ロックバンド・RunKillYou(ランキル)の元ギタリスト、水野ウバが運営するアニメ・アイドルWebメディア『アニギャラ☆REW』(https://anigala-rew.jp/)が、2022年10月に月間325万PV、129万UUを突破した。
アニギャラ☆REWは2022年8月に240万PVを突破したばかり。にもかかわらず、それから約2ヶ月で325万PVを突破するという快挙を見せた。
アニギャラ☆REWの運営をする水野ウバは「この前、240万PVを獲得したと思ったら、それから2ヵ月あまりで325万PV突破とは。まさか300万PVを超えるとは思わなかった」とコメント。
また、本日11月10日(木)は『アニギャラ☆REW』がオープンしてから6周年となる。そんな『アニギャラ☆REW』だが、サイトオープンの2016年から約3年間は平均して月間3万PV弱のサイトだったという。
なぜ『アニギャラ☆REW』は、2020年2月から2022年の10月の約2年半でアクセス数を約100倍のばせたのか? 代表編集者の水野ウバに、サイト運営の秘訣や月間325万PVを達成した今後の展望について聴いてみた。
◆月間3万PVのサイトを約2年半で「325万PV」にしたサイト運営の秘訣
──アニギャラ☆REWの運営をはじめてから今日で6年とのことですが、なぜサイトを始めようと思ったんですか?
水野ウバ:サイトをオープンしたころの2016年、僕は雑誌などの紙媒体を中心に、フリーのライターとして記事を書いていたんですけど、あるとき、とあるアニメ系サイトの記事を読んで「くだらない」とか「文章がヘタ」とか、率直に言って面白くないと感じました。
実は、そのアニメ系のサイト、僕がコンビニのアルバイトしながらフリーのライターを目指していた2014年の時分、記事を書いていたサイトなんです。そのサイト、1,500文字くらい書いて原稿料が税込みで、たったの100円でした。1文字換算で0.06円ですね。
当然ライターは僕を含めて、経歴のないよく分からない素人が集まっていました。活躍しているライターはこんな価格で書かない……。書き手が素人ということもあって、文章もめちゃくちゃ。そんなサイトが大手ニュースメディアに記事を提供して月間70万PVくらい数字をとっていました。
なんでこんなくだらないサイトの記事が読まれているんだろうと、ライターとして、クリエイターとして怒りを覚えましたね。そこで、自給自足ではないですけど、自分が面白いと思えるアニメ系サイトを作ろうと思って立ち上げたのが『アニギャラ』でした。
ちなみに、そのクオリティーの低くて面白くないアニメ系サイトは、記事を配信していた大手キュレーションメディアが閉鎖して、アクセス数が激減。昨年に壊滅しました。
──オープンから3年間、平均して月間3万PVだったのを、2020年2月から約2年半で325万PV、ざっと100倍にアクセス数をのばしたわけですが、アクセス数アップの秘訣とかってありますか?
水野ウバ:常にモノを作るクリエイターとしてクオリティーを意識することですかね。
オープンから3年間、オリジナルコラムの原稿作成をお願いしてきたライターは、ライターの経験がない素人さんばかり。当然、彼らが納品してくる文章はめちゃくちゃなわけですよ。とてもじゃないけど、記事として公開できない状態です。
そこで、頑張ったのが原稿の編集。めちゃくちゃな文章をちゃんと読める文章にすべく、丁寧に一文一文、編集していく。とても骨の折れる作業でしたが、完成した文章はたまにTwitterで評価されたりしてとても嬉しかった。アクセス数でいうと当時のバズ記事のPV数といえば月間1,500PV程度。いまでは、1記事1万〜3万PVバッズていてケタがちがいますが、それでも当時は嬉しかったです。
ちなみに、オープンから3年間は、頑張って編集した記事のほとんどが読まれることがなくて、そっちのほうが辛かった。
ライターも当時6人くらいいて、それなりに外注費がかかるのに、月間3万PVくらいくらいしか読まれなかった。運営費が足りなかったり、誰にも認められず記事がスルーされることにかなりのストレスを感じて、2020年の3月でサイトの運営をやめようと思っていました。
そんなとき、奇跡(?)が起こりました。『アニギャラ』が注目されPV数は2020年2月から急上昇して、同年5月には初の100万PVを達成しました。注目されるとともに、ライターが書いたコラムは評価されるようになって、とあるライターは、アニメ映画ライターとして業界では知らない人はいないライターにまでなりました。
まぁ、アクセスアップの秘訣というか、対策というかはよく分からないんですけど、SEOをあまり意識せずに「読み物としておもしろい!」を意識することと、スムーズに頭に入りやすい文章を書くことに重きをおいてサイトを運営する、そして何があってもあきらめない精神を持てば『アニギャラ』のようなサイトを誰でも作れるんじゃないかなと思います。
なんの特技も取り柄のない、稼げないフリーライターの僕が、月間300万PV超えのサイトを作れたんですから。
僕は人として劣っていると思うので、この記事を読んでいるブロガーさんや、Webライターさんなら、頑張れば『アニギャラ』のようなサイトを作れると思いますよ!
