秋アニメの中でも高い人気の『SPY×FAMILY』。『ドラえもん』や『クレヨンしんちゃん』『ポケモン』のような国民的アニメへと成長していくことも期待できますが、実は本作が国民的アニメになれない理由があります。
『SPY×FAMILY』はなぜ、ここまで人気があるのに、国民的アニメの仲間入りを果たせないのでしょうか?
◆国民的アニメになるポテンシャルはあるけど……
『SPY×FAMILY』は、国民的アニメになるポテンシャルは十分持っています。
いま放送中の本作第2クールは、フォージャー家の日々を一貫してコミカルに描く回が増えているのが特徴。
たとえば、第20話で放送された「総合病院を調査せよ」は、特に顕著でアーニャが、学校の宿題でロイドやヨルの仕事について調査するという話になっており、裏の仕事を持つロイドやヨルがそれを隠しつつ、実はアーニャにはそれが超能力でバレているという『SPY×FAMILY』の設定が抜群に活きる楽しい回となっていました。
昨今のヒットアニメ『鬼滅の刃』や『呪術廻戦』などは、スリリングなストーリーが次々に展開され「続きが気になっていく」タイプの作品でしたが、それらと比べると『SPY×FAMILY』は対照的に、続きが気になるというよりも、気楽に笑える時間を毎放送楽しめていくタイプとなっています。
こういった点は『ドラえもん』や『クレヨンしんちゃん』といった作品に近く、半永久的にこの設定でフォージャー家の賑やかな日々を描いていくことも不可能ではないでしょう。
なかなか長寿アニメシリーズが新たに生まれにくくなった昨今ですが、『SPY×FAMILY』は意外とその担い手となれる作品かもしれません。
しかしながら『SPY×FAMILY』は、ある問題を抱えているアニメであり、それが国民的アニメになる可能性を下げています。