『ジャンプ』作品は少年誌らしい正々堂々とした戦いが求められますが、中には『HUNTER×HUNTER』のメルエム戦のように兵器を持ち出し「賛否両論」を呼んだ戦いがあります。
次の『ジャンプ』作品の3つの戦いも、さまざまな事情から賛否を呼ぶ戦いとなってしまいました。
◆シリアスから「ギャグ」へ路線を変更?──『ONE PIECE』カイドウ戦
<この記事にはTVアニメ『ワンピース』と原作漫画『ONE PIECE』のネタバレが含まれます。ご注意ください。>
<画像引用元:Amazon.co.jpより>
ワノ国編のラスボスとして登場したカイドウに、ルフィはギア5を発動して勝利しますが、ギア5になったときの戦い方が賛否を呼んでいます。
ルフィはカイドウと4回目の戦いで「咆雷八卦」を喰らい戦闘不能になりました。誰もがカイドウには勝てないのかと思ったとき、謎の鼓動が鳴り出しルフィは復活して「ギア5」を覚醒させます。
ギア5になったルフィは見た目だけでなく戦い方も変わり、カイドウの体内で自身の体を風船のように膨らませたり、雷をゴムにして投げつけたりなど、これまでの緊迫感がある戦い方からギャグ漫画のような戦い方に変わります。
この戦い方に「ルフィらしい戦い方」「戦い方が斬新で面白い」と肯定的な意見がある一方、「戦い方がふざけすぎている」「これからもこんなギャグ調で戦うのか」と否定的な意見も出てきてSNSで話題となりました。
カイドウはルフィが何回も敗れた相手で、原作者の尾田栄一郎先生も読者が納得できるようなカイドウの倒し方が思いつかず悩んでいると『大ONE PIECE新聞』2号で語っています。
また、その後に『名探偵コナン』の原作者、青山剛昌先生と『週刊少年ジャンプ』2022年34号で対談したときには、「深刻な漫画にはなりたくない」「反感を買ってもいいからふざけて描いた」とギア5について述べました。
少年漫画では終わりが近づくほどさまざまな真相が明らかになり、深刻な雰囲気になっていくもの。そのなかで深刻な雰囲気にさせたくないと、あえて戦い方をギャグ調にするのは読者を思う原作者の優しさなのかもしれません。