『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』は何度観ても十分楽しめる作品。注目するところは数多くありますが、改めて視聴し直すなら、まず私が注目してほしいのは99期生のお母さん的ポジション。みんな大好き大場ななこと通称ばなな。
すでに視聴済み。スタァライトした方なら分かると思いますが、ななの活躍は間違いなくこのアニメの大きな盛り上がりポイントの一つでしょう。
本記事では大場ななに注目しTVアニメ『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』を振り替えりたいと思います。ネタバレになるので、まだ視聴してない方は注意!
TVアニメ『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』における大場ななの立ち位置とは?
はじめにTVアニメ『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』における大場ななについて振り返っていこうと思います。
序盤のななはスマホのカメラ機能で99期生の日常を撮影するシーンや得意のばなな料理を振る舞うシーンなど。まさにみんなのお母さんといった印象でした。
少しアニメから脱線しますが、スタァライト九九組が歌った「よろしく九九組」の歌詞には
みんなが大好き大場ななna~♪
とあるので、まさにみんなのことが大好き。みんなもななのことが大好き。といった関係で間違いないでしょう。
TVアニメ『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』は99組の9人が、昼は共に学校で学ぶ仲間として、夜はトップスタァを目指すライバルとして闘う。といった展開が基本的な構成となります。では、みんなのお母さんといった印象を持つななはどのような目的でレヴューに参加しているのでしょうか? 物語中盤である第7話大場ななでそれが明かされます。
99期生のことが大好きであるななは、1年前に行われた第99回聖翔祭「スタァライト」が忘れられず、時を戻すことにより再演し続けていました。つまり1話から6話は、なながレヴューに勝ち残り、トップスタァになったあとの話であり、おおよそ何が起こるのかをななは知っていたことになります。
このことを理解したうえで、改めて1話から6話に注目して欲しい! ななのセリフの中には、この展開をにおわせるものが多く、また違った視点から『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』を楽しめるでしょう!
先日発売されたTVアニメ『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』のBlu-ray BOX 1にはキャストのインタビューが収録された冊子が封入されていますが、その中で大場なな役の小泉萌香さんは、ななが時間を戻っていることを知らされていた上での収録であったため、「第1話から第6話のセリフにはカギ括弧にて協調されているものがいくつかあったんですよ。自分で言って鳥肌が立っちゃった(笑)」とありますので、その演技にも是非注目したい!
再演し続けるななの心情。孤独のレヴューにて考察!
『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』の見どころの一つはなんといっても舞台少女たちの熱い想いや激しい殺陣が売りのレヴューです。その中で最も派手な演出がとられたであろう8話の「孤独のレヴュー」は視聴者を見事スタァライトさせたことでしょう!
孤独のレヴューは第99回聖翔祭に拘り時を戻し続けるななと、華恋との約束を果たすために転校してきたひかりの対決となります。この孤独というキーワードはななとひかりに共通している部分ではありますが、今回はななに注目して考察したいと思います。
孤独のレヴューは、ななが視聴者に対して初めて披露するレヴューでもあります。彼女が初めてトップスタァになった際の様子は7話で少し披露されていますが、前回の99回聖翔祭で主演であった真矢に「これがあなたの本気……。」と言わせ、おそらく圧倒するほどの強さです。この展開には私も口が開きっぱなしだった記憶が。
ななは二刀流を巧みに扱い、ひかりを序盤圧倒していきます。そんな中レヴュー中に流れる曲の「RE : CREATE」。ななの孤独について強く触れている歌詞が以下となります。
悲しみで廻る世界にさよならを
大事な人たちを守って
そして何度も何度も
絶望の前で折り返す
ななが時を巻き戻す。再演し続ける理由は、みんなで作り上げた99回聖翔祭「スタァライト」が忘れられないから。またスタァライトは最後に必ず別れる悲劇という脚本です。
99期生みんなのことが大好きであるななは、時を巻き戻し、楽しい思い出を繰り返すことがみんなを守ることになると考えたのでしょう。同じような日常をたった一人孤独に繰り返し続けていた。ななの心情を考えるととても切ない。
未来が変わったことで、ななにも変化が!
ななはひかりに孤独のレヴューで敗れ、その後の絆のレヴューでも華恋に敗れます。そのためトップスタァになることで、時を巻き戻し続けるという日常にも、とうとう終わりがやってきます。
はじめは再演が途切れてしまうことに落ち込むななでしたが、ルームメイトでもある純那との会話で心情に変化が出てきます。
なな「欲張りすぎたのかな。あの一年がもっと楽しく、もっと仲良くなれるように。再演のたびに少しずつセリフをいじったり、演出を加えたりした」
純那「あなたもちゃんと舞台少女なんじゃない。もっといいものに。もっといい再演に」
ななは一見過去にとらわれていたように見えるが、舞台少女としてより良いものを目指すという姿勢をもっていたことを純那に気づかされます。これを機に、ななは次の舞台を目指すようになり、心情も大きく変化してことでしょう。もしも今後アニメ2期の放送があるならば、そのときのななはきっと未来だけを見ているハズ!
――『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』を大場ななに注目して、振り返ってみましたがいかがだったでしょうか? ななは視聴者の予想を良い意味で狂わせたキャラだったと思います! きっと私の考えと同じく、ななに注目して改めて1話から見直した方もいるのでは?
『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』は9人の舞台少女をメインに作られる物語であり、それぞれのエピソードがよく練りこまれている印象なので、どのキャラに注目しても新たな発見や面白さを見つけられるハズ。このスタァライトチャンネルの無料配信期間等を生かして、自分の推しに注目しながら複数回視聴してみてはいかがでしょうか?
(Text/宮木昴 Edit/水野高輝)
少女歌劇レヴュースタァライト 公式サイト
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