そろそろ、今季アニメも終わりの時期。すでに来季のアニメに向けて情報を集めている方もいるでしょう。
来季は2021年冬アニメとなりますが放送予定では、どうやら2期や続編アニメが非常に多いようです。
人気作品である『Re:ゼロから始める異世界生活』『転生したらスライムだった件』『五等分の花嫁』などの2期続編も放送を予定しているので、楽しみにしている方も多いでしょう。激戦区となることが予想される続編枠ですが、すでに話題になっているこれらの有名作品以外にも期待の作品が多々あります。ですが、全てを観ていないという方も多いでしょう。
<画像引用元:https://hataraku-saibou.com/1st/ より引用掲載 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction>
続編系のアニメは途中で面白いと聞いても、リアルタイム放送中に1期を見返していてはなかなか追いつけません。そこで、今回は2021年冬に放送される「えっ!? このアニメ続編やるの?」と言ったちょっと忘れられていそうな、でも面白いアニメを紹介します。
◆実際の授業でも使われるほどリアルなアニメ『はたらく細胞!!』
<画像引用元:https://hataraku-saibou.com/ より引用掲載 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction>
最初に紹介する作品は『はたらく細胞』。
この作品は2018年に放送され、楽しく体の構造がわかると話題になったアニメです。放送後も一部学校などで、この『はたらく細胞』を理科の教材にするなど話題を集めていました。しかし、放送から2年も経ち、丁度存在を忘れた頃なのではないでしょうか。
しかも、『はたらく細胞』は2021年冬に2期が放送されるのと同時期に、『はたらく細胞BLACK』という別アニメも放送されます。
『はたらく細胞』を予習しておけば、2つの作品が楽しめます。これは見逃すわけにはいきません。
1つの予習で2度美味しい『はたらく細胞』を今回は最初に紹介したいと思います。
『はたらく細胞』は、人の体の中に存在する何十兆個もの細胞を擬人化した物語。人が怪我をした時、病原菌が体内に侵入した時「体はどのような反応をするのか」を擬人化したキャラクターを通して物語にした作品となっています。
そんな『はたらく細胞』の魅力は、まずなんと言ってもキャラの可愛さです。どのキャラもデフォルメされ可愛らしいのですが、放送当時は特に、血小板を擬人化したキャラである血小板ちゃんが非常に可愛いと人気を集めていました。
<画像引用元:https://hataraku-saibou.com/1st/story/?story=2 より引用掲載 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction>
その人気は、Google画像検索でも現れており「血小板」と入力すると、本当の血小板ではなく、『はたらく細胞』の血小板ちゃんが1番に出てきてしまうほど。血小板という本来は全く想像もつかない細胞がこれほど人気を集めるのは、キャラが可愛いからに違いありません。
工夫は他にもあり、キャラたちは個別の名称はなくそれぞれの細胞の名前で呼ばれています。例えば、赤血球や白血球といった感じです。また、それぞれのキャラはその役割に似合ったデザインにデフォルトされ、顕微鏡などで見ることのあるよくわからない形をした細胞よりも親しみやすくなっています。
人の細胞という生物の勉強のように感じられる内容をストーリーにしておきながら、これほど人気を集めているのは、物語に上手くキャラを落とし込めている点が大きいのでしょう。
<画像引用元:https://hataraku-saibou.com/1st/story/?story=2 より引用掲載 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction>
他の魅力としては、それぞれの事件をコミカルに描いている点が上げられます。怪我をする、病原菌が侵入するといった本来は、イメージし難い場面を比喩表現のように描くことで、とても理解しやすくなっているのです。
その上、事件一つ一つは人間が生きていれば当たり前に経験するなんでもないようなことも、この『はたらく細胞』では、凄く大げさに表現されており、そういった部分がギャグのようで面白くもあり、細胞くらいのスケールになるとこういった見方もできるのかと感心できる部分にもなっています。
また、『はたらく細胞』は可愛らしく面白いだけではありません。観ているだけでちょっとした勉強や豆知識になるので、少しでも体のことに関心がある方は観てみるのもいいのではないでしょうか。
◆豊かな感情描写に定評のあるアニメ『BEASTARS』
<画像引用元:https://bst-anime.com/ より引用掲載 ©板垣巴留(秋田書店)/BEASTARS製作委員会>
次に紹介する作品は『BEASTARS』。
この作品、放送当初はそれほど注目されていませんでしたが、回が進むごとに「今季のダークホースだ」と話題になった作品です。他の続編作品と比較すると知名度が高いとは言えませんが、とても面白い作品なので今回紹介したいと思います。
作品のあらましは、擬人化された動物たちが人間のように暮らしている不思議な世界を描いた物語。日常系とも言える作品なのですが、ゆるふわな日常系ではなくかなり情緒的な物語です。
動物たちが主人公であるため、ディズニーにあるようなアニメを想像される方もいるかもしれません。しかし、『BEASTARS』ではよりリアルでダークな感情的問題が描かれることが特徴です。
主に人間関係をならぬ、動物関係のいざこざや、そこで発生する感情的問題が描かれており、ヒューマンドラマが好きな方にオススメの物語となっています。
そんな『BEASTARS』の大きな注目ポイントは、肉食動物と草食動物が一緒に暮らしている点。自然界では、絶対に相容れないこの2つの種族が共生しています。
