◆「王家の血」と「始祖の巨人」の能力に気づいたとき
<画像引用元:https://shingeki.tv/final/story/#/episode/79 ©諫山創・講談社/「進撃の巨人」The Final Season製作委員会>
エレンが「地鳴らし」を行った背景には獣の巨人・ジークの存在があるのかもしれません。
エレンは、その体に複数の巨人を宿しています。一つはほかの巨人を支配できる「始祖の巨人」ですが、普段はその力を扱えません。ただし、一度だけその能力が発動されたタイミングがありました。それは巨人化した「王家の血」を引くダイナと接触したときです。
エレンは王家の血と始祖の巨人が合わされば、「地鳴らし」が可能だと気づきます。しかし、壁内で王家の血を継ぐのはヒストリアのみで、彼女を犠牲にする覚悟は持てませんでした。
ところが、王家の血を引く腹違いの兄ジークが、エレンへ接触を図ってきました。
ジークの狙いは、エレンと手を組み、エルディア人から生殖能力を奪う「安楽死計画」の実行。エレンは内心では賛同していなかったものの、ジークに協力的な姿勢を見せ、マーレ潜入時にも頻繫にやり取りを重ねています。
エレンが持つ「進撃の巨人」は未来を見通す力があり、「地鳴らし」は避けられないこれから起こる現実だったのかもしれません。ですが、ジークとの出会いが「地鳴らし」へ突き進むきっかけの一つとなったのは間違いないでしょう。
──自由を望んでいたエレンが、残酷な「地ならし」を始めたきっかけ。それには、心理的な変化や衝動、巨人の力を継承したこと、ジークとの出会いなど、さまざまな要因が絡み合っているといえるでしょう。
巨人を操る力を得て「地鳴らし」を始めたエレンですが、ほかに巨人の力を持つアルミンたちには干渉していません。アルミンたちは「エレンも交渉を望んでいるのではないか」と推察しました。しかし、エレンからの接触で「それはない」と突き放されてしまいます。
彼は一体どんな未来を目指しているのでしょうか……?
秋に放送される『進撃の巨人 The Final Season完結編(後編)』で、一人ひとりに少しでも幸せな未来が訪れることを願いたいですね。
〈文/mizuno @wr_mizuno 〉
編集プロダクション出身。アニメ系月刊誌『PASH!』編集者・ライターを経験。複数の紙媒体・web媒体で記銘原稿を寄稿する。KADOKAWA、小学館、主婦と生活社、ムービックなど各出版社・メーカー発売のムック・単行本の編集・取材・原稿執筆を務める。現在はフリーランスの編集者・ライターとして企画立案・記事作成を行なう。2023年、働く女性向けの新規コンテンツ立ち上げに運営として参画中。
※サムネイル画像:YouTubeチャンネル『ぽにきゃん-Anime PONY CANYON』より
TVアニメ「進撃の巨人」The Final Season
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