主人公目線で自分を磨きながらステータスと相手の好感度を上げ、お目当てのヒロインとの恋愛エンドを目指す――
今では当たり前の恋愛シミュレーションゲームですが、その先駆けと言えば何といっても『ときめきメモリアル』(以下、ときメモ)ではないでしょうか。
1994年にKONAMIから発売されたこのゲーム、なんとPCエンジンSUPER CD-ROMのソフトだったんです!
まだ「恋愛ゲーム」というものがメジャーではなかった当時、『ときメモ』とメインヒロイン・藤崎詩織の存在は、プレイヤーに強い衝撃と新風を巻き起こしました。
今回はこの伝説のゲーム、『ときメモ』で不動の地位を築き上げた藤崎詩織を筆頭に、一癖も二癖もある個性的なヒロインたちを時間のある限り紹介します!
彼女がいないと始まらない! 高嶺のヒロイン「藤崎詩織」
まずは何と言ってもメインヒロインである、藤崎詩織を語らない訳にはいきません!
主人公とは小学校からの幼なじみで家も隣同士という鉄板設定を備えた彼女。昔は仲良しでいつも一緒にいたのに思春期に入ってからは疎遠になっていたようで……。詩織は他のキャラクターと違って登場のとき条件がなく最初から出てくるのですが、当初のよそよそしさと言ったら!
あれ? 幼なじみだよね、私たち……。
という位のそっけなさ。むしろただの同級生の方がもっと話せるんじゃないかと思う位のそっけなさ。
でもそれもそのはず。詩織はきらめき高校のアイドル的存在なのです。下記をご覧ください。
・容姿端麗
・成績優秀
・スポーツ万能
・品行方正
・誰にでも優しい
と、いったようにほぼ完璧に近い女性(最後の項目は私には当てはまっていないようにも思いますが)。当然モテモテです。
ではこの幼なじみ特権の通用しない難攻不落の詩織を射止めるにはどうしたらいいのか……
そうです、とにかく寝ても覚めても自分を磨くしかありません!
そもそもこのゲームの目的は自分のステータスをあげながら好感度をアップし、意中の相手と様々なデート、イベントをこなしながらそのハートを掴み、卒業式に伝説の木の下で告白してもらうこと。
『ときめきメモリアル=ときメモ』には多くのヒロインが登場しますが、ヒロインごとに好みのタイプ(ステータス)が異なっており、好きになって貰うためには落としたい相手好みの男になるしかないのです。
当然、詩織にも理想のタイプ=ステータスがあるのですが、これが……、とんでもなく高くて!!!!
私に与えられた期間は高校入学~卒業までの3年間。その間に詩織好みの男になり詩織が好むデートを演出し、詩織が好む会話を繰り広げないといけないのです……が。
詩織好みの男になるためにはわき目もふらず3年間、ひたすらステータスを上げ続けてようやくクリア出来るか出来ないか、それくらい高いのです。
なんて仕打ちだ!
彼女の元に足しげく通いデートを重ね、ステータスをあげて行くことで、2年生になる頃には詩織も頬を赤らめてくれるようになります。
やった! これは脈あり!! と思って尚も頑張る主人公(私)。
誕生日を一緒にお祝いし、クリスマスはロマンチックなデートをして、バレンタインデーには恋する乙女の顔をした詩織からチョコレートを貰います。
3年生になる頃には詩織はすっかり主人公に夢中なので自分から頻繁にデートに誘いに来てくれます。
はたから見たらもう立派な恋人同士といっても過言ではない二人……がしかし!!!
