“脱コミュ障”作品として人気を集める『弱キャラ友崎くん』が冬アニメとして絶賛放送中。
本作は、ラブコメとも青春恋愛モノとも、違う独特な路線を走るアニメとして話題になっています。その独特な路線とは、まさかの教育系路線。
<画像引用元:http://tomozaki-koushiki.com/ より引用掲載 ©屋久ユウキ・小学館/「弱キャラ友崎くん」製作委員会>
このアニメでは、コミュニケーションを苦手としているボッチ系主人公が、学園一リア充のヒロインにリードされ、ゆくゆくはリア充なっていく様子が描かれ、「脱コミュ障のためにはどうすればいいのか?」そして「脱コミュ障のための実践」がメインテーマとなっています。
この「脱コミュ障のためにはどうすればいいのか?」が非常に丁寧に描かれており、地味に勉強になると絶賛話題沸騰中! また、それを不器用な主人公が実践してくれることで、イメージが付きやすいと好評です。
◆コミュ障改善! 陰キャから陽キャを目指すアニメ『弱キャラ友崎くん』とは?
<画像引用元:http://tomozaki-koushiki.com/story/ より引用掲載 ©屋久ユウキ・小学館/「弱キャラ友崎くん」製作委員会>
『弱キャラ友崎くん』は、ストーリーを一貫して、陰キャ(弱キャラ)が陽キャ(強キャラ)を目指す姿が描かれています。本作のジャンルはラブコメに該当しますが、序盤のラブ要素は殆どなく、基本はコメディ要素ともう一つの要素が中心になっています。
そのもう一つの要素というのが、脱弱キャラ講座。要するに「弱キャラから強キャラになるためにはどうすればいいのか?」ということを、強キャラであるヒロインが1から教えてくれます。
この脱弱キャラ講座が他の作品にない特徴であり、本作の魅力。誰もが当たり前にやっているようで、時には疎かにしてしまいがちなことを丁寧に教えてくれています。それはもう一種の教育番組ではないかと思ってしまうほどで、コミュニケーションが苦手な人は本作を観ることで気づくことが多いかもしれません。
<画像引用元:http://tomozaki-koushiki.com/story/ より引用掲載 ©屋久ユウキ・小学館/「弱キャラ友崎くん」製作委員会>
『弱キャラ友崎くん』の主人公は、ゲームで例えると弱キャラと言っても差し支えないほど、微妙なステイタスをした人生負け組。学校では目立たないキャラで、いわゆるボッチ。
「この世界は生まれた時のステイタスで全てが決まるクソゲーだ」
と蔑んでしました。
「人生を楽しめるのは、強キャラに生まれたから」
そんな風に考えていた主人公は、学校一の強キャラであり最高にリア充であるヒロインと予想外の出会いをします。全く偶然でしたが、この出会いによって主人公は人生の見方を変えることに!?
「クソゲーだと思っていた人生は、思ったほどクソゲーではなかった」
……。
ネガティブだった主人公が、人生の見方を変え徐々に卑屈ではなくなっていくことが本作の最大の見どころ。序盤こそは、斜に構えた主人公でしたが、ヒロインやクラスメイトに関わっていくことで、そういった考えは減っていく。強キャラへ近づいていく様子がとてもよく描かれています。
また、ネガティブな一面があるわりに比較的素直なのもこの主人公の特徴であり、彼を好きになれる要素の一つです。
本作では、そんな主人公が一足飛びでリア充になるのではなく、不器用ながら一歩ずつ歩んでいく様子に好感が持てます。
◆意外にも学ぶことが多い?『弱キャラ友崎くん』に登場したコミュ障改善のヒント
<画像引用元:http://tomozaki-koushiki.com/story/ より引用掲載 ©屋久ユウキ・小学館/「弱キャラ友崎くん」製作委員会>
「人生は複雑な要素が絡み合っているようで、単純なことの連続だ」
と語るヒロイン。しかし、単純なことのようで難しいのが人生や、コミュニケーションですよね。簡単だと言われ「はい、そうですか」とはいきません。
「結局どうすればいいんだ?」と疑問に思う方もいるでしょう。『弱キャラ友崎くん』では、そんな人生についての考え方や、コミュニケーションのノウハウを主人公へのヒントとして紹介しているエピソードが盛りだくさん。特に序盤では、コミュ障改善が脱弱キャラ講座の中心。それらの中には「確かにそうだ」「意識してないけど大事」というモノがたくさんあり気づくことも多いです。
ここでは、作中で登場したコミュニケーションのヒントになる考え方を紹介していきます。
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▼「人間の見た目で重要な要素は、表情と姿勢」
<画像引用元:http://tomozaki-koushiki.com/story/ より引用掲載 ©屋久ユウキ・小学館/「弱キャラ友崎くん」製作委員会>
初期ステイタスが低い、つまり見た目が悪いから強キャラにはなれないと嘆く主人公にヒロインが最初に行った脱弱キャラ講座は綺麗な姿勢を保ち、笑顔でいること。それだけで強キャラに近づけるとヒロインは断言します。
一見、コミュ力と全く関係のなさそうな要素にも思えますが、これって結構重要な要素ですよね。例えば、お店の店員さんで考えてみてください。姿勢が悪く、暗い表情の店員さんと、姿勢がよく、明るい表情の店員さんどっちに話しかけやすいでしょうか。明るい店員さんの方が話しかけやすいと答える方が大多数のハズ。
