<この記事にはTVアニメ『進撃の巨人』と原作漫画『進撃の巨人』のネタバレが含まれます。ご注意ください。>
エレンの地鳴らしには意味があった──?
巨人を操る「地鳴らし」でマーレ大陸へ攻撃を始めたエレン。しかし、大量殺戮を決めながらも、被差別民として暴行を受ける少年を助け、「ごめん」と涙する姿もありました。泣くほど苦しいのに、なぜ「地鳴らし」を行ったのかいくつかの説が考えられます。
壁の外への「自由」を求めていた純粋なエレンが、大量虐殺に踏み切ったきっかけはいつだったのでしょうか?
◆生家の地下室で「壁外に人類がいる」と知ったとき
<画像引用元:YouTubeチャンネル『ぽにきゃん-Anime PONY CANYON』より ©諫山創・講談社/「進撃の巨人」The Final Season製作委員会>
エレンが「地鳴らし」を意識しだしたのは、父が隠してきた地下室で真実を知ってからという説もファンの間ではまことしやかに語られています。
エレンにとって壁の外は自由の象徴でした。しかし父が残した地下室から、マーレ大陸の存在や人類の歴史を知ることになります。
記されていたのは、アルミンから教えてもらった冒険譚とは異なる残虐な内容。外の世界が、想像していた存在とは違うのだと目の当たりにしました。
それまで彼の原動力となっていた、巨人を駆逐すれば自由や平和が手に入るという希望を失った瞬間だったのではないでしょうか。
また、知性を持った巨人を引き継ぐことで、前任者の記憶とも繋がるようになります。壁外の巨人を駆逐し、初めて海を見たエレンは父親の記憶とすべてが一致していることに複雑そうな表情をしていました。
たとえ巨人を駆逐しても、海の向こうの人間が攻めて来て、自由も平和も脅かされるという確信は強まる一方だったのではないでしょうか。
その証拠に、海の向こう……マーレ大陸を指差し「向こうにいる敵、全部殺せば自由になれるのか?」とミカサやアルミンに問いかけています。
このときから、「地鳴らし」を意識していたともいえるでしょう。