火の近くで聖哉とティアナ姫だけが座って話していた。
『聖哉。遂に残すは魔王だけだね』
『ああ。明日は朝から出発だ。お前もそろそろ寝ておいた方がいい』
『ちょっと不安で眠れなくて。ねえ……ホントに賢者の村には行かなくていいの?』
『うむ。もう魔王を倒せる武器は手に入れた。遠く離れたその村まで、わざわざ出向く必要はあるまい』
『でもアリア様が、そこで魔王の情報が手に入るって……』
『ティアナ。俺は一刻も早く、魔王を倒したいのだ』
強情な聖哉にティアナ姫は大きな溜め息を吐き出した。その後、諦めたように笑う。
『聖哉ってば出会った時からそうだよね。修行とか準備とか、全然しないんだもん』
引用:カクヨム この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる 第四八章より
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881165840/episodes/1177354054881936277
そう、聖哉は自身の迂闊さから魔王の重要な秘密を知る機会を逃してしまったのです。魔王の秘密とは命が2つあることでした。魔王は1度倒しても、もう一度復活するのです。その情報を知らなかった聖哉たちは1つ目の命を倒した時、魔王を仕留めたと勘違いをしてしまいました。そして油断している隙きに魔王が復活してしまったのです。
1つ目の命を潰すだけで聖哉たちは体力の限界に達していました。復活した魔王と戦う力は残っていなかったのです。
最初に魔法使いコルトが殺られ、女神アリアも魔王に食べられてしまいます。そして動けない聖哉の目の前で最愛の人である、ティアナ姫まで魔王に殺されてしまうのでした。最後には聖哉も殺されてしまい、イクスフォリアは魔王の手に落ちることとなったのです。
聖哉が女神アリアの進言を受け入れて、賢者の村に向かっていれば魔王の命が2つあることは分かったのです。そうすれば魔王討伐の対策を立てることができたでしょう。聖哉は慎重な行動を怠った自身を責めてしまいます。そう、性格が変わってしまうほどに……。
聖哉と女神たちは初対面ではない
聖哉が救えなかった世界イクスフォリアを担当した女神アリアとは女神アリアドネのことなのです。そう女神アリアドネが唯一救えなかった世界がイクスフォリアなのです。
また、女神リスタルテ(以下、リスタ)の親友であるアリアドネなのですが、聖哉とあった際に動揺するなど、また聖哉に対してとても親しげに接している瞬間があります。これは過去に担当女神として聖哉を召喚していたからなのです。
アリアは聖哉に賢者の村へ行くよう強く勧めなかったことを後悔しています。アリアが聖哉の為に数々の神を紹介し、訓練を受けられるように計らっているのは罪滅ぼしのためなのです。
さらに、リスタが聖哉を召喚したのも偶然ではありません。実はリスタにも秘密があります。
リスタは聖哉が救えなかったティアナ姫の生まれ変わりなのです。女神アリアの強い願いと自身の生前の善行によって女神として転生したのです。
生まれ変わる際に人間だった頃の記憶は全てなくなってしまいましたが、リスタには聖哉の恋人だった過去があります。リスタが聖哉に惹かれてしまうのも、これが原因でしょう。
つまり、リスタが聖哉を召喚したのは運命だったのです。2人はお互いに記憶が無くとも運命の糸でつながっているのではないでしょうか。
(Edit&Text/天乃ひる)
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