特に表情などは、人と会話をしないと凝り固まり暗くなるモノ。いきなりコミュニケーションの練習ではなく、コミュニケーションをしやすい表情作りから始める大事さを教えてくれているワケです。
▼「会話を上手く回すには、新しい話題を出すこと、会話を広げることが大切」
<画像引用元:http://tomozaki-koushiki.com/story/ より引用掲載 ©屋久ユウキ・小学館/「弱キャラ友崎くん」製作委員会>
ヒロインのグループを観察していた主人公は、そのグループメンバーそれぞれに会話を回す役割があることに気づきます。
ある人は、常に新しい話題を提供し、ある人は、その話題を広げる役目。そこに気づいたとヒロインに伝えた主人公は、会話を上手く回す練習として、
・日常の会話を振り返り反省するようにすること
・日頃から常に話題をストックしておくこと
・話題に困ったら服装や表情について話すこと
3つのヒントをもらいます。これって当たり前のことのようで、継続したコミュニケーションにはとても大事な要素ですよね。
例えば、無限に話題が出てくる人っていますよね。そういう人は、普段から何かを見たり感じた時、人に話したい伝えたいと強く記憶しているのでしょう。もしかすると、会話を上手く回せない人は、話題のストックが不足しているのかもしれませんね。
これらはコミュニケーション初級と言えばそうですが、意外にも会話が苦手な人はできていないことが多いのではないでしょうか。
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『弱キャラ友崎くん』では、こういったコミュニケーション講座や対人関係講座などが、コミカルなエピソードと共に紹介されています。まさに、観るだけで勉強になるアニメと言えるでしょう。
◆少しの努力でここまで変われる! コミュ障が改善されていく主人公のビフォーアフター
ここからは、ヒロインの脱弱キャラ講座を受けた主人公が数話で、どれだけ変わったのかを紹介していきます。一目見るだけでも、主人公のランクが上がっているように感じるのではないでしょうか。
第1話でこれだった主人公が、
▼ビフォー
<画像引用元:http://tomozaki-koushiki.com/story/ より引用掲載 ©屋久ユウキ・小学館/「弱キャラ友崎くん」製作委員会>
▼アフター
<画像引用元:http://tomozaki-koushiki.com/story/ より引用掲載 ©屋久ユウキ・小学館/「弱キャラ友崎くん」製作委員会>
第4話で、これですからね。
まさに「お前誰だよ」状態。髪の長さを変え、表情に影がなくなるだけでもかなりのイメチェンです。
それだけでなく、主人公の服装も大きく変化しています。
初めてヒロインと会った頃の主人公は、
・寝癖の付いたボサボサの髪
・アイロンのしていないしわくちゃのシャツ
・裾がボロボロのジーンズ
・泥だらけのスニーカー
といったルックス。
その姿を見たヒロインからは「こんなうだつの上がらない人物だったなんて最悪」「人と合う時の最低限ができていない」と酷評されます。
次のデートでは、それら全てが改善。ヒロインからは「少しは進歩した」と褒められるまでになります。
これらは、人が目を向けやすい注意点ですよね。そして、少しの努力で変えることのできるポイントでもあります。
もしかしてコミュニケーションが苦手な方の中に、寝癖が付いたまま人に会っている人はいませんか? シャツのアイロンは毎日していますか? 服の裾や襟は破れていませんか? 靴はキレイな状態ですか?
『弱キャラ友崎くん』のヒロインが言うには、これらができていないと人に会える最低限の準備ができていないそうです。
それらを振り返るいいエピソードなのではないでしょうか。油断していると、すぐにここら辺がだらしなくなってしまう人は多いでしょう。人と会う時は、見直してみるのがいいかもしれませんね。
また、主人公は見た目だけではなく、人間関係も少しずつ構築していきます。
コミュニケーションが苦手な主人公はヒロインから、ある女子に1日2回以上話しかける課題を言い渡されることに。今まで話したことのない女子に話しかけるという、とんでもなく高いハードルに主人公は大苦戦。最初は、意味不明な話題を振り、相手の女子を困惑されていました。
<画像引用元:http://tomozaki-koushiki.com/story/ より引用掲載 ©屋久ユウキ・小学館/「弱キャラ友崎くん」製作委員会>
その様子は観ている側としても、痛々しく感じるほどでしたが、ソフトコミュニケーションを続けていく内にある共通点から、なんとその女子から相談を持ちかけられるまでに昇格します。
ここで紹介されたヒントは、微かでも繋がりがあると変化が期待できるということ。そして、ある女子の評価が上がると自然と他の女子からの評価も上がるというもの。女子の友達が1人いるだけで、他の女子とのコミュニケーションの取りやすさが大きく変わってくるというものです。
――『弱キャラ友崎くん』で紹介されているヒントは、本当に小さなことばかりで、実際にできることも多いです。そのため、実践すると意外にも効果を発揮するものも多いのではないでしょうか。
コミュニケーションに困っている方は試してみてみるのもいいかもしれません。
〈文/天乃ひる〉
©屋久ユウキ・小学館/「弱キャラ友崎くん」製作委員会