◆ヨルの殺人級サーブ!妻の座は揺るがない
フィオナの運転で帰宅するロイドたちでしたが、「妻帯者」を理由に途中で下ろしてもらいます。万が一にも、近所の人に浮気を疑われないようにするためです。下りたのは、ちょうどアーニャやヨルたちがテニスをして遊んでいた公園。
フォージャー家のやり取りを見たフィオナは、改めて「オペレーション<梟(ストリクス)>の妻役」を狙ってヨルに勝負を申し出ます。慌てて止める入るロイドですが、ヨルは受けて立つことに。
ロイドを巡る2人の心を読んだアーニャは、ベッキーがハマっている作中ドラマ『バーリント・ラブ』の女同士の争いを思い出します。そして、ヨルとフィオナのバトルに大興奮! 母の座が懸かっているのに「はすはす」と楽しそうなアーニャは可愛かったですね! ですが、アーニャはヨルが勝つと踏んでいたのかもしれません。
全力でサーブを打ち込んだヨルの足元に、ぽとりと落ちてしまうボール。なんとガットに沿って見事に粉砕していました! おっとりしたヨルに秘められた破壊力は、初めて見る人にとって刺激が強すぎたのかもしれません。常にクールな表情のフィオナも、目をパチクリさせて驚いていました。
ヨルはテニスが苦手だと落ち込みますが、ボールが裂けないギリギリの強さで打ち込もうと仕切り直します。
そのサーブは、バトルアニメの必殺技さながらの表現で、真っ直ぐにフィオナに向かっていきます! 何でもありのテニス大会で優勝した彼女に「死」を想起させるほどの威力!! 音よりも速く重い打球ですが、フィオナは自分の愛のほうが重いのだと打ち返すべく奮闘。脳内でまくし立てるロイドへの愛や妄想は確かに重いですね! しかし踏ん張った地面は割れ、ラケットも砕けてしまいました。完全なる敗北に、真っ白に燃え尽きたフィオナ。捨て台詞を残し、ぐしゃぐしゃに泣きながら去っていくのでした。
内心の感情の起伏が激しいものの、顔はいつも無表情なため、ロイドとヨルはその真意を分かっていません。心を読めるアーニャだけが「にぎやか」だと楽しんでいます。私たち視聴者の声を代弁してくれているようです。
ロイドは、フィオナとの関係を疑われないかと心配していましたが、契約結婚だと割り切っている節があります。ヨルはというと、フィオナに勝ったことを必至にロイドに猛アピール。言葉にはならないものの、言外に妻は自分しかいないと訴えているように見えました。偽装夫婦ではありますが、徐々に気持ちに変化が生じてきているのかもしれません。
さて、回収した「ザカリス文書」について、調査結果は特に問題なし。というのも、保管されていたのは、若手女優のブロマイドコレクションだったのです。ミュージカルに夢中だったザカリス氏は、妻にそれを責められケンカになったこともあったのだとか。東西ではなく、夫婦ケンカの“火種”になりかねない代物だったのです。
久々のスパイ任務でしたが、その結果が戦争と無関係だったのには、心温まりましたね。
──次回「MISSION24:母役と妻役/ともだちとかいもの」は二本立て! フィオナと出会って以来、対決に勝ってもぼんやりしがちなヨルですが、その不安は解消されるのでしょうか? 後半はアーニャとベッキーがお買い物に出かけるようです。可愛らしい展開になることマチガイナシ!
〈文/mizuno 編集/水野ウバ高輝〉