イラストが入った印鑑「痛印(いたいん)」を販売する「痛印堂」が、10年目の節目に向けてリニューアルのため一時サイトをクローズする。

<痛印堂・オリジナルのイラスト印鑑が作れるサービスとして2012年に開始された>

 20126月オープンの痛印堂。これまでに『魔法少女まどか☆マギカ』を皮切りに、『ガールズ&パンツァー』『劇場版 TIGER & BUNNY -The Rising-』や『進撃の巨人』『Key』シリーズ、『日産自動車』、現在も販売中の『SEGA』シリーズなど、アニメ、ゲーム、自動車などジャンルは多岐に渡り、コラボ作品は140企画以上になる。

 サービス開始当初、従来までは文字を中心としてきた印面に、イラストを描いた印章を提案したことが主にインターネット上で話題になった。来年2022年には10周年の節目を迎えることもあり、伝統文化であるハンコと現代日本が誇るアニメ・ゲーム文化に改めて敬意をはらい、未来に向けて伝承していくことを痛印堂は誓っている。

<柘植を使用した丸印・角印の他にも、天丸やチタン、アクリルなど企画に合わせ多様な印材で商品化をした>

 書類に限らず手紙や名刺などへの捺印、また彫刻品としての角度から“飾る印鑑”としてもハンコ文化を伝える痛印。2019年のクールジャパン・マッチングアワード(事務局:内閣府知的財産戦略推進事務局)では「日本の伝統(ハンコ)がさらに数多くの人たちの個性を楽しく表現できるツールに生まれ変わりました」と、奨励賞の評価をされている。さらに昨年には、ユーザーの似顔絵を描き起こし、文字通り“本人の印”になる「にがおえ印鑑」の販売を開始。その裾野を広げている。

 次のステージに向けてリニューアルをする痛印堂。アニメ、ゲーム作品の企画や、オーダーメイドのオリジナル印鑑は新しいサイトでも継続予定である。痛印への期待は高まる一方だが、痛印堂のサービスを提供しているTOSYO株式会社 代表取締役社長 中川貴文氏は気を引き締める。

「彫刻品・芸術品として、大切な日本の文化を伝えていくこと、お客様に満足頂ける一本をお作りさせて頂くこと、そしてお客様が見やすい、買い物をしやすいサイトを目指して、調整をしていきたいと思います」

 と話す。

 同サイトは順調であればこの夏、再オープンを予定。文化の側面から「痛い」の意味を変えるかもしれない、イラスト印鑑の新たなストーリー。2つの日本文化を大切にする「痛印」と、次はどんなイラスト印鑑が登場するのか、期待していただきたい。

 なお、現在販売中の企画については5月31日23:59まで受付中である。残り僅かの販売期間を見逃さないようにしてほしい。

◆痛印堂が目指すもの-TOSYO株式会社 代表取締役社長・中川貴文氏 メッセージ

 私、中川が痛印堂を始めたとき、畳4畳半の自宅の小さな部屋からのスタートでした。当時イラスト印鑑というものは世間においてあまり知られておらず、また印章業界においても需要や価値というものが全く意識をしておりませんでした。

 あれから約10年。痛印堂が起こした「イラスト印鑑」という小さな種火は、今ではSNSを中心に、当たり前に見られるものとなり、その需要に気づき始めた印章企業達が、新たにイラスト印鑑を事業に取り入れ、弊社の行動が印章業界全体の市場活性の一助に繋がったと感じております。

 我々はこれまで「痛印」を通じて、アニメやゲーム業界をはじめ、自動車業界、バイク業界、映画業界、スポーツ業界、音楽業界、お菓子業界など様々な企業様と接点を持ち、様々な文化を学ぶ機会を得てまいりました。そして文化というものは、その時代、時代を刻む大切なものと知りました。それは時代とともに人々の関心が移り行く姿を眺め、様々な文化に触れあってきた痛印堂だからこそ気づくことだと思います。

 印章文化に限らず、「文化」は時代と共に新しいものが生まれ、そして時代と共にいつかは消え行くものだと思います。しかし、培ってきた文化の痕跡は消えるべきではない、と私は強く思っております。

 そこで我々「痛印堂」は新たな使命に文化の尊重~respect cultural“を掲げます。

 これからの時代、多様性が認められる社会になっているからこそ、国内のみに留まらずに世界に関わる、過去、現代、これから生まれてくる未来の様々な文化を尊重し、アートとハンコで伝えていくことが痛印堂の使命と考えております。

 その先駆けとして20201022日、内閣府 知的財産戦略推進事務局が主催する「クールジャパン・マッチングアワード2019」において、痛印堂は日本の伝統文化を世界に発信したことで奨励賞を賜ることできました。

 我々は何のために存在するのか。リニューアル後に目指す痛印堂の姿とは、「ITAINDOU」を通じ、日本の文化発信の第一人者として、また世界の文化の守り人として、後世の人々に伝えていく文化製品を築き上げてまいります。

 これまで痛印堂を支えてくださったお客様ならびに取引先の関係者の皆様へ、感謝の気持ちを申し上げるとともに、夏頃のリニューアル後再開をお会いできるのを楽しみにしております。これからも痛印堂をよろしくお願い申し上げます。

◆痛印堂 公式サイト&SNS

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