ここで油断して少しでもステータス上げを怠ってしまうと、卒業式の時点で詩織の理想を満たすことが出来ず、彼女からあっさりと切られてしまいます。
当然、伝説の木の下には来てくれません。とぼとぼと帰宅すると、そこには好雄が。
そうです、『女々しい野郎どもの詩』を歌うことになるんですよ……。まさに「乙女心と秋の空」を地で行く詩織。でもそんな理不尽な仕打ちに遭っても何故か許してしまう魅力があるんです。どんな目にあっても好きだから、やっぱり伝説の木の下に来てほしい、告白してほしい! と夜な夜な徹夜してステータス上げに勤しむ男たち。……私もやりました。
●●だと思っていたら……意外性抜群のヒロイン「伊集院レイ」
次はゲーム内での隠しキャラ的ポジション①、意外性では右に出る者なしの異色のヒロインを紹介します。
上の画像の右上を見てください! 彼女がヒロインです!!
ん? 好雄の妹の早乙女優美のこと? 別に異色じゃないじゃん、イチゴ柄のTシャツ着てるだけじゃん、というそこのあなた。
違います、優美のことではありません。イチゴTシャツの上にもう一人いませんか?
そう、あの学ランを来た金髪の男子、伊集院レイこそが隠しキャラトップツーの一人なんです。
……ああ、そういうこと。あの時代からボーイズラブだなんてKONAMIさんやるなぁ、って違いますよ!
伊集院レイはれっきとした女の子です。といっても恋愛フラグをクリアして伝説の木の下に来てくれるまで女の子らしさはほぼ皆無なのですが……。
きらめき高校理事長の孫で大金持ちの家に生まれたレイ。伊集院家に生まれた女の子は家の外では男の子として生活しなければならないというしきたりがあるそうです。
なんてルールだ!
当初からレイは主人公に対して冷たい態度をとりかなり横柄なので、この秘密を知らなければただ嫌いなだけだったと思います。
理事長の孫で大金持ち……本当に男だったら主人公のライバル的立ち位置になり詩織を含めヒロインを根こそぎ持って行かれることでしょう。女子でよかったよ(心から)。
まさに君の名は状態! 会いに行けないヒロイン「館林見晴」
ラストは隠しキャラ的ポジション②、画像左下にいる緑色の髪の少女、館林見晴。
実は彼女、入試の時に主人公と出会って一目ぼれしているんです。ゲーム中で唯一、最初からベクトルが自分に向いている相手。これは直ぐに仲良くなれるんじゃ、だって私の事好きなんでしょ? と思いますよね?
だがしかし! よく考えてみてください、彼女は隠しキャラなんです。
言葉の通り、隠れているんです!!
校内で度々ぶつかってきたり、人違いを装って他のヒロインとのデート先に出没したり、モブに紛れていたり、間違い電話を装って留守電にメッセージまで入れてくるという……世が世ならストーカー認定されてしまうほどの惚れっぷり。
条件を満たすことで彼女と会える頻度が増えてきます。でも会話が出来る訳でもなければデートイベントがある訳でもない。彼女の名前だって恋愛フラグをクリアして伝説の木の下に来てくれるまで分からないのですから……。
なんて相手だ!
元々は他のヒロインが落とせなかった場合の救済用にと設定されたキャラクターらしいのですが、私は他のヒロインを狙って失敗した時、伝説の木の下に見晴が来てくれたことは一度もありません。
ただ家に帰って好雄と歌を歌うラストを繰り返しただけです。
可愛いのになぁ、来てくれればいいのに……見晴。
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【番外編】
ちなみに、他のステータスに目もくれずスポコン少女・虹野沙希ちゃん狙いでムキムキのマッチョを目指していると、毎年開かれる伊集院家のパーティーで、門の前の黒服(♂)に熱い視線を送られます。
その後、イケメンじゃなくても会場に入れてくれるなど特別扱いをして貰えるようになり、3年間それを繰り返すと……やるなぁKONAMIさん、という展開に(はギリギリなりません)。
気合を入れて臨んだ割に三人(+黒服)しかご紹介できませんでしたが、他にも個性あふれるキャラクターが勢ぞろいの『ときメモ』。攻略キャラクターは総勢13人です。
機会があれば是非! 恋愛シミュレーションゲームの老舗ならではの魅力を味わってみてください。
(Edit&Text/彩乃)
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