──ぶっちゃけ月間325万PVを達成して、収益はどれくらいありましたか?
水野ウバ:あまり詳しいことはトップシークレットですが、毎日スナック行ったり、一晩でヘネシー5本入れたりするくらいの売上はあります。
──以前、240万PVを達成したとき「日本は物質的にも精神的にも貧しくなった」と話していましたが、これはどのような意味なのでしょうか?
水野ウバ:今はまだ詳しいことは語れませんが、今年の6月に人生や考え方を変えるできごとがありまして……。そのできごとを通して、日本がどんどん貧しくなっていると感じるのと同時に激しい怒りを覚えました。
僕の事務所のある東京都北区赤羽の夜は、夜職の20代くらいの女性たちが、駅前で呼び込みをしているのですが、みんな笑っているんですけど、すごく必死なんですよね。生きるのに必死みたいな。
僕が20代のころも手取り15万円じゃ生活できないと言われていて、たしかに生きづらい世の中でした。でも、もうちょっと、生きることに余裕を持てていたと思います。だけど今のZ世代の子たちは、見ていて本当に必死。毎晩、スナックを出て、駅前を歩いているとその必死さが女の子たちから伝わってきます。
別に夜職で働くことがいけないという意味じゃないですが、これからも日本は大森靖子さんの楽曲「パーティードレス」に登場するような女の子たちが増えていく。増やさないじゃない。増えていくんだ。だから、そういう子たちの心の支えや、前向きな気持ちになれるコンテンツを作ることが、アニギャラ編集部の使命じゃないかなと思っています。使命とか、なんか偉そうにすみません……。
──最後にこのインタビューを読んでいる人たちへメッセージをお願いします。
水野ウバ:さっき『アニギャラ』は、とあるアニメ系サイトがつまらなかったから、自分が面白いと思えるものを作ったと話しましたけど、今では自分の居場所のようなものになっています。人間は自分の居場所や、安心できる場所を求めていると僕は考えています。
よく、1stプレイスが家、2ndプレイスが学校や職場、3rdプレイスがインターネットといわれていますが、この3つのどこにも居場所がない人が日本にはいっぱいいます。居場所がないと、毎日が不安でネガティブになってしかたがない。僕もその中の一人だった。
そして、最近気づいたのが、4thプレイスの存在。僕にとって、アニギャラは4thプレイスなんです。だから、もし1stから3rdまで、居場所がないのなら、僕みたいに4thプレイス、自分の居場所を自分で作ればいいと思う。
4thプレイスを作るのは、めがっさ大変な努力が必要。僕は今33歳だけど、4thプレイスを作り上げたのは、31歳のとき。ライタープロフィールにも書いてあるけど、20代のころは本当に暗黒で、いいことなんてあんまりなかった。だけどアニギャラが注目されるようになってから毎日が楽しい。毎日死にたいと思っていた20代のころが嘘みたいに。こんな明るいおっさん生活が待っているなんて、20代のころは思ってもいなかったです。
4thプレイス論は僕の自論。当然これが100%正しい考え方だとは思っていないし、僕がアニギャラという4thプレイスを作れたのは奇跡かもしれない。
20代はいっぱい傷ついて大きな人間になる修行期間。本番は30代かなとも思っています。僕は小物ですが……。どっかの歌の歌詞みたいだけど、人は傷ついた分だけ優しくなれると思います。
もし、4thプレイスを見つけてネガティブのスパイラルから抜け出して、どこかで、自分と同じような境遇の子と出会ったら、4thプレイスの存在を示してその子を導いてほしい。
アニギャラも僕も、まだまだこれからです。この先どんなことが待ち受けているのか分かりませんが、いかなる壁も乗り越えて、人の心の支えになったり、前向きになれるコンテンツを作っていきます。これからもよろしくお願いします。
〈取材・文/相模玲司 撮影/ルビー〉
◆水野ウバ プロフィール
本名、水野高輝。ロックバンド・RunKillYou(ランキル)、現coli-oriの元ギタリスト。編集プロダクション・ミセルパブリッシング(https://micelle.net/)代表。メンズファッション雑誌『411(フォー・ダブワン)』編集部(外部編集者)を経て、『週刊SPA!』のWeb版『日刊SPA!』など複数のメディアにライターとして記事を寄稿。2016年11月にアニメ・アイドルWebメディア『アニギャラ☆REW』の運営をスタートさせる。中島らも、西原理恵子、大森靖子、戸川純に傾倒し、暗黒の20代を過ごす。『Yahoo!ニュース』に掲載された執筆記事のコメント欄に「水野高輝キモい」と名指しで書かれたことも。共著に『超解読 ジョジョリオン 杜王町の奇妙な考察』(出版社:三才ブックス)がある。
▼RunKillYou音源(Apple Music)
https://music.apple.com/us/artist/runkillyou/396378507
▼coli-ori音源(Apple Music)
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