現在放送中の冬アニメ、『ソマリと森の神様』は、「専門用語や細かい設定ばかりの異世界モノに飽きた」、「超展開なストーリーよりもっとしっかり作り込まれた世界観に浸りたい」といった方へオススメしたい作品です。
人間が迫害される世界で迷子の人間の少女・ソマリがゴーレムに拾われ、彼女の両親を探す旅に出るというのが本作のコンセプト。
そんな『ソマリと森の神様』ですが、第1話放送後、「作画が綺麗だ」、「出演声優が豪華だ」などの声がSNSを中心に広まり、視聴者を魅了し続けています。
ではなぜソマリとゴーレムの旅の様子は、僕らをこんなにもグッと惹き付けるのか? それは本作に“4つの魅力”が存在するからです。
本記事では、『ソマリと森の神様』に存在する4つの魅力を紹介していきます。
素朴な世界観とストーリー
少女・ソマリとゴーレムが旅する世界は、小鬼や獣人が生きているファンタジー世界。機械などはなく人々は手で畑を耕し、街には道具屋と飯屋がある王道な世界観です。
ですが、異世界転生ものあるあるな「マナがどうたら」や、「スキルが云々」みたいな小難しい言葉は出てきません。
ストーリーも幼いソマリとゴーレムが素朴な世界で色々な人と出会い語り別れていく。旅の渦中ソマリは世界を知り、機械のゴーレムは人を知り、二人は親子になっていく……。本作はそんな心温まる1話完結規模のシンプルな物語です。ヨーロッパのファンタジーやジブリくらいシンプルと思っていただければ大丈夫。
毎週毎週、手に汗握る展開に疲れた方や、細かい設定を覚えるのに飽きた方はその素朴な世界観とストーリーに魅了されることでしょう。
手描き風の美しく暖かいビジュアル
ストーリーと世界観がシンプルな一方、『ソマリと森の神様』の美術面はとても手が込んでいます。
下の場面カットをご覧ください。
いかがでしょう? キャラクターはデジタルで描かれているのに対して、その周りの背景は手描き風で優しく描かれていますよね。筆者はこのビジュアルのおかげで、細かい言葉の設定抜きで頭を使わず、感覚だけで物語の世界を浸ることができました。
また、この背景を見た時、「ジブリっぽいな」とも思いました。ジブリアニメっぽい手作り感というか暖かさが『ソマリと森の神様』の作画には感じられ、このアニメの魅力を引き立てています。
そこで試しにTwitter で検索してみると、結構似たような意見をお持ちの方が多かったです。気になる方はTwitterで「ソマリ ジブリ」と入力し検索してみてください。多くの人が「ジブリっぽい」とツイートしていることが分かります。
OPがソマリの世界へ誘ってくれる
『ソマリと森の神様』のOPテーマのタイトルは、「ありがとうはこっちの言葉」。
当楽曲を聴いていただくと分かると思いますが、いろんな曲調がところどころに盛り込まれています。
アニメーションも秀逸で、ちょこまか駆け回るソマリが愛らしい。そして壮大なサビは雄大な風景を前にしたようです。
音色も電子楽器ゼロのアコースティック調なので、手描き風の背景と相まって素朴ながら鮮やかな世界観の形成に一役買っています。
このOPは毎回毎回視聴するたびに、まるで「ソマリの世界」に溶け込んでいるかのような感覚を味わえます。
声優陣が豪華
『ソマリと森の神様』は旅もので一話完結な都合上、毎話毎話で様々なキャラが出てきます。そしてその様々なキャラが豪華!
例えば、酒場の豪気な女主人を演じるのはくじらさん(『銀魂』のお登勢さんでの豪傑ぶり)、しゃべる小狡い猫を演じるのは福島潤さん(『このすば』のカズマの卑屈で小狡い演技)といった具合に、役者のいいところが発揮できる役ばかりで耳福です。
そして主演の二役ですが、まさに適役な二人がキャスティングされています。
ソマリ役は水瀬いのりさんが担当。他のアニメでも素朴な少女役をやることが多い水瀬さんの声と演技は、無垢なソマリの声にぴったりです。駄々をこねるソマリや、気持ち悪い外見の料理を見て「ウゲー」と嫌そうにする演技が最高にかわいい。
ゴーレム役は小野大輔さんが担当。彼の太めな低音ボイスは無機質なゴーレム役にぴったりです。筆者としては、ゴーレムがこれからソマリや人を理解、ソマリと親子の絆を育み変わっていく様子が演技でどのように描かれていくのか気になっています。
――以上、『ソマリと森の神様』の推しポイントを4つ語らせていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
当記事を読み、本作に興味を持たれた方はぜひ、以下の第1〜2話のダイジェスト動画を視聴してみてください。きっと『ソマリと森の神様』の世界に引き込まれることでしょう。
ソマリとゴーレムの旅はまだ始まったばかり。果たして、二人は旅の目的を達成することができるのでしょうか? これからの展開からも目が離せません!
(Text/せいぞー Edit/りかりん)
©暮石ヤコ/NSP/ソマリと森の神様プロジェクト, mixer