<画像引用元:https://bst-anime.com/story/01.php より引用掲載 ©板垣巴留(秋田書店)/BEASTARS製作委員会>
しかし、ただ共生しているわけではなく……。肉食動物は食肉本能を我慢しつつ草食動物と暮らし、草食動物は本能的に肉食動物に恐怖を覚えながら暮らしているという、いびつな生活が描かれています。
そのため、表面上は平和に暮らしているように見える動物たちですが、その裏では不満と我慢、不安と恐怖などといった感情が渦巻いており、これらの感情が引き起こすドラマが物語の魅力となっています。
また、魅力的なのが肉食動物と草食動物の恋を描いている点。本来なら捕食者と被食者という相容れない関係ながらも恋愛は成立するのか……。この相手への興味は食欲ではなく、恋愛感情と言えるのか……。
<画像引用元:https://bst-anime.com/story/08.php より引用掲載 ©板垣巴留(秋田書店)/BEASTARS製作委員会>
そういったヒューマンドラマでは、テーマにされることの内斬新な物語となっています。
ヒューマンドラマが好きだが、少し別の刺激が欲しいといった方にピッタリの作品と言えるかもしれません。
もう一つの特徴として上げられるのが、CGで描かれている点です。『BEASTARS』は『宝石の国』などで有名なCGアニメーションを手掛けるオレンジが制作したアニメ。そのため、全編がCGで描かれています。
CGと言えば、のっぺりとした動きを思い浮かべる方も多いですが、『BEASTARS』ではそのようなことはなく、動物の特徴をよく表現したこだわりの感じられるCGなのが魅力です。
また、『BEASTARS』では人間が登場せず、擬人化された動物たちばかりが描かれるため、CGに対する違和感がほとんどありません。観ている内に「こんなものか」と受け入れてしまうほど自然なCGを使っています。それらの特徴から、今まで「CGアニメはちょっとなぁ」と思っていた方でも受け入れやすいでしょう。
興味がある方、それに1期放送中は見逃したという方も、この機会に視聴してみてください。
◆ゲーム世界転移アニメの先駆者『ログ・ホライズン 円卓崩壊』
<画像引用元:https://www6.nhk.or.jp/anime/program/detail.html?i=loghorizon2 より引用掲載 ©橙乃ままれ・KADOKAWA/NHK・NEP>
最後に紹介する作品は『ログ・ホライズン 円卓崩壊』。
この作品は2期ではなく3期なのですが、2021年冬続編アニメの中でも、ぜひ観てほしいアニメなので紹介したいと思います。
『ログ・ホライズン』は2013年に1期が放送。2014年に2期が放送と、今回の第3期から非常に時間が空いている作品です。そのため、実に6、7年ぶりの続編となります。「懐かしい」と感じる方や「やっと続きを観ることができる」と思う方も多いのではないでしょうか。また、これだけ期間が空けば、そもそも『ログ・ホライズン』を知らない方もいるでしょう。
そんな『ログ・ホライズン』の特徴は、なんと言ってもリアルなゲーム世界に取り込まれてしまったストーリー。ただ、ゲーム世界に囚わるストーリーでなく、ゲームだった頃の世界と取り込まれた後の世界ではシステム的に異なる点があり、手探りで世界の法則を調べていくといった丁寧なストーリーが人気を集めました。
また、主人公だけがゲーム世界に取り込まれるのではなく、他にも多くのキャラが取り込まれ、全世界的に数千人がゲーム世界に取り込まれます。そのため、主人公が物語最強というわけではなく、主人公以外に最強のプレイヤーや強大なクランが存在し、競合するといったストーリーが特徴です。
<画像引用元:https://www6.nhk.or.jp/anime/program/detail.html?i=loghorizon2 より引用掲載 ©橙乃ままれ・KADOKAWA/NHK・NEP>
類似作品である『ソードアート・オンライン』との違いは、ゲーム攻略の概念があまり存在せず、その世界で生活するため世界に順応していくストーリーや、プレイヤー同士がどのようにして秩序を保っていくのかといったストーリーが中心になること。人によってはデス・ゲーム要素が強い『ソードアート・オンライン』よりも、世界の秘密に迫る冒険者っぽい『ログ・ホライズン』の方が好みかもしれませんね。
他の特徴として上げられるのが、主人公です。『ログ・ホライズン』の主人公はいわゆる軍師や参謀のようなポジションで、主人公としては珍しいエンチャンター。そのため、近接戦ではなく、支援や指示が主な役割。戦闘面では少し華に欠けますが、主人公は頭脳や機転で多くの活躍をします。
<画像引用元:https://www6.nhk.or.jp/anime/program/detail.html?i=loghorizon2 より引用掲載 ©橙乃ままれ・KADOKAWA/NHK・NEP>
「冷静なキャラ」「策略を練るキャラ」「腹黒いキャラ」「頭脳が周囲に認められるキャラ」が好きな方にはオススメの主人公です。
また、この作品が他のゲーム世界作品と一線を画する面白さを発揮するのが、現地人(ゲーム世界に元々いる人々)の存在です。特にプレイヤーと現地人で問題になる事柄がよく描かれており、非常に考えさせられる話が多くなっています。
現地人とプレイヤーとの話し合いも、ストーリーでは重要になってくるので、政治的な駆け引きが好きな方にもオススメと言えるでしょう。
『ログ・ホライズン』は、1期、2期が25話ずつと大変長いシリーズなので、3期を観るためには、少し時間がある年末年始に見返しておきたいですね。
――以上が、2021年冬に放送される予習しておきたい続編アニメになります。
観たいと思えるアニメはありましたか?
どのアニメも、来季期待の作品なので、年末年始の時間があるときにでも見返してみてはいかがでしょうか。
(Edit&Text/天乃ひる)
©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
©板垣巴留(秋田書店)/BEASTARS製作委員会
©橙乃ままれ・KADOKAWA/NHK・NEP