アイドルをテーマにした作品は、アニメジャンルの中でも人気の高いジャンルです。放送から数年経過した今でも根強い人気のある『ラブライブ!』、『THE IDOLM@STER』や、放送から10年以上経っている『マクロス』シリーズのように幅広い年代でアイドルものは人気があります。
▲画像引用元:https://oshibudo.com/ より引用掲載 ©平尾アウリ・徳間書店/推し武道製作委員会
『推しが武道館いってくれたら死ぬ』も同じようにアイドルをテーマにしたアニメなのですが、なんと! 煌びやかなアイドルではなく、アイドルを追いかけるファンたちの活動に注目した作品になっているのです!
今回はそんな『推しが武道館いってくれたら死ぬ』の一味違ったストーリーに注目し、紹介していきます。
アイドルではなく、追っかけるオタクにフィーチャーした作品
▲画像引用元:https://oshibudo.com/story/#/01 より引用掲載 ©平尾アウリ・徳間書店/推し武道製作委員会
『推しが武道館いってくれたら死ぬ』はアイドルを題材にしながら、アイドルではなく、アイドルを追いかけるファンに注目した作品です。
モチロン、アイドルたちの活躍もありますが、主に焦点が当てられているのは普段画面端にいがちなオタクたち!
本作は他のアニメだとモブになりがちな彼らのアイドルへの思いや、ファン活動にかける情熱を描きつつ、所々に共感できるエピソードや笑える出来事を盛り込んだ作品です。
アイドル活動はアイドルが主役であることはモチロン、それを応援するオタクたちも主役なのだと教えてくれる作品になっています。
▲画像引用元: https://oshibudo.com/ より引用掲載 ©平尾アウリ・徳間書店/推し武道製作委員会
主人公・えりぴよは、ある日偶然にも参加したアイドルグループ「ChamJam」のライブに感激し、グループメンバーである舞菜の熱狂的なファンになります。
ドルオタといえば男性と根強いイメージがありますが、この作品の主人公であるえりぴよは女性となっています。そんな数少ない女性オタクである彼女は、女性でありながら男性にも負けない、むしろ男性よりも情熱的なファン活動だと周囲のオタクたちを引かせている一面も……。
周囲を引かせる、えりぴよの舞菜愛がどのくらい凄いのかと言いますと、舞菜がイベントで今、欲しい物を短冊と答えた時は、短冊を笹ごとあげたり、万札を短冊替わりに書くのをやめるようオタク仲間から止められてしまうほど……。
そもそも、舞菜が本当に欲しかったのはファンレターなのです。しかし、ファンレターが欲しいと言ってしまえば、えりぴよがとんでもなく長いファンレターや札束をファンレターにしてしまう可能性を考えた彼女は、負担の少ないであろう短冊と答えることに……。
このように、えりぴよはアイドル本人やオタク仲間からもその異常さを警戒されるほどの舞菜愛を発揮します。
周囲が引くほどの愛を振りまいているえりぴよですが、不思議と視聴していても暑苦しくなったり、見苦しくなったりはしないのです。これは、主人公が綺麗な美女であることが原因かもしれません。『推しが武道館いってくれたら死ぬ』は、オタク活動をしているのが美女であると不思議とキレイに見えること教えてくれる作品でもあります。
アイドルとファン、禁断の恋愛!? しかも百合!?
▲画像引用元:https://oshibudo.com/ より引用掲載 ©平尾アウリ・徳間書店/推し武道製作委員会
『推しが武道館いってくれたら死ぬ』はアイドルとファンの愛を描いた一種の恋愛アニメであるとも言えます。
えりぴよの舞菜へ愛は自身の収入のほぼ全てをファン活動に捧げ、いついかなる時でも最前列で舞菜を応援し、彼女が出演する可能性のあるイベントにはすべて参加する徹底っぷり。
えりぴよのオタク仲間である、くまさはファン活動のため自由な時間が取れるフリーターを選び、「ChamJam」結成前からの推しである、れおを応援するほど。また、同じくオタク仲間である、基は推しである空音と真剣に交際できる可能性を考えファン活動をしています。
このように彼らのファン活動は、アイドルに恋をしていると言っていいレベルです。
▲画像引用元:https://oshibudo.com/story/#/02 より引用掲載 ©平尾アウリ・徳間書店/推し武道製作委員会
その中で、舞菜は毎回応援に来てくれる、えりぴよに想いを寄せており、お互いに両思いである描写がなされています。まさに“百合展開”。
しかし、ストーリー中では、押しが強すぎる、えりぴよに不器用な舞菜は上手く対応できず、挙句の果て舞菜は塩対応だと、えりぴよに勘違いをされています。
このように『推しが武道館いってくれたら死ぬ』では、お互いにお互いのことを思っているにも関わらず、様々な思い違い、すれ違い、アイドルとファンというお互いの立場が関係の発展を邪魔するなんとも、もどかしい展開を繰り返します。
一般的に、アイドルは恋愛厳禁です。でもなぜか、えりぴよと舞菜の関係は応援したくなってしまいます。えりぴよと舞菜の想いがお互いに届くことはあるのでしょうか? 今後の展開が気になってしまいます。
EDで流れるカバー曲が作品にマッチしている! 神曲「♡桃色片想い♡」
▲画像引用元:TVアニメ「推しが武道館いってくれたら死ぬ」桃色片想い/Clover wish 販売元:ポニーキャニオン
最近では、アニメのOP、EDが紅白歌合戦に出演するほどの人気になることもあります。2019年紅白歌合戦ではアニメ『鬼滅の刃』より、LiSAさんの「紅蓮華」が歌われ大盛況でした。今や、OP、EDはアニメの知名度を上昇させる上で、大切なファクターとなっていると言えるでしょう。
そんなアニメのOP、EDはその作品のために作られたオリジナルの曲であることがほとんどです。これは、より作品にマッチした曲をOP、EDにすることで作品の雰囲気を視聴者に伝えることが狙いの一つとなっています。アニメをよく視聴する人の中にはOPやEDの歌詞や映像を見聴きし、そのアニメを調べた人も多いのではないでしょうか。また、オリジナルの曲は新しいアニメを観る上での一つの楽しみでもあります。
そんな中、『推しが武道館いってくれたら死ぬ』のEDには2002年に松浦亜弥さんがリリースしたシングル曲「♡桃色片想い♡」をカバーした曲が使用されています。
EDでは、主人公である、えりぴよがカバーしているのですが、実はこの「♡桃色片想い♡」の歌詞が『推しが武道館いってくれたら死ぬ』のストーリーに非常にマッチしているとファン間で話題になっているのです。
「♡桃色片想い♡」は主人公、えりぴよがアイドル舞菜に抱く切なくとも抑えきれない気持ちを表現しつつ、さらには舞菜がえりぴよに抱く密かな気持ちをも表現しています。
一つの曲で、2人の気持ちを表現しつつ、このアニメの本質を上手く表現した曲と言えますね。まさに、このアニメのために作られたオリジナルの曲なのではないかと思ってしまうほどです。
まだ、『推しが武道館いってくれたら死ぬ』を視聴していない人は「♡桃色片想い♡」を聴いてみてはいかがでしょうか? もし素晴らしい歌詞であると感じるなら、『推しが武道館いってくれたら死ぬ』を視聴してみるといいかもしれません。きっと本作を素晴らしいアニメだと感じますよ!
(Edit&Text/天乃ひる)