第一部で大きく話題になった『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません』(以下、本好きの下剋上)ですが、期待されていた第二部が放送されているにも関わらず、あまり話題に上がっていません。

本好きの下剋上 二部 画像<画像引用元:http://booklove-anime.jp/ より引用掲載 ©香月美夜・TOブックス/本好きの下剋上製作委員会>

 アニメ業界では、1期は面白かったが、2期はイマイチなどといった作品も多いですよね。あまり話題にならないので『本好きの下剋上』も、そのパターンだと思っているアニメファンは多いのではないでしょうか。

 しかし、視聴してみると第二部にも第一部と同じ面白さがあります。観ていないアニメファンは非常にもったいないと言えるでしょう。

 今回は、そんなアニメファンや、そもそも『本好きの下剋上』を観ていない方に第二部がどんな物語なのか、どんな方にオススメの作品なのかを紹介していきます。

第二部では権力争いが顕著に? 複雑な貴族社会が好きな人にオススメ

本好きの下剋上 第二部 マイン 画像<画像引用元:http://booklove-anime.jp/story/ より引用掲載 ©香月美夜・TOブックス/本好きの下剋上製作委員会>

 『本好きの下剋上』第一部では、下町と商会が舞台の話が主でした。しかし、第二部では舞台が大きく変わり神殿での話が主になります。

 そのため、第一部であったような下町での生活風景や新たな商品開発、材料調達のような話は少し減ってしまい、この部分が好きだった方は少し残念に思うかもしれません。しかし、神殿が舞台になったことで今までになかった貴族社会での話が加わります。

 第一部でも貴族社会について少し触れられていましたが、第二部に入ってからはマイン自身も深く貴族社会に関わっていくことになります。

 『本好きの下剋上』の神殿では、明確な地位の差が存在し、従える者と従う者にきっちり分かれているのです。マインは幸いなことに従える立場に立ちますが、その分大きな権力を持っているので、どの派閥に所属しているかで争いが起こっています。

・地位や各式、権力などに忠実な神殿長派閥

・最低限の各式は必要としながらも能力の高さを重んじる神官長派閥

本好きの下剋上 第二部 一八章 画像<画像引用元:http://booklove-anime.jp/story/ より引用掲載 ©香月美夜・TOブックス/本好きの下剋上製作委員会>

 マインは神官長派閥として神殿内で生活をしていくことになります。果たして2つの派閥の争いはどういった結末を迎えるのでしょうか。ぜひ、視聴して確かめてください。

 他にも、マインが側仕えをどのように扱えばいいのか悩むエピソードは貴族社会らしい面白い話となっています。さらに、貴族として平民にどう振舞うかなど貴族特有のエピソードが多いです。第二部は派閥争い、貴族の振る舞い、貴族特有の会話といった貴族社会を扱った要素が多く、そういったアニメが好きな方にオススメの作品になっていると言えるでしょう。

 また、『本好きの下剋上』では、貴族や平民、孤児たちのそれぞれ固有の思想がしっかりキャラクターたちに定着しており、そこに生きているのを感じ取ることができます。そのため、思想の違いから起こる様々な問題に直面していく話が好きな方にもオススメです。

次々に理解者を得ていくマイン。多くの人に慕われる展開が好きな人にオススメ

本好きの下剋上 第二部 マイン 画像02<画像引用元:http://booklove-anime.jp/story/ より引用掲載 ©香月美夜・TOブックス/本好きの下剋上製作委員会>

 第一部ではマインの理解者として家族やルッツ、ベンノ、オットーなどが登場しました。ですが、マインの現代知識から出てくる発想力に周囲は困惑し、身内以外の理解者は少ない状態だったと言えるでしょう。しかし、第二部では徐々にマインの周囲にも彼女の理解者や彼女を慕う者が増えていきます。

 第二部当初、マインは特殊な状況から弱い立場にあり、彼女を卑下する者が神殿内にたくさんいました。そして、マインの味方であるはずの側仕えでさえ、彼女に不満を持っており、またそんな側仕えに対してマインも信頼を寄せずギスギスした関係が続いていきます。

 そんなある時、自分に不安を持っているのには理由があることに気づいたマインは彼女らしい解決策で側仕えとの関係を修復し、信頼関係を築くのです。

 多くの転生モノのアニメでは、なぜか最初から信頼されている主人公や簡単に信頼される主人公が多いですよね。しかし、それでは、1から人間関係を築いていく楽しみや、キャラクターたちの人間性が失われてしまいます。

 『本好きの下剋上』はそういった物語の省略行為はせず、人と人との繋がりを丁寧に描いた作品です。キャラクターの人間性がよく描かれている作品だとも取れます。

 この作品は卑下されていた者が、徐々に理解されていき友を増やしていく、そんな展開が好きな方にオススメだと言えるでしょう。

いつまでも子供じゃない!! 大人になっていく成長物語が好きな人

本好きの下剋上 第二部 二十二章 画像<画像引用元:http://booklove-anime.jp/story/ より引用掲載 ©香月美夜・TOブックス/本好きの下剋上製作委員会>

 『本好きの下剋上』では、主要キャラクターであるマイン、ルッツともに幼い子供です。子供であるが故に、間違いを犯したり悩んだりするのですが、第二部では、そんな幼い部分もあった2人が大きく成長していきます。

 マインは転生前が大人だったため、精神的成長は少ないのですが身体的に大きく成長をみせます。第一部の彼女は非常に病弱なキャラクターでした。第二部でも体の弱さはそのままですが、第一部より遥かに丈夫で元気になっていきます。

 しかし、そんなマインも現代の知識があるばかりに『本好きの下剋上』の世界では非常識と言われてしまう言動をとってしまうことも……。また、人間関係に疎い彼女は人と人との繋がりで失敗してしまうこともあります。

 『本好きの下剋上』の凄いところは、そんな失敗の後の成長を忘れないところです。多くのアニメでは、せっかく成長してもいくつか話が進むと、その成長を描ききれなくなってしまうことがあります。しかし、本作では、しっかりキャラクターの成長が描かれており、次の話にもそれが活かされているのです。

本好きの下剋上 第二部 ルッツ 画像<画像引用元:http://booklove-anime.jp/story/ より引用掲載 ©香月美夜・TOブックス/本好きの下剋上製作委員会>

 また、マインの理解者として年齢の割に大人っぽいルッツも壁にぶつかり成長する機会が訪れることに……。

 今まで商人見習いになることで家族と揉めていたルッツはこの事件を経て、また一つ大人に成長します。気になる方はぜひ第二部を視聴して確かめてください。

 第二部は、キャラクターの成長がしっかり観られる作品になっています。キャラクターたちが成長していく作品が好きな方にはオススメのアニメだと言えるでしょう。

 

 ――『本好きの下剋上』は転生した少女が現代知識で無双するだけの話ではなく、人と人の繋がりを描く物語でもあるように感じます。第二部では、それがより顕著に現れているのではないでしょうか。

 第一部と第二部では話の毛色が変わってしまいますが、どちらも面白いので多くの人にオススメしたい作品だと言えます。

(Edit&Text/天乃ひる)


TVアニメ「本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません」公式サイト

©香月美夜・TOブックス/本好きの下剋上製作委員会

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