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波が引いてきたような話題ですが、保毛尾田保毛男問題の話。

最近ニュースにもなった出来事ですが、これが『クレヨンしんちゃん』にも波及しているようなのです。

保毛尾田保毛男問題とは

知らない人のために保毛尾田保毛男の件に関して説明しておくと、問題となったのはフジテレビ系列で2017年9月28日に放送された『とんねるずのみなさんのおかげでした』30周年スペシャルでのこと。

石橋貴明さんがコントの一キャラクターとしてかつて扮した“保毛尾田保毛男(ほもおだ ほもお)”というキャラクターの姿で登場し、その結果、視聴者から今の時代にLGBTを揶揄するようなキャラクターを再登場させるのはいかがなものかという反響を受け、フジテレビが謝罪文を発表するに至った事件です。

たまたまリアルタイムで私もこのスペシャル番組を観ていましたが、世代とはズレていて当時の保毛尾田保毛男のコントなんて見たことがなかったせいなのか、自身がLGBT側の人間ではないためなのかは分かりませんが、その番組自体には謝罪をせねばならないほどの演出があったようには思えませんでした。

それなりの反響があったようなら、よっぽど当時の放送が酷かったのかなぁ、とは想像してしまいます。

それよりも、この話を身近に感じた瞬間はその問題が過熱する中で、局所的ではあるものの、私が幼い頃からリアルタイムで触れてきたLGBTキャラクターに関しても、問題視するメンションが出てきていることを知ったときです。そのキャラクターが『クレヨンしんちゃん』に登場するオカマ達です。

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クレヨンしんちゃんに登場するオカマたち

クレヨンしんちゃん ヘンダーランド

画像引用元:映画 クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険 [DVD] 販売元:バンダイビジュアル

今や国民的キャラクターである『クレヨンしんちゃん』の、特に劇場版シリーズでは、一時期お決まりと言っていいほど毎回オカマのゲストキャラクターが登場しました。

代表的なものでは、映画第4作目、『クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険』に登場したマカオジョマの二人からなるオカマ魔女、映画第6作目、『クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡』に登場するオカマの三兄弟・珠由良(たまゆら)ブラザーズなど、味方や敵を問わず強烈な印象を残したキャラクターたちでした。

その活躍が魅力的ではある一方、見た目やキャラクターはやはり奇抜面白おかしく描いているという指摘があってもおかしくはない域でした。そんなわけで、保毛尾田保毛尾の件が話題になるに伴い、『クレヨンしんちゃん』も問題があるのではないかという声も一部では上がっているようですし、確かに“オカマ”の身なりに震え上がるしんちゃんの姿や、オカマのキャラクターで笑いを取りに行くような部分は、ある一定のラインに足を踏み入れているようには確かに思います。

ただ、その踏み込んでいるラインもあくまでもグレーゾーンの域までではないでしょうか。

『クレヨンしんちゃん』に登場するオカマ達を排除するような姿勢はなければ、敵味方であれオカマであるかどうかに関わらず最終的には、人間同士”として向き合い、むしろその特異な活躍にはオカマへのリスペクトを感じさせるような瞬間さえあります。

私が初めてオカマという存在を知ったのは幼い頃に見た『クレヨンしんちゃん』であり、オカマにもいろんな人が居ることを教えてもらったのも『クレヨンしんちゃん』です。

まだLGBTという言葉すら普及していない時代に“オカマ”という存在にスポットを当てて、フタをしなかったことには、罪ばかりでなく功の部分もあったのではないでしょうか。一概に『クレヨンしんちゃん』を悪い作品として挙げるのも、一方的な見方すぎるのではないでしょうか。

もそも、そんなかつては定番だったオカマキャラクターたちも、近年の劇場版では登場しなかったり、登場してもチョイ役だったりするようになりました。作品自体でもどれぐらいの按配でオカマと共存していこうかと、模索している最中にあるようにも思います。

『クレヨンしんちゃん』に悪い思い出があったり、批判的に思う人も、もう少しそういった姿勢をふまえて、作品を見守って欲しいと思う次第です。

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実は問題のあるキャラクターはあいつなんじゃないか?

しろ、よく声があがるオカマキャラクターよりも、こいつの方が先に問題になるべきじゃないかというキャラクターが劇場版クレヨンしんちゃんシリーズには存在します。

それが映画第1作目、『クレヨンしんちゃん アクション仮面VSハイグレ魔王』に登場する“Tバック男爵”です。

敵キャラクター、ハイグレ魔王の手下であり、大柄な体型に不精な髭、そしてTバックを履いたキャラクターです。作中の説明では、「アクションストーンを手に入れるためなら、手段を選ばない冷酷非情な“ホモ”」とされています。

このホモという言葉を使っているのがポイントです。

保毛男田保毛男の件でフジテレビが発表した謝罪文(現在は削除済み)にはこんなことが書かれていました。

“「ホモ」という言葉は男性同性愛者に対する蔑称であるとのご指摘を頂きました。そのような単語を安易に使用し、男性同性愛者を嘲笑すると誤解されかねない表現をしたことで、性的少数者の方々をはじめ沢山の視聴者の皆様がご不快になったことに関して、深くお詫び致します。”

と謝罪されているように、“ホモ”という言葉を使ったことが決定的な問題点となっています。そこをアウトラインとするのであれば、『クレヨンしんちゃん』で問題になるのはオカマよりもむしろこのTバック男爵なのでないでしょうか。

保毛尾田保毛尾の件で、最初に名前が挙がるべき作品は『クレヨンしんちゃん アクション仮面VSハイグレ魔王』だと思う身としては、それを差し置いてオカマキャラクターが先に槍玉に挙がるのは、複雑な気もします。

その一方、知名度だったり、印象の強さ、もしくは日頃のバラエティ番組におけるオカマキャラクターへの遺恨もあったりするのかなぁとも思います。

 

――『クレヨンしんちゃん』に登場するLGBTキャラクターを、白か黒かを判断するのは、議論の余地がある部分だと思うのですが、私は臭いものにフタをするように、作品自体を規制すような方向には動いて欲しくないです。

それよりもいずれ来るLGBTが生きやすい世界に進んでいく過渡期を語るうえで、映画『クレヨンしんちゃん』のキャラクター達は時代を語るキャラクターとして、語り継いでいくべきキャラクターではないかと思うぐらいです。

Edit&Text/ネジムラ89 Executive Editor/水野高輝

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